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【完結】溺愛ってなんですか?平凡令嬢はただひたすらに見守りたい  作者: にむ壱
第2章 ウィンターホリデー
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寄り道で

リリーナは、帰り道にどうしても寄りたい場所があった。



お屋敷と街を結ぶ道を少し外れた、小高い丘。

そこにある、樹齢300年は下らない立派な大木。


この木は枝張りが20mほどあり、遠くからでもその存在感を放っている。

街のどこからでも見えるため、住民からは守り神のように親しまれていた。




リリーナがそこへ足を進めるうちに、過去の思い出が蘇ってきた。



根元近くにある、”うろ”が秘密基地のようでしょっちゅう遊んでいたこと。


木に登って夕日を見たこと。


木の周りで鬼ごっこをしたこと。



(あれ…?)



その思い出に顔が思い浮かばない少年が出てくる。

何度記憶を繰り返しても、顔はモヤに包まれたまま。



(記憶を失う前の出来事なのね…)



「はぁー…」



大切な思い出のはずなのに欠けているのが悔しくて、

大きなため息をついた。




「そういえば、あの”うろ”、どうなったかな…?」



それは、小さな頃の自分がすっぽり隠れるくらいの大きさで

包まれた感じがとても好きだった。


流石に今の体の大きさでは、すっぽりとはいかないが

また入ってみたいと思いながら足を進めた。





ところが少し手前で、様子がおかしいことに気づいた。



(何か見えてきた…)



木の根元あたり、幹の向こう側から、何やら生地がのぞいている。



(な…に…?)



訝しげな表情を浮かべながら、ゆっくりと木に近づくリリーナ。

するとだんだん、そのはみだした生地は、

『あぐら状にした足の膝部分』、ということに気づいた。



「…ん、ぁ…あしっ!?」



認識をしてしまうと、怖くなり、足を止めてしまった。



(い…一体、誰の足…?え…そ…そもそも

生きているわよ…ね??)



ピクリくらい動いてくれないかしら…と状態変化に期待を込めながら、

少し見ていた。





「…おいでよ。」



「…え…?」



「待ってたんだけど?」



幹の向こう側から耳に入ってきたのは、

聞き覚えのある声。



(この方…知ってる…?)



だけどやっぱり確信が持てずに

その場に止まったままでいると



「…あれ、もしかして、怖がってる?」



幹からひょこっと顔がのぞいた。



「…レオン様!??」



「や!3日ぶり。」

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