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一日の幸せ  作者: RYUNA
10/19

忍び寄る裏の影

第10話「忍び寄る裏の影」


学校に入った不可解な放送。

校舎裏にたおれている傷だらけの個体・・・

竜華のとりまく世界が変わる。

あれから契約をして早1週間。

これといって何事もなく族種の気配を探索しながら私たちは生活していた。

学校生活の方もそろそろ慣れてきて結構順調だ。

このまま何事もなく全てが終わっちゃったりなんかして・・・


「そんなわけないだろう」


「わぁ!!」


心の中で言っていたつもりなのに声に出ちゃってたみたい・・・

すごくビックリしてしまった。実は言うとビックリしてしまうとすごく恥ずかしくなる。

私は顔に熱が帯びるのを感じていた。


「まぁ、それが1番平和的で良いんですけどね」


「俺は早く戦いたい気もするんだが・・・」


いま思ってみるとホントにこの2匹って双竜の癖に性格が正反対だよね。

その点を指摘するとクロエから「お前だって兄ちゃんと髪の色も性格も違わないか?」と返された。

確かに私の髪は桃色でお兄ちゃんは藍色だけど兄妹だから普通じゃない?

双子だったら基本的に髪の色は同じだろうし性格も結構似た感じだと思うよ。

小学校の頃に同級生に双子がいたけど2人共おなじような性格だったけど・・・

そんなことをしながら準備をして私は家を出た。




「じゃあ3時になったら屋上でね」


「了解だ!!」  「了解しました」




「このように、植物にはめしべとおしべがあり・・・」


理科担当の野田先生の説明が延々と続いている。

黒板には赤、青、緑、黄などのチョークで鮮やかな花が描かれていた。

それをきれいにノートに写しながら先生の話に耳を傾ける。

野田先生は私たち1年生の学年主任。顔は少し怖いけど本当はすごく優しい人なんだ。

そうしていると1本の放送が入った。


『連絡します。校内にイノシシが入ってきました。授業を中断し、すみやかに下校をお願いします。繰り替えします・・・』


すごく不可解な内容だった。

こんな町中に(田舎だけど)イノシシなんかが入ってくるはずがない。

クラスの生徒達も少し困惑しているようだ。


「静かに!挨拶はなしです。早く鞄の用意をして下校しなさい」


野田先生がそう告げて教室を出て行った。



「竜華!この辺りで族種の気配がします!」


鞄の用意をして私が真っ先に向かったのは校舎裏の庭。

イノシシが発見された場所だ。

本来なら立ち入り禁止になっているはずだが、警察がまだ来ていないためこっそりと入ってきた。

ハクの言うとおりこの辺はすごく変な感じがする。なんか空気が違うみたいな・・・

おそらくはとうとう本格的に私は狙われ始めたらしい。

そのイノシシがぶつかっていった場所は私のクラスがある校舎なのだから・・・


「明日からもっと周りに注意を配らなきゃいけないね・・・」


そう呟くと2匹は明日からは常に側にいると言ってくれた。

授業中は常に私の校舎の辺りに付いてくれるという。

最後に駆けつけた警察につかまったイノシシの様子を見て帰路についた。



その後竜華はそのまま家には帰らず、家の裏側にある誰も近づかない小さな草原に来ていた。

誰も近づかないのは単純に何もないため。遊具の1つもこの場所にはない。

目の前は少し急な崖になっておりたくさんの車が車道を通っていた。


「こんな場所があるんだな・・・」


「うん、私のお気に入りの場所なんだ・・・」


さわやかな風が通り抜けて草が音を立てて揺れ動く。

だが今日は何かがいつもと違った。かすかな違和感を竜華は感じていたのだ。

草原の揺れ動く音がいつもと違う気がした。

いつもは穏やかなのに今日はざわめくような感じだ。

そして・・・その予想は見事に的中した。


「私の気配を感じ取りましたか・・・うーん侮れませんねぇ」


背後から何者かの声。何かおちゃらけているような声だ。

おどろいた竜華が後ろを振り返ると髪の長い男が立っていた。その側には小さな鳥もいる。


「あれは・・・鳥族!!族種だ!!」


「っ!!」


クロエが族種と確認すると竜華は虚をつかれたように相手を見やる。

そして相手はそんな竜華を目を細めて見ている。

竜華の頭に衝撃が走った。


---この人は・・・敵!?---


その考えにたどり着くと竜華は1歩後退して男をキッとにらみ付けた。

対する男はその竜華の反応を見るや1つため息をついた。


「落ち着いて、私は敵ではありません。あなたを保護しに来たんです」


「・・・!?」


竜華はその言葉を聞いた途端に訝しげに眉を寄せた。

相手の声音に敵意のようなものは一切感じられない。ならば一体どういうことなのだろうか。


「おい、そこのニーサン。そりゃどういう事だ?」


まるで竜華の心の声が聞こえたのかクロエが相手をにらみつけながらそう言った。

殺気立っているせいか背中のタテガミがピンと張っている。

そして男は口を開いた。


「あなた方は今や違法契約者にとって最高のえさです。命が狙われる危険もある。私はあなたの命を守るようにと竜族の長に言われて来ました」


男はそう告げて竜華を見据えた。

竜族と言うとハクやクロエのこと。それの長と言うことは竜族の頭なのだろうか。


「君はいったい・・・何者?」




「私は、ジェイク。 異界からあなたをお迎えに上がりました。女帝クイーン




第10話「忍び寄る裏の影」でした。


ずいぶんと更新が遅くなりました・・・

最近部活やらバンドやらで忙しいです。

次の更新も不定期になります。おそらくは・・・


なんかストーリーがぐだぐだになってきております。

外国人みたいな名前の人出てきたし・・・

今までは竜華視点を意識して書いてましたが、これからは第3者視点?っていうのかな?

そんな感じでやっていきたいと思います。


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