幼児捕獲、そして
「全くお前ときたら…なんつーことしとくれたんじゃボケ!!」
「反省してますっ!!」
嘘吐け。
この幼児は見てのとおり無事捕獲された。
捕獲するまでに何があったのかを少し話そうと思う。
──
「見つかんねえなぁ…あいつ」
「そうだねぇ」
見つかりそうな気配は確かに無い。
…って、
「何スタバでくつろいでんじゃボケ!!」
「え? だって見つからないし…」
「アホか!!」
だからってスタバ行くなよ。
「あのな…どうせ俺の金なんだろ?」
「そうだけど何で?」
自分の金で払え。
俺がどんだけバイトして貯めた金だと思ってやがる。
「だってお兄ちゃんみたいにバイトしてるわけじゃないしー」
だからって。
とにもかくにも、これで時間を無駄にしたわけだ。
「時間止めてよーくつろぎたいー」
「アホか!!」
どっかのキャラみたいに時が止められるわけじゃねえんだよちきしょう。
ザ・ワールドとか出来るわけねえだろバカ。
「いいから行くぞ!!」
「あっちょっと!!」
他の客から奇異の目で見られたけど気にしない。
─
結局、この幼児は道真公と上皇サマに連行されて来た訳だが。
「ったく、何処ほっつきやがったんだこの野郎…」
「御免なさい御免なさいすいませんでしたもうしません…」
意外としょんぼりしている。
それでもやっぱり反省し無さそうな気がするけど。
…まぁ、疑いすぎか。少しは信じてやろう。
「じゃあ本当にもう二度とこのようなことをしないなら貰いもんやるよ」
「マジで!?」
あかん。スイッチ入ったかもしれん。
「あ、あぁ…勿論…」
「分かったもう二度とやらないよお兄ちゃん!!」
これがおっさんだと思うと気色悪いが、
男の娘(笑)なだけまだマシな方だと思う。
「…出て行くときは服装変えて、出来るだけ首は見せないように」
「はい…」
─
「…こんなところにいやがったのか、あの三人組」
「あぁ…どうやらそのようだな」
「普通に人間住んでるじゃないか」
「まぁ、人間の家だからな…」
「…俺も入ってみてえな…」
「何を言っている、某らはこの三人組を連れ戻すために来たのだぞ」
「はいはい…分かってるって…」
「…どうやって、連れ戻すか、からだな…」




