ぼくの大好きなイオちゃんの病気を治して!
“ぼくの大好きなイオちゃんの病気を治して!”
何度も何度も、ぼくは神様にお願いしたんだ。
イオちゃんとは、ぼくの大好きな同級生の女の子だよ。
ぼくの名前は、杉田 樹 小学三年生。
ぼくの大好きなイオちゃんとは、同級生で同じクラスだった
んだけど? 急にイオちゃんの病気が見つかりそのまま入院したんだ。
イオちゃんの病気は、ぼくにはまだよく分からないのだけど...。
どうやら? 治らない病気らしい。
それでも、ぼくは毎日イオちゃんの病気が治るようにお願いしたんだ。
元気だった時のイオちゃんは、明るくていつも元気でよく喋る女の子
だったんだよ。
そんなイオちゃんを僕は大好きになった。
ぼくが初めて好きになった女の子なんだ。
本当にぼくは、イオちゃんの事が大好きで大好きでしかたない!
イオちゃんも、ぼくと同じようにぼくの事を想ってくれていたらいいな。
あの時のぼくは、そう想っていた。
・・・でも今は、イオちゃんの病気が治る事を一番に想っているよ。
ぼくのイオちゃんへの気持ちはそれからだと思う。
ぼくは用事がない限りは、毎日イオちゃんのお見舞いに行っていたんだ。
そのおかげもあって、イオちゃんやイオちゃんのお母さん、イオちゃん
の妹とも仲良くなったよ。
『あらあら? また今日もイオのお見舞いに来てくれたの、樹クン?』
『うん! イオちゃん元気ですか?』
『えぇ、さあさあー中に入って!』
『ありがとう、イオちゃんのお母さん!』
『いいのよ!』
病室の中に入ると? イオちゃんは元気にぼくに笑いかけてこう言ったよ。
『樹クン、今日も来てくれたの!』
『イオちゃんの顔が見たくて来たよ。』
『嬉しい!』
『今日は、気分は大丈夫?』
『今日は凄く気分がいいよ。』
『良かった! 顔色もいいみたいだね。』
『うん! みんな元気にしてる?』
『それがね、青君が風邪を引いて今日は休みだったよ。』
『そうなんだ、早く治るといいね!』
『イオちゃんもね!』
『・・・そうだね、』
先までニコニコ笑っていたイオちゃんは、病気の事を僕が聞いたら?
凄く悲しい顔をしたんだ。
ぼくはそれから、あまりイオちゃんの病気の事を聞かないように
しようと心に決めたんだ!
ぼくはイオちゃんの前では泣かないようにしていたからだよ。
イオちゃんのお母さんが、イオちゃんの前で泣かないようにして
いるのを知っていたからだ。
だから! ぼくも泣かないんだ!
・・・そんな時だった!
ぼくのママが、イオちゃんの事でぼくが悩んでると知っていたから
ぼくにこう言ってくれたんだ。
『ねえ、樹? お願いごとなんだけど、1度流れ星にお願いして見たら?』
『“流れ星に?”』
『そうよ! 流れ星にお願いしたら、イオちゃんの病気が治るかもしれ
ないから、やってみるといいわね!』
『うん、分かった。流れ星にお願いしてみるね。』
『きっと、イオちゃんの病気が治るわよ。』
『・・・ううん、そうだといいんだけど。』
『治るわよ。』
『そうだね!』
ぼくは早速、夜寝る前に流れ星が流れないか夜空を眺めるようになった。
でも? 流れ星って、なかなか流れないんだね。
よく分かったよ。
何日経っても、流れ星は流れなかった。
ぼくが諦めかけた時、流れ星が流れたんだ。
ぼくは咄嗟に、流れ星に願い事をお願いしたんだ。
【イオちゃんの病気が治りますように...。】
*
・・・ぼくが流れ星を見て、お願い事をして1週間後。
イオちゃんの病気に変化があったらしい。
『ねえねえ樹クン、イオの病気治るかもしれないの!』
『えぇ!? 本当なの?』
『うん!』
どうやら? イオちゃんの病気が全て消えていなくなったらしい。
イオちゃんの主治医の先生は、【これなら、1ヶ月ほどで退院できるよ】
と言ってくれたらしい。
これは、“奇跡に近い事が起きたんだ”と先生が言ったらしいんだ。
ひょっとしたら? 流れ星にぼくの願いが届いたのかな。
だから、イオちゃんの病気が治ったんだと思う。
イオちゃんは、無事に学校に通えるようになったよ。
ぼくの大好きなイオちゃんの病気が治って良かった。
今度は、ぼくのお願いを流れ星にしようと思うんだ。
ぼくの想いがイオちゃんに届きますように。
最後までお読みいただきありがとうございます。