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108.神の居る場所は

天使と不死者の攻防が続く。

戦況は意外なことに一進一退。

不死の軍団が数に物を言わせて圧倒するのかと思いきや天使たちも有効な光魔法?っぽい攻撃で対抗している。

ちなみに龍王国の皆さんは「面白いところは終わった」と言って現在は観戦モードだ。

持参した肉とお酒を嗜みながら神殿の戦いを肴にしている。

このまま持久戦の様相を呈するのかと思っていた所で事態は次の段階へと進んでいった。


ゴゴゴゴッ

「なにっ、地震!?」


突然激しく揺れる地面。

震度は5ってところだろうか。

このタイミングで起きるという事は神の新しいスキルか何かだろうか。


「みんな落ち着いて。態勢を低くして転んで怪我をしない様に注意してくれ。

この程度の揺れならまだ大したことは無いから」

「は、はい」


俺とミツキなんかは元日本人としてある程度は地震にも慣れているけど、ほかの皆はあまり経験していないので、部隊の中で動揺が広がっている。

それを何とか宥めながら地震の意味するところを考えていた。

なにせこの地震そのものが神の攻撃だとするとちょっと弱すぎる。

やるなら地割れが幾つも起きるくらい盛大にやるべきだ。

建物があるわけでもないので何かが倒壊する事もないし、これでは良くて混乱を招き陣形を崩す効果しかない。

首を傾げる俺の視線の先であり得ないことが起きた。


「神殿が動いてる?」

「い、いえ。むしろ山ごと浮いてるのかと」


その言葉通り、地震が収まってきた頃にはガッテム山がその中腹辺りからくり貫かれ宙へと上がっている。

さながらラピ○タかイ○スだ。

魔物に襲われて浮上したと考えれば後者か?まぁどっちでも良いんだけど。

さっきの地震も地上を切り離す際に起きた副次的なものだったんだな。

ガッテム山は俺達が見ている先で上昇を続け、その端からは不死の兵士達がボロボロと落ちていた。

さしもの、不死の軍団と言えども空中の陣地を攻めるのは大変だろうな。

それに、完全に地上から離れた神殿には再び強力な魔法障壁が展開された。


「まさかこんな奥の手を持っていたなんてな」

「弱りましたね。ああも上空に構えられては我々では手が出せません」


リュウジュ王国で言えば純粋に飛行能力があるのは俺と、あとハーピーなどの一部の魔獣だけだ。

気球とかグライダーとかを開発すれば何とかなる気もするけど防衛力が無ければ良い的だろう。


「普通に考えればね」


残念ながらこちらには龍人族がいる。

なのでさっきまでの攻防をまたやれば良いだけの話だ。

それに龍人族が居なくても遣りようはある。


「あれに攻城戦を仕掛けたら軍隊は何処に展開されると思う?」

「あー、あれだけ地上から離れてしまえば地上とは別の領地になるでしょうね」

「うん。転移門を抜けた途端に空中に放り出される事もないだろうから、多分あの浮いてる山の何処かに出ることになるよな」

「……飛んでる意味がありませんね」

「だよなぁ」


あれだけの質量を飛ばすのに相当な魔力を消費してるだろうし、俺に言わせて貰えれば無駄としか言いようがない。

それでもなお飛ばしたメリットがあるとすればだ。


「全軍出撃用意」

「……あれに攻撃を仕掛けるのですか?」

「いや。ヨサクとマスオの隊は不死の軍団と協力して地上ないしは地下を調べてくれ。

残りは神聖教国の首都に攻め上がる」

「上空の神殿は無視するのですか?」

「だってまだ神の姿を見てないだろ?」

「あっ!」


戦闘開始から今に至るまで全く神が出てきていない。

神殿の中に引きこもっているという可能性もありはするが、それならそれで良い。

だけど上空のあれを囮にして逃げるつもりかもしれない。

どうせ神殿なんてまた造ればいいのだから。

ただあれを実行するために恐らくまだ近くに居るはずだ。

なのでヨサク達には山狩りをお願いする。

あ、山の跡地狩りかな。

同時に俺はもうひとつの隠れ家としてあり得そうな神聖教国の首都に向かった。

そっちから軍のひとつも来なかった事からも、こちらの意識の外に出そうとしてた可能性が高い。


そうしてミツキ達と共に首都へとやってきたら、なにやらお取り込み中だった。

街のあちこちから火の手が上がっているし、怒鳴り声や剣戟の音も響いてくる。


「別の国が攻めてきてるのかな?」

「いや、門は閉まったままだ。

どうやら内乱が起きてるみたいだな」


俺達が門のところまで行っても誰も出てこない。

もうこっちを気にしている余裕も無いみたいだな。

お陰で俺達は悠々と門を通り抜けて中へと入っていった。

街中では同じ法衣を纏った人同士で2手に分かれて争っている。

片方は全員頭に白いハチマキを巻いているのでそれで敵味方の判別をしているようだ。


「お兄さん、どうしよう?」


どっちの味方をするか、もしくは静観するか。

平時なら内乱に加担するようなマネはしないんだけど、今はそんなこと言ってられないし。

まぁ何が敵かと聞かれたら単純だ。


「ひとまず神と天使は敵だ。

よってハチマキ側を支援しつつ大将に接触したい」

「オッケー。

ならあたし達が敵側面にまわって天使を殲滅している間にお兄さんは大将を探して」

「ああ。そっちは任せた」


俺はその場をミツキに任せて空へと上がった。

上から見れば戦況は良く分かる。

天使が率いてる側は中央の城を拠点に戦っており、ハチマキ側は外周から中央を目指している。その本拠地は……あの教会か。

勝手なイメージだけど、宗教家かれらの大将が前線に出てる気がしない。

きっと自陣の奥で偉そうにしていることだろう。

そしてその予想は無事に当たった。

教会のステンドグラスを破って中に侵入すれば、前回ここの城の地下で出会った教皇が腰を抜かして地面に座り込んでいた。


「って、おっさん何してんだ?」

「無礼者!儂を誰だと思ってる!!」

「だから教皇のおっさんだろ」

「って、貴様はあの時の!

まったく貴様には常識というものが無いのか。

ステンドグラスを破ってくるなど非常識にも程がある」

「あぁ。それで驚いて地面にへたり込んでいたのか」

「ぐっ」


どうやら図星らしい。

しかしまぁ、こっちが教皇側だったか。

それならまぁ少しは楽が出来そうだな。




事前予告です。

今回の作品はエンディングを迎えて終了ではなく「俺達の戦いはまだまだ続く」みたいな形を考えています。

なのでもしかしたら「え、ここで終わりなの?」と思われるかもしれませんが、よろしくお願いします。


まぁこんなことを書くくらいなのでその終わりももうすぐです。

折角ここまでお付き合い頂けたので最後まで読んで頂けると幸いです。

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