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少女は、蝶だった。  作者: ぼすお
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蝶と人間2

少女は、幸せな時間が長くは続かないことを悟っていた。


彼女はもう14年も生きてしまった。

蝶の寿命はすぐそこに来ていたのだった。少女は愛する少年と会っても、もう以前のように空高くは飛べなかった。




少年は、これからもこの幸せな朝の時間が永遠に続くと信じていた。


自分が会いに行っても、もう蝶の羽ばたきが空高くまで上がらないことに、気づかないふりをしていた。









そしてついに、


少女はある日飛べなくなった。








少年は、飛べなくなった少女を手に取り、今までの素晴らしい時間とこれからの孤独な時間を思い、目の奥がツンと痛くなるのを感じた。


共に居られる残り少ない時間、彼女には笑顔しか見せたくなかった。

涙を堪えて笑顔を作る少年を、少女は見上げた。


その瞬間、堪え切れなくなった少年の目から大きな涙の粒が少女の上に一滴垂れた。





少女の口元へと流れていったその涙は不思議と甘い香りがした。

彼女は最後の力を振りしぼってその涙を吸うと、花の蜜よりも甘く不思議と力が沸き起こった。





そして彼女は、生まれて初めて願いをした。


ひざまづき、手を合わせると心から願った。

「私は蝶としてもう時間がありません。この残された時間だけで構いません。

私を人間にしていただきたいのです。彼に、今までの感謝の気持ちを伝えたいのです。」



心が震えるような願いに合わせ、翼も最後に羽ばたきを思い出した。

飛ぶことはできなかったけれど、その美しい鱗粉は宙に舞った。







その時微かに舞った鱗粉を見た蛇がやってきた。

真っ白な蛇だった。


少年は、その白蛇に気づいた。

彼は伝説で読んだことがあった「生命の源」と言われる白蛇を見て、生まれて初めて願いをした。



彼は蝶を優しく手で包み込み、

「彼女と話をしたい。今までの感謝の気持ちを伝えたい。」

心からそう願った。



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