59.建国祭を行おう
さて、実際に国になる為には色々と決めることややる事がある。
まず国名だけど自分の名前から取れば「サカガミ王国」か「リュウジュ王国」になるんだけど、どっちが格好いいかと言われたら後者かな?
それとも全く違う名前もありかなとは思ったけど、分かりやすい方が良いだろうから「リュウジュ王国」で決定した。
国旗は今の領旗をそのまま使おう。
続いて建国祭を行うに当たって、これまでお世話になった国や領地に招待状を出す必要がある。
これでどれだけの招待客を呼べるかで、この国の評価が決まるそうだ。
とは言っても普通は寄り親の大国から大臣級の人が来て、あとは兄妹系列の国家や領地から領主や代理人が10人も来れば良い方らしい。
「で、領主様は寄り親が居ない訳だけど、誰を呼ぶにゃ?」
「うーん、招待状を送って失礼になったり怒られるって事はあるのか?」
「基本的に無いにゃ。興味が無ければ無視するだけだし。
例外として敵対している領地に送ると『てめぇ俺より先に国になったって自慢してんのか?』みたいな感じで今より険悪になることはあるにゃ」
南のプロステイン領との戦いは終わったので、今のところ敵対しているところはない。
なら、後から問題にならないようにすればいいか。
「それなら大国と呼ばれる全ての国に送って欲しい。確か全部で8つくらいあるって前話してたよな」
「人間の国で大国と呼ばれるのは5つにゃ」
「いや、魔物の国も含めて。それとも人間が魔物の国に招待状を送ったらまずいか?」
「マズくは無いけど、前例はほとんど無いにゃ。そもそも交流もないのに来るはずないにゃ」
「だとは思うんだけどな。
例えばもし後から仲良くなって『なんで俺の所だけ招待状送ってなかったんだ!』って言われるかもしれないだろ?
それならダメ元で送ってみるのもありだろう」
「まぁ領主様がそう言うなら」
子供の頃に読んだおとぎ話では招待状が送られなかったのはとある魔女だった。
その魔女は自分だけ招待されていないことに腹を立ててその王国に呪いを掛けてしまい、本当はただ発送途中でヤギに食べられてしまっていたんだと分かるまで国に不幸が起き続けた、なんて内容だった。
実際に同じような事が起こるとは思っていないけど、念には念を入れておこう。
あと、国賓を招待するなら迎賓館みたいなところが必要になる。
今は領主館の2階に客間がありはするが、色々な面で他国の重鎮をそこに泊める訳にはいかない。
なのでヨサク達に依頼して急ピッチで建設を行ってもらっている。
「実際には誰も招待に応じないって可能性が高いんだけどな」
「ま、今回使わなくても将来的には役に立つでしょう」
そんな風にヨサクと笑い合っていたんだが、俺の予想に反して1週間後にミークが5つも返事を持って帰って来た。
その中で知っている名前は1つだけ。
『ブリジス王国』
確か先日遭遇戦を行った領地の寄り親の国だったと思う。
優秀な魔導士を俺の方で引き取っておけと言ってくれた器の広い国だ。
他の4つの内、2つは人間の国で残り2つは魔物の国だ。
「領主様はいつの間にそんな繋がりを作ってたにゃ?
人間の国の2つはまぁ社交性の高い国家で有名だからご祝儀なんだろうなとはおもうけど、魔物のこの2国は社交性は皆無と言っていいほどにゃ」
「ミークがそこまで言うって、どういう国なんだ?」
「1つは不死の魔物を中心とした国家で治めているのは骸骨の王様にゃ。人を恨んでいるのか攻め込んだ後には誰1人と生きてはおらず、倒した敵将を不死の魔物に変えて配下にしてしまうことで有名で『血も涙もない悪魔』と恐れられているにゃ。
もう1つはドラゴニュートを中心とした国家で王様は龍が人間サイズに化けているとも言われているにゃ。基本的に人間を下等種族と見下しているので交流なんてあるはずないって国にゃ」
うん、聞いてもさっぱり面識がない事だけは分かった。
でもまぁ、来てくれるというのであれば、こちらは精一杯歓迎するのみだ。
それに来るとしても王様じゃなくて部下の誰かが来るのだろうし、普通に人間に近い会話の成り立つ人が来てくれると信じよう。




