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新たなる旅立ち

前話の題名、しくじっちゃってごめんなさい。それでも、たくさんの人に読んでもらえて嬉しく思います。

 その後、体感時間で2時間ほど経った頃、俺はあることに気がついた。

 「この世界には昼も夜もないんですね。」

 窓から差す光は、ここに来てから全く変化がない。

 「いいことに気がついたわね。それじゃあそろそろ本題に入りましょうか。あなたもこの世界のことを ただの死後の世界だと思ってるみたいだし。」

 ただの死後の世界じゃないとしたら、ここはどこなのだ。

 「あなたのポケットの中にマニュアルが入っているわ。神からのプレゼントだからね。ああ、私が解り易く説明してあげるから出さなくていいわよ。後で部屋に戻ったら読んどいて。」

 ポケットにある何かに気づいたが、取り出す手を止めた。そりゃマニュアルなんかよりも、当事者のほうが現場に詳しいに決まっている。ただ、気になるとすれば彼女の言った「神」についてだ。本当にいるのだろうか。去年、学問の神に裏切られたばかりの俺にはとても縁を断ち切りたい単語だった。

 「本の中身を分かり易く言うと、この世界は現実世界に強い心残りを残してきた者たちの集いの場であり、もう一度現実世界での生活を送る機会を与える場である。この世界の神である私を倒したら、諸 君は解放される。解放された諸君は新たに命を授かり、人生を文字通り1からやり直してもらうことに なる。摩天楼で待っていよう。

尚、ホーム、その他設定は各自の端末で行って行ってくれ。検討を祈る。

とまあ、こんな感じかな。はい、これ端末。初期設定はもうしてあるわ。ホームはここ。

何か聞きたいことある?」

 正直言ってありすぎる。だが、こういうのは、大抵後から設定が加わるものだ。解らないことは、その場その場で聞くのがベストだろう。

 「じゃあ、ひとつだけ。摩天楼ってどこにあるの?」

 この質問になぜか皆立ち尽くす。

 「おい。そこにいて窓の外が見えないのか?」

 一見がそういうので窓の外を見て、今度は俺が立ち尽くす番だった。

 そう。今まで隣のマンションの壁かなんかだと思っていたのは、巨大な塔の壁だったのだ。

 「あれの頂上ってどこなの?っていうか、今まで誰もあそこに行ってないの?」

 そう言った瞬間、空気が一気に重くなるのを感じた。俺ってまずいこと聞いたか?

 俺の問いに答えたのは後ろ、つまり階段からの足音だった。

 「頂上に行くこと自体は簡単なのよね。塔に入ってエレベーター乗るだけだし。そう、問題は最上階にある、無限回廊と呼ばれる巨大迷路なのよね。

しかもただの迷路じゃなくてね、結構トラップが悪質なのよ。」

「そんなに大変なんですか?確かに広大だろうけど、マッピングとか、回数重ねればいけるんじゃないんですか?」

 「そうなんだけどね。どうやっても同じところぐるぐるしちゃうのよ。トラップもあって迂闊には進めないのよね。」

 「そのトラップってどんなものなんですか。あなたのような武装が必要なんですか?警察に捕まりますよ、それ。」

 そう。2階から降りてきた彼女はすごい武装をしていた。全身スウェットスーツに、腰には銃が入ったホルダーに剣(?)、背中には長大なライフルを背負っている。

 「新入りも来たし、久々に乗り込もうかと思って。皆、どう?」

 その言葉に皆意気込む。

 「それじゃあ、あなたにも早速武装してもらうわ。皆、出発は20分後くらいに。」

 「くらい」を付けたのはこの世界に時間が存在しないからだろう。

_____________


 咲奈に連れられて建物の中を歩くと、そこには「武器庫」と書かれた部屋があった。

 「外で待ってるから、着替えと装備を済ませて来ちゃって。制限時間は10分。ヨーイ…」

 「ちょっと待っ…」

 「ドン!」

 背中を突かれ、部屋に転がり込む。部屋を見渡すと壁一面の銃、ポーチ、双眼鏡、スウェットスーツ…、もはや何でもありだ。自分に合うスウェットを身に付け、ポーチを下げる。そして、少し軍オタな俺は銃選びに時間がかかってしまう。

 本当はライフルを持ちたいが、重いため、サブマシンガンで我慢する。それでも連射速度、段数、口径を見て選んだ。

 準備を終え、部屋を出た俺は皆と合流する。皆、格好は似たりよったりだ。

 「いい?少しでも相手を撃つことを躊躇したらダメ。すぐにここからやり直しよ。

それから、パニックに陥って暴発しないように。危険だわ。

注意事項はこれくらい。詳細は向かいながら話しましょう。

それじゃあ、リーダー宜しく。」

 咲奈の言葉に麗奈が頷く。

「みんな。私からいうことはないわ。気楽に行こう。」

 そう言って、外に向かう澪奈を皆追いかけた。

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