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105.龍王襲来

前回お伝えした通り遂にストックが切れてしまったので、

次の投稿はちょっと遅くなります。

よろしくお願いします。

不死の王との会談を終えて自国へと戻って来た俺を迎えたのはヨサクでもミツキでもなく、屍の山だった。


「これはいったい何が起きたんだ!?」


よく見ればヨサクもマスオもミツキもチチカもみんな地面に倒れ伏している。

マスオはまだ片腕に包帯を巻いたままだから傷が完治した訳でもないだろうに、それでも戦わなければならない強敵による襲撃を受けたという事か。


「うっ、へい、か」


うっすらと目を開けたヨサクが呻くように俺の名を呼んだ。

良かった、まだ息はあるみたいだ。


「ヨサク、無事か!?いったい何が起きたんだ?」

「我々の力不足で、申し訳ございません」


ぜぇぜぇと息をするヨサクの容態をざっと確認する。

見たところ出血は無さそうだ。

手足が変な方向に曲がって居たり、骨が折れたりしている訳でもない。

というか、外傷らしい外傷が見当たらないな。


「あ、お兄さん」

「ミツキも無事だったのか」

「まあ、ね」


応えたミツキもぐったりと地面に倒れたままだ。

そしてよく考えれば死ねば死体が残らないこの世界だ。

こうして地面に倒れているって事は生きてはいるって証拠でもある。

特に誰も血を流していないことから切り傷なんかはなさそうだ。

ならなんでみんな倒れてるんだ?

その疑問に答えたのは見知らぬ男性だった。


「おぉそなたがリュウジュ王で間違いないか。

遅かったではないか」

「誰だ!!」


この状況で呑気に声を掛けて来る者など、この状況を作り上げた犯人に違いない。

俺は半身になって構えながら男の様子を窺った。

その男は身長190センチ、体重は100キロ前後しかし体脂肪は4%かと思えるほど筋肉の塊で、その頭の横には立派な角が1対生えていなければオーガと間違えていただろう。

更に手の指には人間とは違う太くて丈夫な爪がついていて手の甲には鱗も見える。

以上の事から考えて目の前の人物に該当するのは1人しかいなさそうだ。


「もしかして龍王か」

「いかにも。我は龍王シェンガロンである」


やっぱりそうか。

よく見れば向こうの柱の陰にチックルちゃんとルンルンが居る。

さすがの龍王もルンルンに手を出すことは無かったか。

チックルちゃんは申し訳なさそうというかちょっと泣きそうになっている。

きっと全て馬鹿な大人のせいなのでチックルちゃんが気にやむ必要はないんだけど。


「それで龍王よ。この惨状について説明してもらえるんだろうな」

「なに。娘から戦い甲斐のある相手がいると聞いてやってきてみたらそなたが出掛けているではないか。

すぐに戻ってくる予定だとは言っていたがそれまで暇だったのでな。

ここに居た戦える者たちと手合わせをして待っていたのだ。

ただまぁ思っていたよりも手応えがあったお陰で少しやり過ぎてしまったのだ。許せ」


はっはっはと、悪びれもせずに笑う龍王。

どうやらヨサク達は龍王とタイマンで模擬戦を行ったせいで疲労困憊で地面に倒れていたようだ。

というか、うちの主だった者たちがみんな倒れているんだけど龍王ってどんだけ強いんだよ。


「さてではそなたも来たことだし、話し合いを」

「拳でしよう、な!」

ズバンッ!


飛躍スキルを使って一瞬で懐に潜り込んだ俺の渾身の右ストレートは、しかしあっさりと龍王に受け止められてしまった。


「ハッハッハ。そうこなくては楽しくない」

「仲間が倒されたのに自分だけ何事もなくっていうのは性分じゃなくてな。

勝てなくとも一矢報いるくらいはしないとな」


話ながらもジャブやローキックを続け様に放つも全て受け止められる。


「おぉ、そなたはなかなかに武闘派であるな!」


こっちは必死だってのに余裕綽々で受けられるのはなかなかにムカつくな。

でも本来なら避けられるだろうものも全部受け止めてるし、さっきから1歩も動いていない。

その油断を突かせて貰う。


ぽんっ

「ん?」

「『浸透勁』!!」

「ぬっ、ぐふっ」


まるで威力のないパンチかと思わせて、内部破壊狙いの全力魔力砲撃。

さすがの龍王もこれならダメージが入ったみたいで片膝を付いた。

絶好の追撃のチャンス。

だけど俺がとった行動は、全力のバックジャンプだった。


「フフッ。フハハハハッ。

良いなぁ。我が膝を付くほどの豪傑に会えるとは実に良い日だ」


獰猛に牙を見せて笑う龍王。

その瞳は楽しくて楽しくて仕方ないと言っていた。


強敵(とも)よ。まだまだ戦いはこれからだろう。

今度はこちらから行くぞ」


そういって遂に龍王が左足を半歩前に出した。


「ふんっ」

「っ!!」


姿がぶれたと思ったら一瞬で10メートルの距離をゼロにしての右ストレート。

俺のと違って当たれば吹き飛ぶどころか爆砕されそうなそれを何とか屈んで避けた。

続いて肝臓を抉りに来た左フックを『飛躍』も使って避けた。


「ほう、これも避けるか。ならば!」


それはまるで生きる天災。

腕の一振りで竜巻を起こし踏み込みひとつで地震を起こす。

俺はもうただひたすらギリギリで避ける事だけに専念した。

それを見ていたチックルちゃんが思わずと言った感じで口を開いた。


「す、すごいのじゃ」

「うん。チックルちゃんのお父さんは人の姿でも龍のごとき強さなの」

「そっちじゃないのじゃ。

すごいのはおじさまの方なのじゃ。

常人なら掠っただけで粉みじんになる一撃をもう何度避けたのか。

龍人族でも1発受け止める者はいてもあんな事が出来るものは居らんのじゃ」


いや、感心してないで止めて欲しい。

これマジで死ぬから!

と、その時。視界の端に避難していたはずの街の子供の姿が映った。

どうやらこの騒ぎが気になって出て来てしまったようだな。


「ってマズッ!!」


龍王の流れ拳が子供の向かって飛んでいってしまった。

咄嗟に間に割り込む。


「グホッ」


俺の力なんかじゃ防ぎきれる訳が無い。

それでも吹き飛ばされながらも何とか軌道を逸らすことには成功した。

後ろの建物を突き破りながらも、何とか無事な子供の姿を確認して安堵する。

さて龍王の方は……良かった。どうやら落ち着いてくれたようだ。

さすがに子供を巻き込んでまで続けようとは思わないで居てくれたみたいだな。




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