咲野の災難、後の祭り
※タイトルの割には咲野ちゃんあんま出ません
「あー暇…」
暇だからって何故俺を蹴る。
そして何故椅子にされなければならない。
…失礼。これだけ聞くと引くかもしれないが落ち着いて聞いてくれ。
俺は今何故か幼児のための椅子になっている。
理由は分からない。気づいたらこうなっていた。
決してSMに目覚めたわけじゃない。
まぁとにかく俺の話を聞いてくれ。
──
「はぁ? ベンキョー?」
幼児が目を丸くしていた。
あの顔は傑作だった。
「どうやって暇潰せば良いんだよー!!」
「いやあたしにそう言われても…」
咲野が戸惑っているのもまぁ分かるよ。
だってこいつ中三だぜ。受験生だぞ。
受験の辛さは高二の俺には良く分かる。
「まぁ邪魔しないでやってくれ。人生の分かれ道だからな」
「えー…」
ぷくー、という表現がいいんだろうか。
幼児は頬を膨らませてしょんぼりしながらすごすご部屋を出て寝ていた。
…寝ていた、はずだったんだ。
──
「…?」
そして、気づいた時は俺が寝ていたらしく、
何故か四つんばいになっていた。
重みを感じて、顔を横に向けると…
「…ちっ」
幼児が舌打ちした。
何故。何故されなければならない。
なんで俺が。
理由は「暇だから」。
あんまりな気がするんですけどー。
──
「…菅公はさ、学問の神様じゃん?」
「あぁ、そうだな」
「あの娘に加護は授けないのかい?」
「…ある程度いけばな」
「ある程度、ってどのくらいまで?」
「死ぬ気で頑張って、家にも引きこもるくらいに勉強して…
…まぁ、あの少女はもともと馬鹿じゃないからな」
「一夜漬けしろとか引きこもれとか言うのかい?」
「いや、そのつもりでやれと言うだけだ。実際にそうしたら内申が危ないだろうに」
「…ですよね」
「…ただ、世話にはなってるし、あの少女は元々馬鹿な奴ではないから、
少しだけなら授けることは出来るが…本来そういうのは自分の力でするものだからな…」
「…そういう、ことかな」
「ところであのチビと少年は何してるんだ」
「SMプレイでしょ」




