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酒とジュースはおあずけ

とまぁ、本当に日本人かも疑わしい二人の怨霊がいるわけだ。


「あああああああああ!! 酒!! 酒ねえのか!! ちきしょー!!」

「ねえっつってんだろこの幼児!!」

「幼児ちゃうわ!!」


相変わらず酒酒と酒を求める幼児が一人。

この幼児こそがあの平将門らしいが、凄く信じがたい話だ。


「幼児にはジュースで充分だ!!」

「ジュース!? 何それ飲みたい!!」


ジュースに食いつく辺りも幼児だ。


「えーと、オレンジとリンゴとグレープフルーツとブドウがあるんだけど…」

「俺オレンジ!!」

「あたしリンゴ!」

「僕ブドウがいい」


待てやコラ。


俺は幼児にしか聞いてないんだが。咲野と上皇サマには聞いてないんだが。

上皇サマはまぁともかく、咲野は自分で入れなさい。


つーか皆バラバラじゃねえかちきしょう。めんどくせ。


「咲野は自分で入れろよ」

「えーケチー」

「そうだぞー女の子いじめるのは良くないぞー」

「男の娘(笑)」

「(笑)じゃねえよふざけんなうっさいぞ」

「お前もうっさいぞ幼児」

「誰が幼児だって!?」


(笑)なんて使う人まだいるもんなんだな。

…もしかして、未だに使っていたりするのか? (笑)って死語じゃないのか?


と思っているうちに。


「…おい」

「なんだ幼児」

「幼児じゃねえよ!! …つーか溢れてるぞ、ジュース」

「…え」


幼児が指差した先を見ると、幼児の言うとおりジュースが溢れていた。


「うわああああぁぁぁああぁあああぁぁぁぁあぁぁっ!?」

「あーあー勿体無いなーお兄ちゃんー」


…めっちゃ溢れてんのに此処まで気づかなかった俺すげえ。別の意味で。


「しかも俺のオレンジ…。」

「ダジャレ言ってねえで拭くの手伝え幼児!!」

「ダジャレじゃねえよ!! あと幼児じゃねえっつってんだろ!!

 つーか嫌に決まってんだろ!! お前がやったんだからお前が拭けよ!!」


幼児の言葉に咲野と上皇サマも同意。

…初めてこの幼児の言ったことに従った気がする。


「お前が酒酒言うからこうなったんじゃねえのか!?」

「あぁ!? 人に責任押し付けんなタヌキ!!」

「誰がタヌキだって!?」

「ジュースで充分っつったからジュースにしたんじゃねえか!!」

「飲みてえっつった奴ぁ何処のどいつだぁ!? えぇ!?」


俺VS幼児の論争が始まる。どうも俺はこの幼児とは相性が悪いらしい。

この幼児…マジでイラつく…


「ま、まぁまぁ、やっちゃったものはしょうがないし…」

「そうだよ、自分で入れなかった僕らも悪いんだから…」


え?


「お前この二人に遠まわしに「てめえなんかに任せるんじゃなかった」って言われてるぞ」


…え?


「そうそう、大体お兄ちゃんに任せるなんてねー」

「僕学習したよ、自分で入れたほうがいいって」


…あれ?


「ほれ見ろ」


ぷちん。


「「「…え」」」






「てめえら全員表出ろおおぉぉぉおぉぉおおおぉッ!!」






その後三人が俺の悪口を明け方まで言い続けたのは言うまでも無い。

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