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一日の幸せ  作者: RYUNA
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夢の声

第5話「夢の声」


期待と不安を胸に新しい生活を送る竜華。

それと同時期に夢の中で不思議な声が頭に響いてきた…

「………ザメヨ……力…継ギ……者ヨ…」


なんだろう…何か聞こえる。

でもなんて言ってるんだろう…よく聞こえない……


「汝………竜…………主ナリ……」


竜?主?何のことなんだろう…理解できない…

上を見上げてみると黒と白の細長いモノが上空を飛び回っている。

だんだんとその動きは速くなり途端に私の方へ急降下してきた。

そして次の瞬間強い光が差し込み声は途絶え、不思議なモノも見えなくなっていた。



「なっ!!………夢…?」


光の強さに目が覚めるとそこはすっかり見慣れた私の部屋だった。

時計を見てみると時刻は午前7時。いつも起きている時間だ。

とりあえず体を起こし夢の内容を思い出してみる。

でも何1つ理解することができない…不思議なことだらけで頭の中は混乱していた。

その時自分の枕の横に何かを見つけた。


「なんだろう…これ…牙?」


私が見つけたのは5㎝ほどの長さの牙が付けられたネックレスだった。

コンコン…と軽く叩いてみると硬い音がした。すごく丈夫に出来ているのだろう。

でも寝る前はこんなモノなかったはずだ。なのにどうして…


「おーい竜華。朝ご飯だぞーー」


そうやって考えていると1階からお兄ちゃんが呼んでいるのに気づいた。

もう一度時計を見てみると7時10分。

そろそろ用意しないとヤバイかも…

とりあえず制服に着替えて鞄を持ち、私は1階へと階段を下りていった。


1階のリビングに入ると奥のテーブルでお兄ちゃんが朝食のホットケーキを並べていた。

鞄を隣のイスに置いて自分もイスに腰をかける。

そして向かい側にお兄ちゃんも座って一緒にいただきますを言う。

これが我が家の1日の始まりです。

でも朝食を食べてる時もどうしても夢の内容が気になって食欲が進まなかった。


「どうした?調子でも悪いのか?」


そんな私を気にしたのかお兄ちゃんが心配そうな顔で訪ねてくる。

その言葉に「別に大丈夫だよ」と言っておく。

それでも気になって仕方なかったので、思い切って言ってみることにした。


「今日ね…変な夢を見たんだ。声が聞こえて…なんか竜だの主だの…よく分からなかった…」


そこまで言うとお兄ちゃんがすこし驚いたような顔で私を見つめてくる。

もしかして何か知ってるのかな?

そしてしばらくしてお兄ちゃんが口を開いた。


「それはもしかしたらこの家の先祖が竜華に見せた夢じゃないかな…?」


この家の先祖?でもそんなのがどうして?

ますます理解できなくなった私を見て付け加えるようにお兄ちゃんがしゃべりだした。


「歴代のこの家に生まれた子供はみんな名前に「竜」の文字がついてるんだ。ほら?父さんの名前も「竜」の字が入ってたろ?それとばあちゃんにも。そして俺たちにも。この家に代々伝わるしきたりなんだと。だからこの家の先祖は竜だとずっと昔に父さんに言われたことがあるんだよ。」


へぇ…そんなことがこの家にあったんだ…知らなかった…

お兄ちゃんが言うには「竜ってことは私と先祖に関係があるかもしれない」と言うこと。

ていうかいつそんな話をお父さんから聞いてたんだろコイツ…

まぁ仕方ないよね…私はお父さんの顔も声もよく覚えてないし…

私のお父さんは私が4才くらいの頃に病気で死んじゃったんだ。

でもまぁお母さんとお兄ちゃんもいるから寂しくはないよ(お兄ちゃんはあまり好きじゃないけど)

そんな事を話している内に朝食も食べ終わり私たちは家を出た。

曲がり角でお兄ちゃんと別れて聖籠中学校へと歩き出す。



ふと鞄の中で牙が光っているのを竜華が気づくことはなかった…






第5話 「夢の声」でした。


というかいきなりの急展開!?これからどうなる(・ω・;;)

なんと大浦家には必ず子供の名前に「竜」の文字が入るという伝統が…

ちなみに竜華は「華やかな竜」

竜慈の方は「慈しみの竜」という意味があります。

お父さんの名前はじつはこの段階では未定なのです…

誰かお父さんの名前を考えてちょんまげーる!!

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