42.戦後報告
兵士1人あたり100マニー前後の計算ですが、後で修正するかも。
ジト目のミツキ達を引き連れて村に戻れば村人総出で焼け落ちた施設の撤去作業を行っていた。
「被害状況を教えてくれ」
「はい。怪我をしたもの、火傷をしたものは居ますが死者はなし。
村の施設は通路と隣接した建物はほぼ全焼。東門は1から作り直しです」
「そうか。死者が出なかったのはなによりだな」
「領主様が考案した敵を足止めしない戦法が上手く嵌ったみたいです。
奴ら壁を壊そうとせずにひたすら奥へ奥へと突き進んで行きましたよ」
「いつもこう上手く行くとは限らないけどな」
今回の作戦は、元々は村に侵入される前にある程度撃退しつつ、村の中で分散させて各個撃破の予定だった。
仮に敵兵の練度が高くて人的被害が大きくなりそうだと判断した場合はすぐにイメーコが旗を破壊して戦争終結。敵に資源の8割を渡してお帰り頂く予定だった。
もっとも、昨日までにほとんどの資源を使い切っておいたから8割と言っても大した量じゃない。
ただ実際には戦争開始直後に門が破壊されてしまったので、ほぼ無傷で敵の侵入を許すことになった。
なので各個撃破も諦めて今回の火計に切り替えた。
横道は即席の壁で塞いだだけだったので敵が足を止めて壁を破壊しようとしてたら危なかったんだけど、無事に前進し続けてくれた。
みんなに「進め進め」と声を掛けさせたのも良かったようだな。
「トロル達も良くやってくれたな」
「オデ、ガンバッタ!」
魔物の村からも手伝わせてほしいと要望があったので、それならという事でトロルに来てもらったんだ。
彼らは足は遅いけど力と体力は凄いからな。
走らせずに定点防衛をさせるならかなり有効だ。
それに最近は村づくりも手伝って貰ってるから器用さも上がってるみたいだし。
「コレ、ニギリヤスイヨウニ、カイリョウ、スル」
「そういうことなら工房に相談してみてくれ」
今回は時間が無かったので単純な丸太を振り回してもらったけど、グリップを作れば巨大バットかすりこ木になりそうだ。要所を金属で強化すれば更に破壊力が増すだろう。
「あとは、今回の収支は?やっぱ村を燃やしたからかなりマイナスか?」
「それはこちらに纏めてあります」
お、さすがイメーコ。別にずっと領主館でサボっていた訳では無さそうだ。
俺達は場所を領主館に移し、イメーコからの報告を聞くことにした。
「えーでは。
まず損害および支出ですが、今回の作戦で使用した油が50。焼失した小屋が100棟。東門が全壊。
復旧には東門の再建に5日。小屋の再建には3日。ただ資源の確保から必要ですので結局5日程度かかる見込みです」
「つまり完全復旧まで10日か。結構かかるな」
「いえ、門と小屋は並行して作業しますので5日で全て終わります」
それでも5日か。
戦争する度に5日遅れを取るのは勿体ないな。その分の資材も消費する訳だし。
やはりヨサク達に早く砦を造ってもらわないと。
と、それまで黙っていた魔導士の女の子が声を挙げた。
「ちょっとどういうこと!?」
「どうとは?」
「ありえないでしょ。なんで100棟の小屋の再建がたった3日で終わるのかって聞いてるの!」
「いや、なんでと言われてもな。皆でやればそれくらいだろう」
最初の頃と違ってしっかりとした造りの小屋なので簡単には出来上がらないけど、それでも村人20人で手分けしてやれば1日で出来上がる。
単純計算100棟なら2000人でやれば明日には終わるだろう。
実際には農作業とか他にもやらないといけないこともあるし作業場所の問題もあるから一度に作業するのは1000人位だ。それに熟練の村人は門の再建に手を取られるから多少余裕を見て3日。
別におかしな計算では無いと思う。
ミツキも指折り数えて計算してるけど、やっぱり間違っていなさそうだ。
詳しく説明してあげても良いけど面倒だから良いか。
「収入はどうなってる?」
「はい。資金の増加が約13万マニーです。
その他、やつら中々に良い装備をしていたようで金属製の武器防具が約1200人分が手に入りました。
防具に関しては多少修繕が必要ですが武器はそのまま使えそうです」
「おぉ。金属製品はどうしても高いからな。なかなか皆に渡せなくて困ってたんだ。
1200じゃまだ全員分は足りないけど、希望者を募って配ってくれ」
「分かりました。抽選方法はどうしますか?」
「任せる。後から不満が出なければいいさ」
「では村づくりを頑張ってくれている者を優先に、他はジャンケン大会でも開きます」
「ああ、それでいい」
しかし意外に儲かったな。
敵兵が1500人で8割方を倒せたと考えれば1人頭100マニーくらいか。
金属装備が安くても1000マニーは掛かるだろうから合わせて25万マニーか。
村の修復費用を差し引いても23万マニーにはなるな。
「それで、この後はどうしますか?」
「この後?何かあったっけ」
「無事に勝利を納めましたので反撃を仕掛ける事が可能です」
そう言えばそうだった。
しかし、そうだな。
「今は止めておこう」
「よろしいので?今なら相手もかなり戦力が落ちていると思われますが」
「ああ。うちの村には攻城兵器はまだ無いし。
それに勝ち過ぎは良くないからな」
「分かりました」
こちらは人的被害もなく収入もかなりある。対して向こうは1500人の兵士と将軍を1人失い、更には秘蔵っ子の魔導士まで捕らえられてしまったんだ。
ここで更に反撃をしたら、向こうは共倒れ覚悟でこちらを殺しに来てもおかしくない。
それに今は反撃を行うよりも重要な問題がある。




