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少女は、蝶だった。  作者: ぼすお
3/5

蝶と人間3

白蛇は驚いた。


弁才天様の使いでやってきた道中で、こんな奇跡を目にできるなど思ってもみなかった。

蝶と人間が本気で恋に落ちるなど、1000年と210年生きた私でさえ初めての光景だった。

旅の道中腹を空かせていたので、鱗粉をみて蝶を腹の足しにでもしようと寄ったが、今回ばかりは願いを聞き入れようではないか。



そして白蛇は蝶に話しかけた

「お前の願いを聞き入れた。しかし、これは試練になるだろう。」


蝶は期待で膨らんだ胸を押さえながら、その顔を上げた。

「もう私には時間が残されていません。

是非その試練を受けさせて頂けますでしょうか。力の限りを尽くすことを誓いましょう。」


少年には白蛇と蝶の言葉は聞こえなかったが、二人が話していることは不思議と分かった。

少年はどうすることもできなかったが、蝶の普段とは違うただならない雰囲気に息を呑んだ。






白蛇は言葉を続けた。

「私たち蛇は脱皮を行う。蝶は、14の歳になると寿命を終える。

しかし、脱皮を行えば、神への道へが開かれる。蝶にとって脱皮は命がけだ。

だからこそ価値がある。お前が脱皮をすると言うのなら、神ではなく人間にしてやろうではないか。

今ここで命を懸けて脱皮をするのか、残された時間をその人間と過ごすか。


さあ、選べ。」






蝶はその選択に迷うことなどなかった。


命を懸けてでも、彼と言葉を交わしたかった。




少女は、白蛇を真っ直ぐに見つめ心を決めた。

「脱皮を選びましょう。」

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