あのう? 僕の家の押し入れにおじさんがいますけど? 誰。
僕は、6畳のぼろアパートで、1一人暮らしをしている。正直、男の一人
暮らしだから。部屋は、荒れ放題。ゴミ小屋寸前だけどね!
踏み場もないぐらいゴミで溢れかえっている。食べた後のカップラーメン
飲みかけの缶コーヒー、コンビニで買った食べかけの弁当など...?
こんなの、彼女がいたら? 絶対にフラれると思うよ。よくテレビとかで、
片付けられない...まさに!? それだ!
あぁ忘れてた! 僕の名前は、「カズオ」彼女いない歴35年。
そう言えば...? どれぐらい前だったかな彼女いたの? もう、覚えて
ないけどね。
『本音』を言えば? 男の一人暮らしが長過ぎて彼女もいないやつ
だから寂しさが、時々襲ってくるんだよね?
「このままずっと、一人なのかなって......?」
「こんなところで? 一人寂しく亡くなるなんてイヤだな~」
.......たまに、そんな事を思う。
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そんなある日、押し入れで 「ガタガタ」って言う音がするんだよ。
なんだ? と思って押し入れを開けると...? 見知らぬおじさんが!?
「うーわ! びっくりした~ おじさん誰?」
「やあやあ! おじさんは、押し入れの神様だよ」
「はあ? 何処から入って来たの? ここ僕の部屋だけど?」
「だから おじさんは押し入れの神様なんだよ。」
「あのね~ 警察呼んでもいいんだよ。何処から入って来たの?」
「ここの押し入れの主だよ」
「話にならないんだけど...? 取り敢えず、名前は?」
「押し入れの神様!」
「はいはい。もういい加減いいから? ちゃんと話してよ」
「ちゃんと、話してるよ。」
ちょっと、目をウルっとさせて話すおじさん。なんかイイ人そうだ。
でも、僕の中で? ふとこのおじさんがいたら? 寂しさから少しは、
解放されるのかなって思ってしまった。
「おじさんさ~ なんで、押し入れにいるの?」
「押し入れの神様だから。」
「うーん? じゃ、押し入れの神様としてなんで? 僕の部屋なの?」
「ここがワシの住み家だから」
「いやいや? 僕の部屋の押し入れです。」
「いや? ワシの住み家だ!」
もーいい! 面倒くさくなってきた。この際もう、一緒に住めばいい
じゃん! そう思った。
「わかった。おじさん! 一緒に住もう!」
「いいのか? 賛成だ!」
「じゃ~ 取り敢えず、ビールで乾杯しようよ!」
「いいねぇ~ そうしよう」
「おじさん? つまみ食べる?」
「ワシは、イカのつまみがいい」
「贅沢だな?」
「仕方がない! 好きだから。」
「わかった。後でコンビニで買ってくるよ」
「まかした!」
「あいよ~」
「取り敢えずは、今日から二人で暮らす日だ~ めでたいぞ~」
「めでた~い!」
二人で 「かんぱ~い!」
「そうだ! お互いの呼び方? 決めようよ~」
「僕は、カズオでいいよ!」
「じゃ~ワシは押し入れのおじちゃま。」
「アハハ~ おじちゃま!? まぁいいよ! それで。」
「これからもよろしくな! 押し入れの“おじちゃま”」
「おう! カズオ、仲良くな!」
まさかの!? このおじさんと一緒に暮らす事になるとは......?
その前に、気になってたんだけど? 「押し入れの神様」って?
なんなんだよ~ 意味不明じゃないか! まぁ、いいっか!
楽しければいいのさ~ これから毎日、家に帰って来ても? 1人
じゃないと言う喜びが嬉しい。毎日飲み会じゃ~い!
最後までお読みいただきありがとうございました。