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【完結】溺愛ってなんですか?平凡令嬢はただひたすらに見守りたい  作者: にむ壱
第2章 ウィンターホリデー
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思い出アップデート

「だけど、学園で初めて会った時に言ってくだされば良かったのに…!」



「いやいやいや、君、俺が何かいう前に『はじめまして!』って言ったよ?」



「え…まあ、それは、んまあ…男性とあまりお話しする機会もなかったですし?

緊張してましたし?それに、レオン様の容姿が…眩しくてですね…

心がですね、どこかに飛んでいったかのようにですね…。」



先程まで普通に会話ができていたというのに

何に緊張してか、急にしどろもどろになるリリーナ。



「ぷ…ははは!なに、それ。もう、リリーナ面白っ…ふはっ!」



「ええっ!笑わそうとはしてなくてですね…あ、ちょっと

なんでそんなに爆笑しちゃうんですか…?うんー…??」



彼女としては、真面目に答えようとして慎重に言葉を選んでいたつもりが、

レオンを爆笑させてしまい、なぜそうなったかと悩み始めたリリーナの姿が

一層レオンの笑いを誘った。



「はは…でも、まさかあの学園で再会できるなんてね。

魔法の魅力に目覚めたとか?」



「というよりは、必然性を感じた、というのが理由ですね。

わたし、演劇のプロデュースをしたいんです。」



「なるほど、作る側…ね。確かに…そうか。」



レオンはあごに手をやり、うんうんと頷いた。


というのも、この世は魔力主義。

やりたい仕事に就くにも、魔力が高い者、魔法を自在に操れるものが

絶対的に有利となる。

だから、金の魔力量を持つマリエナが賞賛されるのも

当然であった。

レオンはリリーナが王立魔法学園を選んだ理由を理解した。



「こう見えても、少しは成長してるんですよ?魔力量も上がったし…

まあ、このホリデーの課題の難しさには、きのうヘコたれましたけどね…!」



バツの悪そうに、ニヤリと笑うリリーナ。

でも、それを見るレオンの目は優しくて



「がんばってるね。」



と褒めてくれた。

のにもかかわらず、次にはさらりとネタを入れてくるあたりが

彼の性格だ。



「まあよかったよ、『地元にはいられない恥ずかしい失敗をしたから、

誰も自分を知っている人がいないところに入学したい!』ってことじゃなくてね。」



「ん…な、なんでそうなっちゃうんですか…!

…行動が危なっかしいとはよく言われますけどね…

今のところ辛うじて大丈夫です!」



むん!と鼻息荒く自信満々で答えた。




「ははっ。なんでそこで気合入れるの…!」



「え…っと?面白ポイントありました…?」




ようやく収まったはずの爆笑モードが再び蘇るレオンに

リリーナはまた爆笑理由を模索するのであった。







ひとしきり笑い合って、落ち着いたところで

空を見上げると、先ほどよりも赤みが増していた。



「うん。ちょうどいいね。思い出をなぞろうか。」



そう言い、レオンは立ち上がると、近くのやや太めの枝に登った。

そして、少し揺らしてみたり、枝の表面をなでたりして

ひととおり枝の状態を確かめると、



「リリーナもおいで。」



と、枝の上から手を差し伸べた。



「え、レオン様?」



(木の上に登るなんて…!?ちょっと怖い…それに

彼の手一本で上がるような軽い体でも無いし…!)



レオンの手を前にし、すぐに動くことができず考え込むリリーナを

安心させるように、彼は言った。



「大丈夫だよ。しっかり引っ張るから。」



それに決心したように、リリーナは伸ばされた手をとった。

瞬間、力強く握られると、一気に引き上げられた。



「わぁっ…!」



そしてそのまま、先程レオンが確認していた部分に座った。

リリーナが座るのを見届けると、その隣に彼も座った。



「!」



(昔はこうして座っていた…のよね。すごく密着点が多くて

緊張してしまう…)



バランスを取って座れる範囲が少ないとはいえ、

肩、腰あたりが密着し、さらには引き上げる際に繋いだ手が

まだそのままということもあり、リリーナは緊張して

体は硬直気味だった。



繋いだままの手は、その後も数秒離れなかったが

ぬくもりが手に残る前には、離れていった。

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