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46.魔法を使おう

遭遇戦から2週間が過ぎた。

その間、大きな問題も無く村の復興も無事に終わった。

むしろ一度更地に戻したことで区画整備が捗った面もある。

捕虜となったチチカは最初こそ戸惑っていたようだが、現在は魔法の先生という役割に落ち着き村の皆からも暖かく迎え入れられている。

またチチカの親元からはチチカを返さなくてよいと連絡があったので、このままうちの住民になってもらえればと思っている。

そして嬉しい事は続くもので、先日ワカメが妊娠した。もちろんマスオとの子供だ。

ふたりはこの村の夫婦第1号だったので周りの皆の喜びようもひとしおだ。

村には他にも夫婦になっている人たちは居るので近いうちに妊娠出産ラッシュが来るのかもしれない。

そして魔法の習得だけど、今のところ初級魔法を習得できているのは俺とミツキの他、村人の2割程度。

残りの8割も1月も掛ければ初級魔法は使えるようになるそうだ。


「さて、無事に初級魔法を使えるようになったあなた達は、当面やることは2つ。

1つは今まで通り基礎訓練を行っていく事。

そしてもう1つは自分の適性魔法を伸ばしていく事よ」

「適性魔法?」

「ええ。人によって得意な魔法は違うの。

今分かっているのはヨサクは武器や防具に魔力を込める付与魔法が得意ね。

マスオは身体強化魔法が得意、というかあなたは他の適性はほぼ無いから諦めなさい」

「お、おう」


マスオは諦めろと言われて落ち込んでいいのか、身体強化が出来ると喜んでいいのか難しい顔をしてる。

まぁ何も適性が無いよりましだろう。


「俺は?」

「リュウジュはまだ分からないわ」

「そうなのか。その場合はどうやって確かめるんだ?」

「幾つかあるけど、手っ取り早いのは追い込まれた時に咄嗟に使おうとする魔法ね。

人間誰しもピンチになるといつも以上の力を発揮できるものよ。

という訳で、今から私と模擬戦よ」

「えっ」


なぜか突然チチカと模擬戦をすることになってしまった。

お互いに10メートル離れた位置からのスタート。

この距離だと弓は届くけど当然近接攻撃は近づかないと届かない。


「私が魔法で攻撃するから、リュウジュも魔法で反撃するなり防ぐなりしなさい。

良いわね。行くわよ!『魔弾(ブリッツ)』」


チチカが発動させた魔法は初めて俺と会った時に俺を攻撃しようとして不発に終わった魔法だ。

自分の周囲に光の玉を浮かべたと思ったら、それが次々と矢になって飛んでくる。

速度はそれなりだけど、直線だから避けられなくはないな。


「はっ、やっ、とっ」

「こらーっ、避けてないで魔法で対応しなさい!」

「そんな無茶な。こっちはやっと初級魔法が使えるようになったところだぞ」

「文句言わない。こうなったら数を倍増するわよ」

「ちょっまて。死ぬ死ぬ死ぬ」


さっきまで「ヒュン、ヒュン、ヒュン」だったのが「ヒュヒュヒュン」と連続で飛んできた。

初弾は何とか避けたけど、足元の地面に深々と穴が空いてるし。

こんなの喰らったら穴だらけになるだろうが。


「ほらほら。どんどん行くわよ!」

「ぐっ」


こうなったら武器に付与魔法で強化をして防ぐ!

俺は使い慣れた杖を取り出して構える。

ただ直撃を受けると杖が持たないかもしれないから、受け止めるのではなく横から押して弾道を逸らそう。

集中しろ。相手はピッチングマシーンのボールより早い。恐らく時速200キロ以上。

ミスれば死ぬ!


「――」


周囲から雑音が消える。

チチカから魔法が放たれる。集中したお陰か凄くゆっくりに見える。

俺はその射線上にそっと杖をおいてやると、魔法の矢は流れるように軌道を変えた。


「――ふぅ~~」

「いや、ふぅじゃないから。なによ今の。飛んでくる弾を逸らすとか達人技よ?

魔法を発動させたのは分かったけど、視覚の強化でもしたの?」

「うーん、何となくチチカの動きが遅く思えたから、あれじゃないか?

死の淵に瀕したら感覚が鋭敏化されて物事がスローに見える奴」

「そう『加速(アクセル)』の魔法か、もしかしたら動体視力とか反射神経なんかを上げる強化系ね。

まぁ普通に習得しようとしたらかなりの練度が必要だから適性魔法で間違いないわ」


どうやらこれが俺の適性魔法らしい。

個人的にはもっと格好いい魔法が良かったんだけど仕方ないか。


「はいはーい。次あたし」

「ミツキね。獣人族は基本的に身体強化系なんだけど。

まぁいいわ。掛かって来なさい」

「じゃあ行くよ」

「あ、もちろん私からもさっき同様攻撃するわよ。『魔弾』」

「え、早っ!お兄さんがやってるのを横から見てたのと全然違う」


そりゃあ左から右に流れるのと自分に迫ってくるのじゃ体感速度は全然違うだろう。

ただミツキも文句を言いながらきっちりとサイドステップでチチカの魔法を避けている。


「よっ、ほっ」

「おぉ、高速反復横跳び、というか残像が出来てミツキが3人位に見えるぞ?」

「え、そうなの?」


最初こそ飛び跳ねてたのが見えたけど、今は完全に別々にそこに立っているようにしか見えない。

そしてそのまま全ての像がチチカへと迫っていく。


「それがミツキの適性魔法みたいね。残像か分身か。

どちらにしろ増えた分だけこちらも弾数を増やせば良いのだけど」


その言葉の通り、一度に発射する弾数を増やして全てのミツキの像に魔法を撃ち込むチチカ。

だがしかし。そのどれもがミツキをすり抜けていく。


「残念はずれ~」

「うしろっ。あいたっ」

「はーい、あたしの勝ち~」


いつの間にかチチカの後ろに移動していたミツキの木刀がチチカの頭を捉えた。

凄いな。横から見ていてもいつそこまで移動したのか見えなかった。


「お兄さん見てた~?」

「おお、見てた見てた。凄かったな。いったいどんな魔法だったんだ?」

「うーん、残像を残しつつ私の姿を隠す魔法?」

「恐らく光魔法の応用ね。光属性に適性がある人って珍しいのだけど」


なるほど。光の屈折とかを利用して実際に居る位置とは異なる場所に居るように見せた、とかそんな感じか。

接近して一撃必殺のスキルを持つミツキとは相性の良い魔法だな。

他の人達も2人1組になって確認し合ったところ、ほとんどがなにかの属性が他よりちょっと得意とか、その程度で落ち着いた。

チチカの話ではそんなすぐに特殊な適性魔法が発現するのはほぼ将軍級だけって話だし、こんなもんだろう。

今後は適性魔法を中心に魔法力の底上げを行なっていき、中級魔法が使えるようになれば実戦でも十分に活躍出来るようになるだろうとのことだ。



色々思い悩んだのですが、フラグを建てることに決めました。

どれがフラグだったのかは近いうちに分かります。

(フラグ予想の感想は控えて頂けると助かります)

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