表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/111

101.神はチート持ちだったらしい

神聖教国の首都を飛び出した俺達は森の中を走りながら何が起きたのかをハトリから聞いた。


「ルクセン領の捕虜奪還は無事に成功しました」

「そうか、それは良かった」

「はい。ですがそれとほぼ時を同じくして敵に巨人型の天使が現れまして作戦に参加していた部隊に多少とは言えない被害が出ています。

現在は撤退は完了したものの、敵の巨人天使の襲撃に備えてルクセン領の南に防衛陣地を構築中です」


巨人天使か。

ヨサク達が参戦していたのに被害が出たってことはサイズに比例して戦闘力も上がったということか。

なんとも厄介な話だな。


「それで俺を呼びに来たのはその巨人の対応の為か?」

「それもありますし……」

「お、噂をすれば影じゃな!」

「なに!?」


チックルちゃんの言葉にガッテム山を見れば、遠くからでも分かる巨体が4、5体見て取れた。

しかもあれ、どうやら俺達を見ている気がするぞ。


「おぉ、なにやら口元が光っておるのじゃ」

「それはまずいんじゃないかな」


言ってるそばから巨人の口からビームが放たれた。


「ちょっと待て!」

「陛下!」

「ぬはははっ」


叫びながらも何とか避けた。

後ろを振り向けばいい感じに地面が抉れている。

先日の大怪獣ほどでは無いにしても直撃は受けたくない威力だ。

これは確かに気付かずに囲まれたらピンチだったかもしれない。

呼びに来てもらえて助かったな。


「でも流石に連射は出来ないか」

「みたいですね。今のうちに退散しましょう」


俺達は山の影を縫うようにして造っておいた拠点から長距離転移門で帰国した。

俺達が戻って来たのを見つけてミツキが走って来た。


「お兄さん。無事だったんだね!」

「まあな。ミツキ達もけがは無いか?」

「あたしは大丈夫だったんだけど、マスオが、ね。

今回も殿を務めてくれて、無事に戻っては来てくれたんだけど今はワカメさんのところで治療を受けてるわ」

「そうか。命に別状がないなら良かった」


一瞬またマスオが殿に立ったと聞いて焦ったけど、ミツキの様子からしてそこまで重傷って感じでもなさそうだ。

もしかしたら今頃治療と言いつつ夫婦でイチャイチャしているかもしれない。


「ヨサクやチチカは?」

「ルクセン領の南で防衛陣地を造りに行ってるわ」

「そうか。間に合いそうなのか?」


なにせ敵は飛行能力を有してるから2領地分の距離なら1日で飛び越えてこれるだろう。

いくらヨサクでも1日では大したものは建造できないはずだ。


「それなら大丈夫よ。

例の巨人は大きくなった分、あまり飛べなくなってかなり移動力が落ちてるから」


確かに、さっきも砲撃はしてきても追っては来なかったもんな。

つまり魔物で言うトロルの位置づけか。

攻撃力も耐久力も高いけど機動力が低いから拠点防衛には向いているけど遊撃なんかには使いづらいと。

それでもあのビームは脅威だ。


「というかさ。カミッチに比べても強かった気がするんだけど」

「あ、それはあたしも思った」


カミッチはあれでも神だから天使より上位の存在のはずだ。

なのに戦闘力で言えば明らかにカミッチより巨大天使の方が上だ。

その辺はカミッチに聞けば分かるだろうか。


「ということなんだけど、どうよカミッチ」

「なにが、ということだ。突然やって来て変なことを抜かす出ない」


良い感じにイメーコの補佐のポジションに納まっていたカミッチに無茶振りしてみた。

ちっ。神なんだから察しろよ。って流石に無理か。


「神っていうのは人間を洗脳したり、突然巨人に進化したりするものなのか?」

「はぁ!?ちょっと待て」


そう言って考え込むカミッチ。

これは多少なりとも心当たりはありそうな雰囲気だな。

しばらく考え込んでいたカミッチだったけど、ようやく顔を上げて話し出した。


「我々神はこの地に降り立つ前からそれぞれ1つずつ特別なスキルを身に付けている。

その中には他者を洗脳するタイプのスキルも存在する。

貴様達が見た神、もしくは天使は何か特別なことをしていなかったか?」


そう言われると思い当たる節は1つしかない。


「天使たちが何か怪しい薬を人間達に撒いていたな」

「ドラッガーか! 奴め随分と派手に動いているようだな」

「知り合いか?」

「奴が有名人なだけだ。悪い意味でな。

あいつはあらゆる薬に精通している。

貴様の話からして麻薬のようなものを使って意のままに操っているようだな。

ただそれほど強い薬なら当然副作用も強い。

操られている者たちは既に薬物中毒でもって1月と言ったところだろうな」

「それは酷いな」


いくら神だからって完全に人間を使い捨ての道具として扱うなんて許せないな。

この世界にあって神だから偉い訳でも尊い訳でもないだろうに。


「それと巨人のような天使か。

ゲートキーパーズかタイタンのどちらかだろう。

どちらも発動条件に専用の施設が必要だったはずだ。

前者は山門、後者はストーンサークルだな」

「あ、それなら前者だ。

あいつらガッテム山に神殿を建設中で俺達が見た時には入口の門が完成間近だったんだ」

「ふむ。間違いなさそうだな。

奴らの仲が良かったという話は聞いたことが無いが、たまたま近くに降り立って協力関係を結んだとかそんなところだろう。

あ、いや待て。神殿を造っていると言ったな。

ならアポロンも一緒の可能性があるな。あいつが居るならその2人も一緒に居ても不思議じゃないか」

「アポロンはどんな神なんだ?」

「ナルシストの塊だ」


またバッサリ言ったな。

この様子からしてカミッチはアポロンの事は嫌いみたいだ。


「あれの持つ聖域のスキルは強力だからな。

先の2人もそこに目を付けて共同戦線を張ったのだろう。

もしかしたら他の神も何人か合流しているかもな」


聖域。多分名前の通り自分の領域の強化だろうな。

神殿を造っているのもその聖域を展開するのに必要だからってところか。

つまり神殿が完成していない今が攻め時、なんだけど、俺達だけだと巨人の相手だけで苦労しそうだ。

プラス神が数体居るとなるとかなり無理がある。

せめて神が1体だけなら最初の潜入の時に何とか出来たかもしれないんだけどな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ