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お腹も頭もいっぱい

「何だか…衝撃的なことをたくさん聞きましたけど、

今までの不可解なことが、全部クリアになった気がします。」



話の全貌がわかったところで

色々な情報でいっぱいの頭を休ませる為、リリーナは

椅子に座り直し、お菓子を補給し始めた。



「今まで言えなくてごめんなさいね。」



メリンダも合わせて、椅子に座り直すと、グラフィムに向けて手を挙げた。

彼はひとつ頷くと、新しいお茶の用意を始めた。



「学園中で嫌われる存在になる私と、関わることにメリットなんてないと思って

初めは突っぱねてたのだけど……

表情がコロコロ変わって楽しそうなあなたを見て…ふふっ、

どうにも気になって、つい話しかけてしまったわ。」



「嬉しいです!絵姿の話から急接近できて。

『いけめん』『おし』『いけぼ』を初めて聞いたのもその時ですよね。」



「ふふ。そうね。」



2人は当時を思い出して、クスクスと笑った。






「でも、メリンダ様。たとえ未来がわかっているからと言って、

ユーストス様に嫌なことを言われるのは、辛いですよね?

本当は、とても優しい方なのに、マリエナさんにきつく当たるのも

辛いですよね?

私には、平気じゃなさそうに見える時もありますよ。

…ちょっとでも辛いなと思ったら、すぐ話しましょうね?」



「リリーナは優しいのね。

確かに…辛くないと言えば嘘になるわね…。

婚約破棄と追放をもらう学園祭まであと少し。

心強いわ。ありがとう…。」





「…学園祭の時なんですね…その時は…。

ああ、だけど、追放された後は大丈夫なんですか?

国も出るし、家にも頼れなくなるんですよね?

メリンダ様が路頭に迷う、なんてこと絶対に…ダメですからね??

何なら、ひっそりうちに住みます??」



「ふふ、心配してくれて嬉しいけど、大丈夫よ。

私…婚約破棄を突きつけられたあと、彼と国外に出るから。」



そう言い、メリンダは伏し目がちに

グラフィムに目線を送った。

お茶を淹れ始めた彼は応えるように、送られた目線を捉えると

口元をニコリとさせた。



「…んええっ!??」



驚いたリリーナは、思わず立ち上がり、

2人を交互に見た。



(もうすでに、しっかりと恋人なのね!?)



「…じゃあ、プランも…できている、ということです…?」



「ええ、場所も仕事も確保済みよ。

追放を逆手に取るのよ。」



リリーナは力が抜けるように、椅子に腰を落とす。

大きく一回深呼吸をすると



「用意周到…というわけですね…

まあ、予定が決まっているのなら良かったです!」



と安堵の表情を浮かべた。

それを見て、メリンダは少し寂しげな表情になる。



「リリーナ…。

あなたと一緒にずっと学園生活を送りたいわ…。

でもやっぱり、物語の強制力のせいで、追放は免れない。

明日以降もぜひ、今まで通り一緒に楽しく過ごしてくれると…嬉しいわ。」



「…はい…も、もちろんです!」



くくっと、口元を上げて精一杯の笑顔を作った。

だけど、リリーナの胸の奥は、ぎゅっと掴まれたように苦しくなった。

込み上げてくるものもあったけれど、今は堪える。



…確実にその日はやってくる。



メリンダとはずっと一緒にいられない。




その日1番のショックを受けたからか、

はたまた、情報過多で頭痛がしていたからか

帰宅途中あたりからリリーナの記憶はうすれ、

寮に到着すると、ベッドへ直行。ただ深く深く眠った。

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