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102.神話を思い起こせば神も意外と

神達がチートスキルを持ってることは分かった。

たった3人の神によって大国と呼ばれていた神聖教国がほぼ乗っ取られ、この短期間で将軍(マスオ)にダメージを与えられる軍隊を産み出したという事実が、その危険度を物語っている。

放っておけば本気で人間も魔物も滅ぼされて世界統一されるかもしれない。


「流れ星は何十何百と地上に落ちてきていた。

あれが全てチート持ちの神なのだとしたら絶望的だな」

「いや、そうでもない」


沈痛な俺の言葉にアッサリと否定の言葉を述べるカミッチ。

確信に近いその言葉は一体どこから来るのか。


「そうなのか?」

「ああ。全ての神が戦闘に特化している訳ではないからな。

奴らもたまたま上手く嚙み合っただけで、バラバラなら大したことは無い」


力強く頷くカミッチ。

そう言えばカミッチも神なのに簡単に俺達に負けてたよな。おなじ神なのに。

むしろ最初にカミッチを見たから一気に行けると思った節もあるんだが。


「む。なにやら不遜な視線を感じるな」

「ははは、気のせいだろ」

「ふん、まあいい。

とにかく神のスキルは強力な分、制約も多い。

特別な施設が必要なもの、特定の条件下で無ければ発動しないもの、膨大な魔力を必要とするものなどな。

それに世界に影響を及ぼそうとする神は少数だろう。

大半の神は自分の楽園を築いて終わりだ。そこは既存の人間や魔物の国と変わらん」


つまり神も人間もそこまで思考回路に違いは無いってことか。

カミッチみたいにいい感じの国に降り立ったから支配してやろうと動いて、返り討ちに遭う場合もあるし、神聖教国は本当に偶然いろいろ噛み合っただけってことか。


「そのアポロンだっけ。

その神の元に他の神が集まる危険性は?」

「ほぼ無いだろうな。

なんだかんだ言って自由を得たのだ。

自分から誰かの下に着きたい神も居なかろう」


そういうものか。

その割にはカミッチは随分イメーコの補佐役に落ち着いてしまっているけど。

そういう性分だったのかもな。

まあとにかくアポロン達を何とかすれば今回の騒動は一段落ってことだ。

目標が明確になるとやることも明確になるからありがたい。


「よし。まずは南から来る巨人たちを撃退しよう。

その後、各国に協力を求めつつアポロン達には退場頂こうか」

「「はいっ」」


会議を終えた俺達は、まずは怪我をしたというマスオの元を訪れた。

ワカメの診療所に行けば奥の部屋で休んでいたマスオがベッドの上から手を振って来た。


「マスオ。先の作戦で殿を務めて怪我をしたと聞いていたけど、大丈夫か?

というか、なんか疲れていないか?」

「見苦しい姿ですまねえだ。怪我は左腕をやられただけで命に別状はねえだ。

ただ、ワカメに心配かけちまったせいでさっきまで怒られたり、その、なんだ」


そう言ってぽりぽり頭を掻くマスオの首筋にはくっきりとキスマークが付いていた。

どうやら心配ついでに感情が爆発して色々お楽しみだったみたいだ。

まぁ元気なら良いんだけどな。

夫婦なんだし仲良くやってくれ。

ただ怪我をした左腕を見れば二の腕の部分がごっそり抉れている。

これじゃあ簡単に戦線に復帰するのは無理だろう。


「この傷は例の巨人のビームでか?」

「んだ。撤退する仲間を庇おうとして無理な体勢になったせいで防ぎきれなかったべ」


そうか。

マスオなら正面からならあのビームを受けても耐えられただろうからな。

仲間想い過ぎるのも考え物だ。


「まぁとにかくゆっくり身体を治してくれ。

俺達はちょっくらお礼参りに行ってくるから。

ワカメも多少ハッスルしても良いからマスオがベッドから抜け出して来たりしないように見張っててくれ」

「ふふっ。分かりました」


疲れた感じのマスオとは対照的に元気いっぱいなワカメ。

まあこれ以上は突っ込まなくていいか。

とにかく今は防衛戦だ。

長距離転移門でヨサクのところに飛んでみれば、小高い丘の上に造られた砦はもう大体完成していた。


「陛下。よくいらしてくださいました」

「ヨサクとチチカが居れば問題ないかなと思ったんだけどな」

「なんの。陛下が居てくだされば鬼に金棒といったところです。

ところで、後ろの見慣れないお嬢さんはどなたですか?」

「ん?」


言われて後ろを振り返ってみればチックルちゃんと目が合った。

って、そうだ。

もう何の違和感もなく一緒に居たけど、チックルちゃんもここまで一緒に来てしまった。


「彼女は龍王国の王女のチックルちゃんだ。

先日神聖教国に移動する途中で偶然合流して、今日まで一緒に行動しているところだ」

「うむ、チックルだ。苦しゅうないぞ。

近々リュウジュおじさまの元に嫁入りするでな。よろしく頼むのじゃ」

「は、はぁ……」

「「はぁ!?!?」」


チックルちゃんの爆弾発言にワンテンポ遅れて驚く一同。

俺も最初聞いた時は驚いたし仕方が無いだろう。

ただその中でもミツキの反応が一番大きい。

ミツキは俺の服の裾を引っ張って小声で確認してきた。


「チックルちゃんって確か建国祭の時に来た小さい女の子よね?」

「ああ。よく覚えてたな」

「うん。それでチックルちゃんって何歳なの?

見た目はちゃんと私と変わらないくらい大きくなってるけど、もしかして犯罪なんじゃないかな」

「大昔は13歳で結婚って話もあったし、それに比べれば姿が大人なだけ大丈夫じゃないか?」

「まぁお兄さんが良いなら良いんだけどね」


理解のあるようで助かる。

ちなみに大昔は数え年で13歳で結婚って話だったはずだから、今でいう11、2歳になる。

小学生と大人の結婚は、元の世界なら捕まりそうだな。

この世界ではそういう所を気にする人ってあんまりいないみたいだけど。



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