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94.神の目的

イメーコの報告を受けてまずは急ぎ城へと戻った。

あ、カミッチはイメーコに任せた。俺としてはあいつはどうでも良いし。

そして各地から送られて来た報告書を見れば、プロステイン領でも有翼種族、恐らく天使とか使徒とかと衝突があったものの、そちらは無事に撃退に成功したようだ。

腐っても元軍事国家だからな。多少イレギュラーだったとしても戦いに遅れは取らないか。

それでルクセン領だけど。

こちらは突然空から強襲されて魔法障壁を張る暇もなかったって感じか。


「占領されたルクセン領の様子、特に住民たちはどうなってるか分かるか?」

「はい。住民のほとんどが捕えられ何処かへと連れ去られたようです。

現在ルクセン領はもぬけの殻です」

「どこかっていうのは?」

「隠密隊が追跡中です」


占領した領地を放置して人間だけ連れて行ったのか。

目的は一体なんだ?

一番最悪なのは全員を生贄として連れ去ったパターンかな。

神というか悪魔の所業だけど、何だかんだ貢物を求める神様っていうのは多い。

この世界では生贄によってパワーアップが出来るのは周知の事実だし、生まれたての神が他の神たちより頭一つ飛び出る為にやったと考えれば違和感はない。


「いずれにしろ、全軍にいつでも出られるように通達を」

「それは既にしてあります」

「うん。それとルクセン領に救助隊を派遣してくれ。

多少なりとも難を逃れて今もどこかに隠れて息を潜めている者が居るかもしれない」

「分かりました」


襲撃の時間に丁度街の外に出ていた者たちは多少なりともいるだろうし、何より主要な都市には俺の趣味で裏口やら脱出路を作ってある。

うちの領主館にも初期の頃からヨサクに頼んで街の外に繋がる地下道を作ってもらった。幸い今のところ使う機会は無いけど。

今回この報告を送ってくれた人も恐らくそういった脱出路を活用したと思われる。


「あと今出来る事と言ったら情報収集か。

あ、そういえば神聖教国が全世界に向けて宣戦布告したとか言ってたっけ」

「はい。恐らくは流れ星から出てきた神と何らかの協力関係を結んだと思われます」


まぁ元々宗教国家を謳ってたしな。

そこへ『私が神だ』って奴らが現れたら「自分たちの祈りが遂に通じたのか!!」って涙を流して喜んでその傘下に入ったのかもしれない。

俺だったら「神の名をかたる不届き者だ!」って言って皆殺しにしたと思うけど。

ただ俺の勝手な偏見かもしれないけど、儲かっている宗教のトップが敬虔な信者とは思えない。

どうせ神の名を使って富と権力を我が物顔で牛耳っているのだろう。

とすれば今回の一件も神の元に付いたと見せかけてうまい汁だけ吸っているのかもしれない。

いずれにしても神聖教国も神も俺達に喧嘩を売って来たことに変わりないから叩き潰すだけだ。

あれ?

そう言えば、そもそもの話。神たちの目的ってなんなんだ?

神の癖に特に用もなく気分転換に地上にやってきました、なんてことはないと思うんだけど。


「ということで、カミッチってやりたい事ってあるのか?」

『なんだ藪から棒に』


イメーコに預けていたカミッチに会いに行ったら、意外にもちゃんとイメーコの隣で補佐っぽい事をしていた。

言動はあれだけど結構真面目な奴なのかもしれないな。


「いやな。これからカミッチ以外の神たちと一戦交える訳だけど、その前に奴らの目的を探るのもありかなと思ってな」

『フンッ。他のやつのことなど知った事か』

「なんだ。使えないな」

『おいっ』


俺のボヤキに顔をむっとさせるカミッチ。

まぁそうは言っても俺もカミッチが他の神の事を知ってるとはあまり期待していない。

それでも彼も彼なりの理由が何かあると思っている。もしくはこの世界に来ることを自分で選択していたか。

でなければ殻を破ってすぐに偉そうに振る舞おうとは思わなかっただろう。


「で、結局カミッチ自身はどうなんだ?」

『そんなの不甲斐ないお前達を導いてやる事に決まっている』


相変わらず偉そうな態度で言うカミッチだけど、ちょっと待ってほしい。


「不甲斐ない?」

『そうだとも。

お前達人間も魔物もこの世界に降り立って既に数十年が経っているというのに、1度として世界を統一することも出来ていなければ秘境の1つも攻略出来ていない。

それを不甲斐ないと言っているのだ』


いやそんなこと言われても知らないし。

俺がこの世界に来てからまだ1年くらいしか経ってないから。

それに世界統一も秘境攻略も興味ないなぁ。


「そもそも誰にも世界統一しろなんて言われてないしな」

『そんなはずはない。

お前が王だというならこれまでずっと天啓を授けていた神がいたはずだ。

その神から告げられているはずだぞ』


言われてみれば確かに一番最初の頃はどこからともなく降ってくる木札が色々指示とかアドバイスくれてたっけ。

少ししたら見なくなって放置してたんだけど、そういうこの世界の目標みたいのが書いたのもあったのか。


「その天啓くれてた神とカミッチは同僚なのか?

もしかしたらそっちの神も流れ星になってやって来てたりするんだろうか」

『いや。神と言っても役割が違うからな。

現段階では奴らが来ることは無い』


そうか。

もし来てるんだったら、挨拶くらいはしてこようかと思ったけど。

まあ来てないものは仕方ない。話を元に戻そう。


「じゃあ他の地上に降りてきた神たちもその目標を達成させるために来た可能性がある訳か」

『そうだな。中にはそんな面倒な事をせずに役立たずは全て抹殺して1から世界を再構築しようとする者も居るかもしれないな』


どこの魔王だよそれは。

でもまぁそうか。

どちらにしても世界征服なんかせずに、この世界でのんびり暮らしたい俺からすれば邪魔でしかない。

まして向こうから既に攻撃を仕掛けてきているのだから、積極的に殲滅する必要がありそうだ。



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