創作詩1:特別支援学級のお地蔵さん
息子が通う特別支援学級に赴任した "不思議なスクールカウンセラーさん" のお話を詩の書式にアレンジしました。
息子が通う特別支援学級に不思議な先生がやってきた。
・口数は少なかった。
・ずっと、落ち着いていた。
・ちょっと、ふっくらしていた。
・ニコニコと、いつも微笑んでいた。
・なぜだかその人が一番人気があった。
・激しく吹雪く朝方、子を連れて小学校に向かった。
・その通りみち、子はあっちにフラフラこっちにパタパタ。
・子は枝に積もった雪を舐めて、はしゃいだ。
・なんだかんだで、20分も遅刻して到着した。
・校門の前で、その人は迎えてくれた。
・運動会の真っ最中*、子がいなくなった。
・「脱走したかもしれない」と、ちょっとした騒ぎになった。
・捜しあぐねて、ふと教室を覗いた。
・子は自作の段ボール小屋の中で、うずくまっていた。
・そばにはその人がいた。
・子の体調が良くないと、連絡を受けた。
・子を引き取ろうと、学校に行った。
・ぐずる子を自転車の後ろに乗せて、家路を急いだ。
・100メートルほど過ぎて、信号待ちでふと振り返った。
・その人は校門前に立って、こちらを見つめていた。
・夜10時を過ぎたけれど、子は帰宅しなかった。
・家族総出で近所を捜索したけれど、子は見つからなかった。
・そこで、やむなく警察に通報しようとした。
・ちょうど、その時に玄関の呼び鈴が鳴った。
・ドアを開けると、子の後ろにはその人がいた。
子が卒業すると、その人もいなくなった。
終わり
* 脚注: ”真っ最中” の発音は「まっさいちゅう」ではなく、「まっさいちゅ」と短く切るべし!
この詩は、ブログ「発達障害者/家族のキャリア支援 "マメタ物語"」において2022年1月14日に発表した作品を改変したものです。