黄金の瞳を持つ少年
第11話「黄金の瞳を持つ少年」
無数の花が咲き乱れ、無数の光が飛び交う遥か底。
竜華がやってきたのは生を感じられない所だった。
そこで1人の少年と出会う。
--異界------
数々の族種の魂が集まる場所・・・
その魂は小さな光を放ちながら至る所に飛び交いそして消える。
消えた魂がどこへ向かうのか知っているのは消えた魂のみであろう・・・
「お迎えにあがりました。女帝」
そんな言葉を発した男ジェイクは竜華の前を歩いていた。
その背中を不可解に思いながらも彼の後を律儀に付いていく竜華。
2人は今、異界の淵に来ていた。
向かっている場所は『異界の守護者』と呼ばれている組織の所である。
「あの・・・1つだけ聞いて良いですか?」
「なんですか?女帝」
彼の後を付いていきながら竜華が質問をした。
彼女にはどうしても理解できないことがあった。
「なんで私のこと女帝って呼ぶんですか?」
「おやおや・・・何を聞くかと思えばそんな事ですか・・・」
やれやれといった調子でジェイクは竜華を振り返って足を止める。
対する竜華も足を止めて頭に?を浮かべてジェイクを見上げた。
昔から物に対する疑問点が他人とずれていると竜華は言われていた。
だが普通はそうなんだろう。
見知らぬ人から女帝と言われて不思議に思わないヤツなどいない。
思わないならその人はかなりのナルシストだろうと竜華は思っていた。
「率直に言ってたいした理由はありません。上位クラスの族種と契約を結んでいる人は少なからず異名で呼ばれてますからね。まぁ有名と言うことです。」
「へぇ~。じゃあジェイクさんも異名あるんですか?」
「えぇ。中位クラスですが契約数が多いですからね。疾風のジェイクと呼ばれています。」
疾風ねぇ~と竜華が指をあごに当てながら呟く。
そのまま歩きながら2人はいろいろな事を話した。
最初は族種に関する話だけだったが、いつの間にか日常の話も混じってきて笑いがこみ上げることもあった。
見た感じは嫌味臭いジェイクだが話しているうちに実はかなりおもしろい人と竜華は思うようになった。
彼女の肩掛け鞄の中では彼らを見て微笑むハクと、気に入らなさそうに周りの景色を見ているクロエ。
まるで2人の様子は「仲の良い執事とお嬢様」みたいな感じだった。
10分ほどして付いた場所は対して何もない花畑が広がっている場所だった。
「うわぁ~・・・」
その美しい光景に竜華は息を呑んだ。
周りには小さなホタルにも似た光の粒が飛び交い、花に付着しては離れるという行動を繰り返している。
そのわずかな光に照らし出される紫の花は正に異界の象徴のように思えた。
そんな景色をジェイクが進んでゆく。
そして彼の先には1人の少年がこちらを見ていた。
「お待たせしました。赤亞」
「別に待ってなんかねぇよ・・・」
そうやって返事を返したのは妙に尖った髪の少年だった。
身長はちょうど優輝とおなじくらいで燃えるような黄金の瞳が竜華たちを捕らえている。
彼の瞳に竜華は不思議な感覚を覚えた。
見ているとなんだか引き込まれるような引力を感じるのだ。
「紹介します。五十嵐赤亞。『異界の守護者』の一員です。確かあなたと同い年だったはずです。それでは私は少しばかり用があるので席を外れます。すぐに戻ってきますからそこで待っててください。」
そう言うなり来た道を戻り始めるジェイク。
しばらくするとその後ろ姿は完全に見えなくなっていた。
いきなり赤亞という少年と2人きりになってしまい竜華はどうすればいいか焦っていた。
一見すると見た目も良い赤亞だが、どこか近寄りがたい雰囲気を漂わせている。
彼はジェイクの姿が見えなくなった後、ずっと竜華を見ているのだ。
引き込まれるような瞳のせいで竜華はカチコチに緊張して声が出せないでいる。
「お前が女帝か・・・」
「え・・・あ・・・はい・・・」
「ふ~ん、まぁ・・・よろしく」
それだけ言って赤亞はそのまま花畑に座り込む。
そして視線で竜華に「お前も座れ」とうながした。
竜華も赤亞の言いたいことが分かり、彼の隣に腰を下ろす。
体育座りのままで側に咲いている花の光をぼ~ぅと眺めた。
「お前は何のために力を使いたい?」
視線を前に向けたまま赤亞が問いかける。
その表情は実に複雑で何か思い詰めることがあるようだ。
それが何かは竜華には分からないが、答えは決まっていた。
「私は守るために力を使いたい。族種を助けるために私は契約をしたんだけど、その後で助けるだけじゃなくて守りたいって思ったの・・・」
「守るためか・・・守るためには自分の手を汚さなきいけないときもある。それでもお前は守り続けれるか?」
「やるよ・・・確かにちょっと怖いけどそれでみんなが助かる・・・守られるなら私は何だってやれる覚悟くらい持てるよ」
「………………なるほど…悪くないな…」
「えっ」と竜華が振り向くと赤亞は立って手をさしのべた。
戸惑いながらもその手を竜華は握って立ち上がる。
自分より少し高い位置にある少年の顔を緊張が混じった表情で見上げる。
「お前とは良い感じにやっていけそうだ」
そういって赤亞はニヤッと不適に笑った。
そのとき竜華はさきほどとは違う輝きを持った黄金の瞳にまたも吸い込まれそうになった。
実は言うと竜華も同じ瞳の色をしているのだが彼女は自分と赤亞の持つ輝きは全く別の物だと思っていた。
どうやったって彼のような意志の強い輝きは手に入らないと分かった。
まるで何もかもを悟っているような彼の表情、瞳。
彼なら大丈夫だと思った。
だから竜華は笑って答えた。
「これからもよろしくね」
第11話「黄金の瞳を持つ少年」でした。
更新が…orz すいません。
1ヶ月近く更新してませんでしたね…
ていうか早くもネタ切れ気味…あ!新キャラは考えてるよ!
2人だけね…あとラスボスも考えました←えー
ラストあたり自分でも意味不明です。
どうやったら大丈夫だって思うのかな…
あ、お人好しなのか!!」