分布は相関を導き原因となり得る(神の視座)
似通った分布からは似通った結果が導かれます。
因果関係は出ないし、統計解析を行うと表面的には相関関係のみが検出されることが多いですが、実は分布が結果の主原因になっているもの(分布が間接的な因果的背景として機能している)があります。
例えば、収斂進化では異なる進化系統の生物が、同じ環境分布の下で類似の形態や機能を獲得します。これは直接的な因果関係ではなく、各系統の確率的な分布が共通の閾値を超えることで形作られる結果だと言えます。
なぜそういうことがおこるかというと確率が分布によって成り立つからです。
そもそも、確率や統計学の手法は、ある種の類似した分布に依拠しています。
解析上、直接的な因果関係が検出されない理由のひとつとしては、システムが持つ閾値が挙げられます。同様の結果を得るためには、分布がある特定の閾値を超えなければならないのです。
遺伝病もそうです。
環境と遺伝子によって成り立つなんて言説がありますよね。あれは遺伝病が分布(環境と因子)に依存するという意味です。
ぼくが、「二元論思考の分布がいじめやマウントの原因になる」というのもそういう文脈で言ってます。二元論思考の分布が、いじめやマウントの背景要因となる。個々の因果関係を超えて、分布が行動パターンを形作る。
因果関係にかかわらず、分布が主原因になるのです。
こんな事情で、ぼくのメタシステム思考(神の視座)では分布を重視しています。