表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/29

幼児脱走

…なんで、僕はこんな目にあっているんだろう。


「いんさまおしえてっ」


その顔やめてください。

…この子が男の娘(笑)なのが救いだ。これがおっさんだと思うと…ね…


「おねがいおしえてっ、ね…?」

「えー…」


絶対分かってくれなさそうなんですけど。しかも「ね…?」って何。


「教えてくれなきゃ…」

「教えてくれなきゃ?」

「教えてくれなきゃ…」


なんだろう。




「…この家丸ごと食ってやるから覚悟しろ愚民共」




何言ってるのこの子!? っていうか愚民共って…


「いやいやいやいや駄目だよ!? 分かった、分かりました!!

 喜んでお教えます!! お教えさせていただきますとも!!」


──


俺だ。清く正しいお兄ちゃん、雄也だ。

…まァ、経緯は省くが、お陰で厄介なことになった。

幼児は外に出てあちこち走り回っている。


そして、遂には目の前から消えてしまっていた。


「ほ、ほら…!! だから教えたくなかったんだよ!! 皆のバーカ!!」

「いや…流石に此処まで酷くなるとは我からしても予想外でな…」


だろうな。

流石に幼児とはいえ、此処まで悪い奴だとは誰も思わんだろう。


「急いで探そう!!」

「「「おー!!」」」


プロジェクト・Moritaの結成の瞬間である。

え? ダサい? 其処、うっさい。ダジャレ? そんなつもりは一切ない。


「僕らは空から見てくるね!」

「行ってらっしゃーい」


空へ消える道真公と上皇サマ。

見送る咲野。


「…俺らも一応探そうか」

「確かにじっとしてても…ね」


服装はそのまんまだから、案外見つけやすいだろう。

…それに、チビだし、パツキンだし。


と思ったが、案外そうでもないようだ。


──


「…ふー…」


脱走成功。


「見つかったら嫌だな…あー服装だけでも変えてくれば良かったな…」


服装がそのまんまっていうことがちょっと辛いかな。

…この格好だと歩きづらいだろうし。今でも周囲の目が痛いのに。

周囲の視線は俺の首に釘付けだよまったく。


「あー…」


失敗した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ