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合同練習

測定が終わると、後半は上級生との合同練習となった。

体操着に着替えて、魔法練習場の一角に集合する。



本日のカリキュラムは、杖の使い方。

手のひらサイズの杖を操って、小さな水の玉を作り、的に当てると言うもの。

的はいくつかあり、好きな的を選んで10発ずつ打って移動、というのを5セット行う。

ひたすら魔力の練り上げ、命中力が問われるものだ。




バスバスと的確に当てる上級生を見て、見事だと感動していると

リリーナの番が回ってきた。



「次、始めてヨシ!」



「ああ、はい!」



結果は散々だった。

一回目 2発命中

二回目 3発命中



「…メリンダ様、私下手すぎます…どうやったら当たるんですか…?」



「そんなの、的を見ればいいだけのことよ?」



「え…あぁあ…、んまぁ、そうなんですけどね…」



(できる人は感覚でやるから教えるのが下手、って聞いたことがあるけど

このことね…)



そう思いながら、次の的へ向かっていた。

その時。



「ああっ…!!」



マリエナが目の前の的に当てようと、杖を振りかぶった瞬間に

手元が狂って、水の玉が逆方向へ飛んでいった。


運の悪いことに、それは、マリエナの背後にいたリリーナ目掛けて飛んでいった。

それが結構しっかり練られていて、勢いもついていたのだ。



「きゃっ!!!」



「…っと!」



バシャッ!



完全に気付くのが遅れ、顔を伏せるしかなかったリリーナだが

誰かが前に立ち、防いでくれた。

誰が…?と思って、顔を見上げてみると、それは見知った顔。



「や、久しぶり!大丈夫?」



「レオン様!?」





「君のクラスと合同練習だったんだね。」



久々に見る彼は変わらず爽やかだった。

気軽に話してくれるレオンだったが、体操着の右肩から胸にかけては

結構濡れていた。



「わっ…、レオン様の体操着が…!」



リリーナはあわてて首にかけていたタオルでトントンと、拭きはじめた。



「大丈夫、大丈夫、気にしないで。」



ははっと笑うレオンを見ながらも

リリーナはトントンをやめなかった。



「こんな寒い時期に濡れたままなんてダメです。風邪ひいちゃいますって!」



あらかた吸わせることができたものの、湿り気までは取ってあげられない。



「タオルだとここまでが限界ですね…冷たいですよね。

あ!ハンカチを挟んでおきましょうか…!」



そう言い、リリーナはポケットに入れていたハンカチを取り出し、広げた。



「ありがと。」



といって、レオンはハンカチを準備するリリーナの手を

軽く握った。

驚いたリリーナは、どうしたのかと、彼の顔を見上げた。



すると、右手を濡れた部分に手をかざすと、

空間を掴むように、ぐっと握った。


すると、彼の握った手からは、雫が数滴垂れてきたのだ。



(わ…すごい…)



この光景を目の当たりにしたリリーナは感動して、目が釘付けだった。



「俺の得意な『反発魔法』。水と生地を反発させて出せば一発だよ。」



「すごいです。…それなのに、すみません…。タオルで拭くなんて

無駄にお時間取らせちゃいました…!」



「あ、いやいやいや、そう言う意味で言ったんじゃないよ!?

むしろずっとやっ…コホン。君の学習時間を削るのが少なく済んでよかったよ。」



「そんなことまで気遣っていただき…ありがとうございます!」



リリーナが深くお辞儀をすると

かしこまりすぎだから!と突っ込まれた。

そんなやりとりをしていると、一つの影が近づいてきた。



「まあ、レオン様!わざわざ私を教えにきてくださったのですか?

コントロールが難しくて…濡れませんでしたか?」

と、肩をそっと触った。



「…… ……ああ、そうだな。

マリエナ嬢、コントロールの練習をしようか。教えてあげるよ。」



と言って、2人はその場を後にした。



(……これが魅了の力か)



残されたリリーナは、少し先にいたメリンダに追いつき

的あての練習を再開した。








5ターン目の的当てを終えた頃。



「先生!!医務室に行ってきます!!」



と言い、マリエナをお姫様抱っこをするレオンが走ってきた。

よく見ると、マリエナの足首には血が滲み、とても痛そうにしている。



どうやら、杖に溜まった魔力カスを上手く放出しないまま、

使い続けたことによる暴発だそうだ。



(あ…!これって…!)



リリーナもメリンダも同じ事を思い出していた。

レオンの出現条件…

『大勢の前でお姫様だっこをされる』。



この時、やっぱり自分がされたお姫様抱っこは関係なかったのだ、と

少し安心したものの、何かわからないモヤつきを覚えたリリーナだった。

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