表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

異・世・界・転・生!

朝、目がさめると思うことはまた1日が始まっただ。

俺がそう思うのは仕方がないと思う。

だがこの日は違った。

何故だか無性に不安な気持ちになったのだ…。


俺の名前は元家英慈、菊丘高校に通っている。

クラスは2ーAで番号は21番。

性格や雰囲気、顔立ちなどあらゆる面で普通な高校生だ。

もちろんテストの成績も普通。

それが俺だ。

あっ、ちなみに友達はいない。

1年生の頃から一匹狼で過ごしてきたんだ。

何故かって?1人の方が気が楽だからだ。


まぁ、自己紹介はこの辺りにして話を進めていこう。


俺は今日もいつもの時間帯に登校した。

そして普通に学校が始まり普通に昼休みとなった。

まぁ、ここまではいいんだ。

問題はここからだった。

昼休みも終わりの時間となりクラスメイトが教室へと戻ってきた。

俺は次の授業の準備をしてスマホをいじっていた。

そして担当の先生が来ているのを確認してスマホを仕舞おうとした時だった。


突然、俺の目の前が()()()()()


もちろん俺の前の席にはクラスメイトがいるのだが、そのクラスメイトが歪んで見えていた。

意味がわからなかった。

俺が言葉を発っしようとした時、俺たちのクラスが光に包まれた。

光が収まった時俺たち28名+先生がいた場所は暗い地下だった。


はい、回想シーン終了!

いやほんと改めて思うと意味わからんわ。

それで今俺たちがいる場所はどっかの地下。

しかも足元には魔法陣っぽいのがある。


「おぉ…。成功だ…。成功したぞ…!」

「「「「おお!!」」」」


突然知らない人の声が響いた。

よくよくみてみると俺たちのいる魔法陣っぽいものの外側に数人の人影が確認できた。

しかもローブを着ておりみるからに怪しい奴らだ。


「おい!ここどこなんだよ!?」

「ちょっと!ここどこなの!?」


おーおー、喧しいぞクラスメイトよ。

俺があまり慌ててない理由?そんなもの決まっている。

この状況がどういうものか多少は分かっているつもりだからだ。

恐らくこれは異世界召喚という奴だろう。

俺がよく読んでいる小説サイト、ヘイローでは有名な話だ。

今起きてるのは現実だけどな!

あれ?そういえば先生はどこに行ったんだ?


「……。」


あらら、固まっちゃってる…。

こういう時にちゃんと生徒をまとめられないとダメなんだろうに…。


「皆さま、どうか落ち着いてください。今、どういう状況なのかわからないのでしょう。なので今から説明いたします。」


お?なんかローブ姿のリーダーっぽいのが出てきた。

ようやく説明が始まるのか。


「現在この世界には滅亡の危機が迫っております。それをどうか勇者様がたに助けてもらいたいのです。」


はい、テンプレきましたわー。

しかも説明そんだけかよ!?

もっと他にないのかよ!?

まぁいい。

とりあえずここは異世界、そして俺たちは召喚された勇者とその一行といったところか。

さて、こう行った異世界ではステータスというものが存在するはずだ。


「ステータス」


……

………何も起きんか。

じゃあ別の言い方を全部試していこう。

なぁに、異世界転生系の小説はいくらでも読んだからな、問題ない。


「【ステータスオープン】」


俺が小さな声でそう呟いた瞬間シュワンと何かが目の前に現れた。

その何かはもちろんステータスウィンドウだ。

まるでゲームみたいだな。

ちらっと周りを見ると先生とローブの人が言い争っているのが見えた。

まだ時間的余裕はあるな。


名前 元家英慈

種族 ヒト族

職業 大賢者

スキル 【言語理解】【∞魔力】【想像魔法】【創造魔法】


ふむふむ、能力値は数値化されていないと。

で、俺の持つスキルがなんかチートっぽいというのが特筆すべきか。

ってか∞ってなんだよ!俺の魔力が尽きることはないってか!?

チートすぎんだろおおぉぉぉぉ!?

それに創造魔法と想像魔法ってなんだ!?

こんなん見たことねぇよ!


「ん?おい、どうした英慈?」

「いや、なんでもないよ秋元君。」


秋元雄二。

彼は俺の唯一の友達だ。

秋元とはよくネットゲームをする仲で唯一俺と喋る人物。


「いやーそれにしてもよ、これ異世界転生だろ?燃えるなー!」


勝手に燃えとけ。

いや、それよりもだ。

異世界転生して確認すべきことの1つ。

それはズバリ、召喚した王国の国王と宗教のトップが信頼できるのかだ。

は?って思った奴はアレを見てこい。

ほら盾のなんちゃらってやつだ。

アレを見たら俺が言っているのもよくわかるはずだ。

ちなみに俺は結構好きだ。

二周したぜ。


話が脱線してしまったな。

まずはスキルの確認だ。


【創造魔法】……魔法もしくは物質の創造が可能。

【想像魔法】……創造魔法の補助スキル。


んー、まぁつまりアレだ。

使ってみればわかるって言うことだな!


えーと、魔法の創造が可能って書いてあったな。

自分に対してバフでもつけてみるか。


「【攻撃力強化】」


………お?

なんかちょっと力がみなぎるような…?

よし、次だ!


「【防御力強化】」


……お?

なんか体が硬くなったような……?

なんか思ってたのと違うな。

あっ、そういえば想像魔法が創造魔法の補助スキルって書いてあったな。

もしかして、自分が拳1つで岩を砕くようなイメージをしながら創造魔法を使ってみたら…?


「【攻撃力強化】」


…お?おお?

さっきよりかなり力がみなぎっている…。

やっぱりこれで正解か。

だとすると俺の思いつく限りのことが俺の思い通りにできると言うことでは…?

ヤベェ、このスキルまじでチートかもしれん…。

しかしこれならば国王と宗教のトップが信頼できるかどうかわかるようになるかもしれないな。


「では皆様、私についてきてください。」


お?いつのまにか先生とローブの人の会話が終わっているじゃないか。

だがしかし、もう問題は解決した。

あとは移動中に魔法をかけるだけだぜ!


ローブの人について行った先は案の定国王が座っているところだった。

ステータスをみといて正解だったぜ。


「皆様が此度召喚されし勇者様ですか。私はこのハカミス王国の国王であるビネフ・レノーイ・ハカミスである。よろしく頼みますぞ、勇者様方。

『こいつらが召喚された勇者だと?それにしては数が多いような気がするが…。まぁ良いか。手駒が多いと言うのは便利だからむしろこれで良かったのかもな。とりあえず奴隷の首輪でもつけて働かせるか。レイフはいたかな?あとで呼びつけておこう。』


はい、ダウト!

このおっさん建前がしっかりしてやがんな〜。

ん?今のは何かって?

今のはこのおっさんの心の声だ。

このおっさんが口には出していないが心で思っていることがわかるようにしたんだ。

ちなみに俺はこれを【心眼】と名付けた。


『しかし見目麗しい女が多いであるな。特にあのちっちゃい娘が……。』


はい、ダウト!!

おいおい、さっきから不穏な声が聞こえすぎなのだが…。

奴隷の首輪とか聞こえたし…。

この国はダメだな。

こんな国はさっさとお暇させてもらったほうがいいだろう。


「それではこれから皆様を鑑定させていただきます。こちらの水晶に順番に手をかざしてください。」


みると国王の隣に立っていた奴が指示を出していた。

こちらは特に何も思っていないらしい。

さて、俺のスキルがバレる前にクラスメイトたちには悪いが逃げさせてもらおう。


「ーーー村正和樹、職業勇者!」


ワッと盛り上がった。

まぁ勇者だしな。

それにあいつはクラスでもかなりの目立ちたがりだったな。

つまり陽キャだ。


「ーーー寺井光、職業聖女!」


またまたワッと盛り上がった。

確かあいつは女子の中心のような存在で村正の幼馴染だ。

よくクラスでイチャイチャしているのがイライラする。

誰もみてないとこでイチャイチャしろっつうの。


それから鑑定は進んでいき残るは俺と秋元の2人だけ。

先に秋元がいき鑑定を行う。

俺はもう既にここから逃げ出す準備を整えていた。

整えるのは俺の想像力だけなんだけどな!


「ーーー秋元雄二、職業剣神!」


おお!これは俺も驚いたぜ。

剣神といえば剣の達人も達人じゃないか。

よかったな秋元。


「おーい英慈!俺剣神だってよ!」

「さっき聞いていたよ秋元君。」

「お前もなんかすげー職業だったらいいな!」

「そうだね。」


まぁ、俺はそのすげー職業の1人なんですが。


「ほら、行ってこいよ。」

「……いや、僕はいいよ秋元君。」

「は?」


俺が拒否をした瞬間俺の周りだけが静かになった。


「どうされましたか?あなたで鑑定は終わりですよ?」


周りの空気がおかしくなったのを読み取ったのか鑑定していた人がこっちにきた。

こいつ明らかにこっちの様子見てただろ。

まぁいいか。


「僕は鑑定を受けません。」

「おい!なんでだよ英慈!?せっかくの異世界なんだぜ!?」

「はぁ…。秋元君、君には失望したよ。異世界に来たからこそ警戒をすべきだと言うのに…。」

「英慈…?」

「僕は…いや、俺はもうここには戻ってこない。そいつは胡散臭すぎるからな。」


と言いながら国王を指差す。


「は?英慈?お前キャラ変わってねぇか!?」

「なんだよ秋元。俺の本性を見抜けなかったお前が悪い。」


ふむ、もう俺たちの会話を聞いていない奴はいないみたいだな。

好都合だ。


「俺は全員に忠告しておくぞ?俺はここから逃げることをお勧めする。」

「おいおい、隠キャが粋がってんじゃねえよw。お前が逃げたいだけだろw」

「そうよそうよ!あたし達は勇者として呼ばれたのよ?それに困ってる人は見過ごせないわ!」

「………忠告したからな。」

「勇者殿!?どちらへ行かれるのですか!?」

「喧しい。俺はお前達の犬になるつもりはない。じゃあな。」


そう言って俺は近くにあった窓へと近づいた。


「おい英慈!まてよ!何がどうなってるって言うんだよ!?」

「衛兵!止めろ!」


ばっと兵士が近づいてくるが俺はもう窓から飛び降りたあとだった。


秋元「英慈…。」

村正「バカだな。」

国王(まさか気づかれていた…?)


窓から飛び降りた後、俺は考えていた魔法を実行した。

それは俺の背中に羽を出現させる魔法。

見た目は天使の羽のようで結構快適に飛べるようになっている。

正直俺の忠告は聞いてもらえないだろう。

異世界に来たと言う興奮から俺の声は届いていないはずだ。

秋元はわからんがな。


これからどうしようか?

勢いで飛び出してきたが金もないし、うーむ…。

テンプレ通りに行くならその辺の魔物を狩って冒険者ギルドに行くべきなんだろうが…。


考え事をしている途中でなにかが俺の前を通り抜けた。

ん?と思って飛んできた方を見るとビームのようなものが飛んできている。

どうやら俺はゆっくり考えることができないらしい。

感想とかあったら欲しいな!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ