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スチル回収そして疑問

「リリーナ、今日は劇場の隣のアクセサリーショップよ!」



「目の準備万端、行きましょう〜!!」



本日もスチルを生で見るため、慌ただしく教科書を片付けるメリンダとリリーナ。




メリンダの事情をすっかり把握したリリーナは

より一層メリンダと過ごすようになった。限られた時間を取りこぼさないように。

もう、時間をずらして待ち合わせたり、人目につかないところで話したりしない。

教室でもどこでも、一緒に仲良くする!

リリーナはあの日からそう決めたのだ。





一緒に行った浜辺で拾った貝を加工したアクセを送るシーン

マリエナの手作りお弁当をあーんするシーン

風で木に引っかかったリボンを取ってもらい付けられるシーン

…いくつ回収しただろうか。



(いずれもよい「すちる」だった…)



本日のスチルを回収し、2人でカフェに入り

シーンを振り返って盛り上がっていると



「うーん」



急にメリンダがアゴに人差し指を当てて、うなり始めた。

リリーナは顔を覗き込み訪ねた。



「どうしたんですか?すちるになにかありました?」



「ちょっとね…今まで見てきた生スチルを振り返ってみるとね

圧倒的にユーストス様の量が多いの、次いで数えるほどのヴェクトル様。

『溺愛エンド』を狙っているなら、ヴェクトル様はもっとあってもいいし、

そろそろレオン様も出始めるはずなんだけど…。」



「そうなんですか?うまくいってないんですかね、溺愛ヒロイン化…」



「魅了は間違いなくかかっていると思うのだけど、いまいちイチャイチャしないのよね…。

それぞれの相手とは、楽しくお話をしているのは見かけるけど…。」



「いちゃいちゃ…

恋愛っぽいことがまだ起きてないのかもしれませんね。ああ!もしかしたら、

彼女は彼女なりに調整しているのかもしれませんよ?

恋になる前の友達状態を楽しんでいる…とか!

なんと言っても向こう側の人ですから。」



「なるほど…そうね。それも考えられるわね。

一度でも恋愛ごとが起きればいいだけの話だし、まだこれから恋愛イベントはたくさんあるわ。

もしかしたら、スチル量からいって、ユーストス様1人に絞ったのかもしれないし。」



「ですね!いずれにしても、メリンダ様の希望は叶えられそうで良かったです。

しかし、私からしたら男性を選ぶ、なんて贅沢!って思いますけどね、あはは…」



そう笑うリリーナを見て、

メリンダは急に切り返してきた、



「そういえば、リリーナ、慕っている方はいないの?」



リリーナが即答する。



「いますよ!クリフォード様です!!!」

「ちょっと、彼は演者でしょ…現実の話よ。」

「いません!」


「はっきりいうわね…」



メリンダはふぅ、とため息を漏らした。

そして確かめるように、言葉を続けた。



「レオン様って、マリエナさんと話した後は必ずあなたに何かしら

一声かけていくわよね。」


「ああ、きっと会うたびに助けられてましたから、

危なっかしいことをしないか注意喚起しているんだと思います…」



「ヴェクトル様も最近はあなたに目線がよく向いているし…。」


「そうなんですよ!先日の蔵書室の件もありますし。

何かしでかすんじゃないかと言う監視ですね、あれは…」



「…」



「ん?」



急に黙り、もの言いたげな目で見てくるメリンダを見て

なにか失言したのではと、リリーナは焦った。



「前に先見の結果…つまりストーリーの内容が変わったって言ったわよね?

やっぱりちょっとあなたが関わっていることで、何かしらの

影響があると思うのだけど。」



「ええ!私がですか?…ありません、ありません!

私、何もしてませんし、魔力少ないですし、そんな影響することありますっけ??

ただのその辺の子爵令嬢ですよ??

……あ、でもお菓子はたくさん食べられますねぇ。」



「それは関係ないと思うわ。」



「やだメリンダ様、否定が早い!」



お互い息がぴったりの掛け合いで、思わずクスクスと笑い合った。





「まあ、そのあたりの疑問に関しては、個人的に見させてもらうわ。」



「はい、よろしくお願いします!」



話の内容をちゃんと理解していないだろう事を

改まってお願いされたので、思わずメリンダは吹き出した。



「ふふ…!」



「え!何ですか…変な顔してましたか?」



「…いえ、みんなが構いたくなる気持ちもわからなくはないわ!」



「ええー!それっていいことなんでしょうか…」



「私は好きよ。ふふっ!」



そう言いメリンダはお茶を飲んだ。



「…まあ、メリンダ様が楽しいならいいんですけどね。

なんだか複雑な気持ちですよ…?」



そう言い、リリーナは大きめのチーズスフレを口に入れた。

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