表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/111

28.当たり前の生活が返って来た

いつもお読み頂きありがとうございます。

珍しく今回は来月分の予約投稿が完了しています。

なので毎日更新は確定しました。

今後ともよろしくお願いいたします。

ミークが去ると入れ替わるようにミツキがやって来た。

ただその顔はどことなくソワソワしているというか、ちょっと恥ずかしそうだ。

何かあったんだろうか。


「えっと、その。お兄さん。

お腹、空いたんだけど、何か食べるものってあるかな?」


ん?ああ、そっか。

女の子からしたらお腹が空いたっていうのも時には恥ずかしいものか。


「よし、じゃあ今夜は腕によりをかけて……ってちょっと待った」

「ん?なに?」


言われてそう言えば自分もお腹が空いてるなと実感を持ったけど、昨日まではどうしてたっけ。

ふと横の畑を見ればトマトのような果物、いやトマトは野菜だっけ?まあどっちでいいけど、とにかく食べれそうな何かが生ってるけど食べた記憶がない。

それについさっきまでは夕陽が綺麗だったのに既に夜の帳が降りてきている。

これだって昨日までは無かった現象だ。


「ああ、そうか」


神様からの保護期間というのはつまり、生活する上での面倒な部分を全部取っ払ってくれていたって事なんだろう。

昼夜の別しかり、空腹や食事、睡眠など。

入浴は気分でしていたけど、それだって体の汚れが気になったからではない。

今後はそれら普通に生きていれば当たり前に必要なことが必要になるって事だ。

でもいくら神様の力でも夜を無くすなんて凄すぎないだろうか。


「ヨサク、ちょっと良いか?」

「はい。何ですか?」

「昨日の夜はどうしてた?」

「夜?普通に小屋で寝ていましたが」

「一昨日は?」

「その日は夜警で深夜まで起きていました」

「俺はどうしてたっけ?」

「は?領主様が、ですか?普通にお屋敷でお休みになっていたはずですが」

「食事はどうだ?」

「お屋敷の食堂に用意してあったのを召し上がったと思います」

「そうか……いや。変なことを聞いて悪かったな」

「いえ。では失礼します」


どうやら自分では認識出来ていなかったが普通に生活していたことになっていたようだ。

若干その時間に何か変なことをやらかしてないだろうかと心配したけど、周りの反応に違和感はないので大丈夫だと信じよう。


「よし。さっきの話の通りなら領主館の食堂に行けば食事が用意してありそうだから行ってみるか」

「うん!」

「ちなみに、ミツキも昨日までの夜の記憶とかって無いのか?」

「うん、無いかも。元々あたしはここがゲームの世界っぽいなぁって思ってたからそういうものだと思ってたの」


確かにゲームによっては昼夜の概念が無かったりそもそも時間の概念が無いものだってある。

だけど実際にはただ隠蔽されていただけだったなんてな。

そして食堂に行くと無事に食事が用意されていた。

食事を作ってくれたのは村人の女性のひとりだ。


「えっと、いつもありがとう、で良いのかな?」

「はい。と言いましても料理当番は交代制になっています。

今日はたまたま私が当番の日、というだけでございます」

「そうか。これからもよろしく頼むとほかの皆にも伝えてくれ」

「はい、確かに」


嬉しそうに、というより若干感極まったように頭を下げる女性。

多分今までは礼の一つも言わずに黙々と食べていたんじゃないだろうか。

神様がそんな細かいところまで意識してくれるとは考えにくいからな。

と、それともう一つ気になっていたことを聞いてみた。


「ところで、ミツキは昨日までどこで寝ていたんだっけ?」

「それでしたら3階に上がってすぐの右手のお部屋でございます」

「そうか。ありがとう。

だ、そうだ。今後はその部屋はミツキの部屋だから」

「うん、わざわざ確認ありがとう」


ミツキも昨夜の記憶が無いって事だからきっと自分がどこで寝泊まりしていたかも覚えていなかっただろう。

ここで確認してなかったら今夜どこで寝れば分からず、最悪食堂とかで雑魚寝させていたかもしれない。

あ、でも2階の客間は空いている筈だから適当に使うか。

3階は俺の部屋以外は全部空き部屋で殺風景な感じだったからな。

今後はミツキの部屋なのだから自分の好きなようにコーディネートするだろう。


「あ、それと明日からは屋敷の風呂は毎日入れることにしよう。

村の皆には男女で時間帯を分けて入浴するように伝えてくれ。

不衛生は病気の元だから、体調が思わしくないなどの理由が無ければ極力毎日入るようにして欲しい」

「かしこまりました。みんなに伝えておきます」


ただ幾ら屋敷の風呂が広いとは言っても、一度には居れるのは20人が良いところだろう。

今後も人口は増えることを考えると早めに公衆浴場を建てた方が良いな。

そうして今日の所は俺とミツキだけで風呂を堪能することにした。あ、もちろん入るのは別々だ。

風呂から上がった後に一通り村を見て回って問題ない事を確認して戻ってくるとお風呂上がりで涼んでいたミツキと合流した。


「今から寝るところか?」

「う、うん。昨日まで寝てた記憶が無いからちょっと変な感じだね」

「俺もだ。そしてこの眠いって感覚も久しぶりだ」


話ながら3階へ上がる階段を上る。

確か上がってすぐ右の部屋だから、ミツキの部屋はここだな。


「じゃあお休み」

「え、あ、うん。お休みなさい」


何か言い淀むミツキだったけど、特に何かがある訳でもなくぱっと部屋の中に入ってしまった。

まあいいや。

俺も久々の睡眠を堪能しよう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] トマトは悪魔の実じゃないんですね。 村人の記憶が捏造されたのか、その時だけオートで動いていたのかどっちでしょうね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ