奈良の都のお騒がせコンビ、此処に参る
「どうする?」
「じゃあこうしようぜ」
「どうするのだ?」
「ストレートに…」
「ストレートに?」
「オハヨウゴザイマース!!」
「バカか!! それでうまくいくというのか!!」
「いかないと思うぞ、ネタにマジレスイクナイ」
「だあぁぁっ!! 」
「…でもさぁ、あいつらのことだしどうせこの人間が消えるまでいんじゃねーの?」
「…じゃあいなくなるまで待てと? 無理な話だ」
「あぁ、俺にも酷な話だぜ…」
「…しかし、これでは何時まで経っても…」
「じゃあ入るか」
「「オハヨウゴザイマース!!」で入るのか!? そんなの嫌過ぎる!! 某は嫌だぞ!!」
「俺がやるから良いんだよ、その辺にいとけ」
─
「1」
「2」
「3」
「4」
「5」
「ダウト」
「あーっ!!」
やぁ、俺だ。清く正しいことに定評のある雄也だ。
…見ての通り、俺らは今こんなものをしている。
幼児がさっきから当てまくって調子こいてるんだが、こいつどうしよう。
「なぁ幼児…お前エスパーなのか…?」
「んー?」
別にそんなんじゃないけど、と幼児が言ってくるけど、
俺の脳内では見事に嫌味に変換される。畜生憎いぜ。
「あ、お兄ちゃん」
「お?」
「外に誰かいる気がするんだけどー」
「…は?」
─
「しっ、バレたかもしれないぞ」
「んなこたねえよ…」
「しかし、あの人間達が…」
「あぁ、でも…」
「…よし、準備は良いか?」
「おう、それじゃあ叩くぞ」
「せーの…」
─
「…やっぱり誰かいる気がするんだけど」
「…強い力は感じるけどな」
「悪霊…ではなさそうだね」
皆口々に言うけど俺もう嫌な予感しかしない。
こいつらの仲間が来そうな感じがする。
この空気はする。きっと来る。いや絶対来る。100パー来る。
「…じゃ、じゃあ開けるぞ…?」
「早く開けてよ!!」
えっ。
「せーのっ!!」
「わぁっ!?」
「うぉっ!?」
なんかいる!!
「あの…どちら様で…」
「いや…別に、この三人を連れ戻しに…」
「えっ」
「やだー!!」
「もっと此処にいたいー!!」
反抗する3人。大人げ無さすぎワロス。
「我はまだ外に出たくない!!」
「俺だって此処気に入ってるんだぞ!!」
「僕もまだいたいよー!!」
「だあぁぁっ!! うっさい!!」
「ま、まぁまぁ落ち着けよ真備…」
ん?
真備?
「今…真備って…?」
「某か?」
「あ、あぁ、多分…」
「某が吉備真備だが質問はあるか?」
「えっ…」
的中した…だと…?
嘘だろ…真備って…マジで…
…ってことはこっちのは…?
「一応聞くけど…あんたは…?」
「あ? 俺? 藤原広嗣だけど?」
やっぱり…
…え
「うわああああああああああああああこれ増えるフラグかよおおおおおおおおおおおおおおおお」
「あー落ち着け? 俺らはこいつらを」
「「「住めっ!!」」」
えっ何勝手にそんなっ
「何でお前らが言うんだよ!!」
「「「気に入ってるからだ!!」」」
意味わかんねえ。
─
「…仕方が無い、そんなに帰りたくないのなら某らも此処にいよう」
「なんだかんだで楽しそうだしな」
「帰れよ!! 其処の三人も連れて!!」
「「え、嫌」」
連れ戻しに来たんじゃなかったのかよ。
「「気が変わった」」
ハモんな。
つーかツッコミどころが多すぎてツッコみきれないしまずどっからツッコめばいい。
「おおぉぉぉなんだこれ!!」
「あ、それトランp」
「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
広嗣と名乗った方がめっちゃテンション高いんですけど。
「五月蝿いぞ広嗣」
「うっせーな、だってこれ面白そうだし」
「…なぁ、これはどう使うんだ?」
「それはねー…」
上皇サマによるレクチャーが始まる。
慣れてきたな、現代に。
…つーか今更だけど、この二人あっさりと名乗ったよな?
なんか…怪しすぎるんだけどさ。
しかも三大怨霊の皆様が現代についてくるのが早い気がするんだけど。
タイトルでネタバレしてる気がするけどソンナノキニシナイ




