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47.領境の村へ

装備の充実に魔法の習得、更に総人口も5000人を超え順調に領地が豊かになって来た俺達の領地に、新たな問題が浮上してきた。


「ダンジョンの入口と南の領境に2000人規模の村、か」

「はい。どちらも急ぐことはありませんが、放置も出来ません」

「その村とは仲良く出来ないのか?」

「既に何度か狩りに出ていたうちの村のものが襲われ、抗議を行っても無視。今では積極的にこちらを攻撃してきているようにも見えます」


狩場が被ったので領有権を力づくで取りに来ている感じか。

話し合いで解決出来れば良かったんだけど、それも無理となるとこれ以上増長して攻め入られる前に潰すしかないな。

でも2000って言ったら俺が領地を平定した時よりも多いし、もう1つの国って見ても良いのかもしれない。


「ミーク。この場合宣戦布告とかは必要あるのか?」

「うんにゃ。いらないにゃ。

正式に領国と認められるのはきちんと国旗を掲揚している場合にゃ。

今回の村は聞いた限り国旗を掲げていないのでちょっと大きいだけの独立村と判断されるにゃ。

ただ、そんな大きな独立村が出来ることは普通にゃいのだけど」


ふむ。もしかしたら立地的に特産品とか資源帯が存在して大きくなったのか?

もしくは2つの領地に跨った位置に出来たことが影響しているのかもしれない。


「隣の領地に挨拶とかは?」

「それもいらないというか、その村のせいで国交が成立しないので出来ないにゃ」

「なるほどね。

よし。では3000人を動員してその村に行くぞ。

穏便に今後こちらの領地に迷惑を掛けないように提案をしてみて、

無理なら力づくで制圧する」

「「はっ」」

「こちらの留守番はいつも通りイメーコに任せるから臨機応変に動いてくれ」

「また適当ですねぇ」

「信頼の証と思ってくれ。それにその方がイメーコは上手く動いてくれるだろう?」

「まぁ出来るだけの事はしますがね」

「よし。では出発は明朝。各自準備を頼む」


領地を平定する前はこの1/10の規模だったのにな。

いつの間にか大きくなったものだ。

そして村を出発して5日。俺は主だったメンバーを含めた3000人の部隊を引き連れて領境の村の前へと来ていた。

それを見た感想はと言えば。


「……大きいけど普通の村だな」

「いや、多分うちの村が凄いんだと思うよ?」


目の前にある村は、まず外壁が木の板を並べただけのもので、これだと多分トロルの1撃で穴が空くと思う。

うちみたいに石を積み上げる訳でもなく濠を作る訳でもないから極々あっさりと村の中に侵入出来てしまうだろう。

あと外壁の向こうに見える大きな建物は1つだけ。恐らくそこが村長宅なのだろうけど、他に2階建て以上の建物は無いようだ。

やはり村の域を出ないということなのかもしれない。

でもまぁ、ひとまずは交渉をしてみるか。

俺は門番たちに声を掛けてみた。


「俺はここから北のサカガミ領の領主のリュウジュだ。

この村の村長と話がしたいので取り次いでくれ」

「わ、わかった。ここでしばし待て」


門番は警戒もあらわに村の中に駆け込んでいった。

まぁ俺の後ろに大勢居るからな。やばい状況なのは見て取れただろう。

そうして少ししてさっきの門番が戻って来た。


「村長がお会いになるそうだ。

代表は私の後に付いてきてくれ。あ、付き添いは1名だけ許可するとのことだ」

「なんだと!?」


その言葉にヨサク達が騒然となる。


「領主様。いけません。これは罠です」

「そうだべ。歓迎するふりして兵を隠しているに決まってるだ」


まあそうだろうなぁ。

普通なら格下の向こうがここまでやって来て挨拶すべきだ。

それをわざわざ呼び寄せるとか、力関係が分かっていない馬鹿か悪意を持って招待しているかのどちらかだ。


「ま、虎穴に入らずんば虎子を得ず。こういう経験も積んでおくと後々役に立つかもしれないし。

ヨサク、こちらの指揮権は預ける。俺の事は気にせず被害を最小に利益を最大になるように動いてくれ」

「わ、分かりました」

「じゃあミツキ。一緒に行こうか」

「うん」

「(魔法障壁は常時展開してな)」

「(うへぇ。まだ常時は結構つかれるんだけど)」


そうして俺はミツキだけを連れて門番の後に続いて村の中に入った。

横目でさっと村の様子をさっと確認すると何とも酷い有様だ。

兵士は建物の影で息を殺しているようだけど、村人は普通に農作業などを続けている。

その村人はどれもガリガリのボロボロで酷使されているのがよく分かる。

あとやっぱりと言えば良いのかほとんど全員男だな。


「ここだ」

「ああ」


いつの間にか村長宅に着いていたか。

というかここだけ立派な建物だ。まぁ偉い奴が住んでいる場所だって一目で分かるから良いか。

俺達はそのまま中に案内され、この村には場違いな謁見の間へと通された。



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