私のアオハルメモリー!
4月。
桜が舞い散り、知らない人達と会う。
「あなたは中学校に入学した。」
新しい学校の紫虹中学校にそう言われたような気がするほど真新しいスクールバッグ、自転車、制服、他にもたくさんのものが私の周りにある。
新しい名札には「青川優乃」と光り輝きながら制服に絡むように付いている。
中学校でしたいことは山ほどあり、その1つが「吹奏楽部に入る 」事だった。
私は自分は才能がないといつもまず考え、何事も諦めていた。
新しい中学校生活でネガティブにならないようにと自分で自分に言い聞かせながら教室に入った。
入学式を終え、ついには4月の下旬だ。
未だに新しいことばかりで頭が追いつかなく事がある。入学から5日後の新入生テストでは五教科で290点でもう少しで300点台だったのにとガッカリする始末…。
「おはよー、優乃!」
急に声をかけられて体がビクッとする。
「お、おはよう!」
「なんでビックリしてんの!て言うか昨日の作文終わった?」
「ううん、まだ」
話しかけてきた雲花は隣の席になった以来、登下校や休み時間に話しかけてくれる。私と違いたくさん友達がいて、コミュ力が高め。
「作文なんて書くことないよー…」
そんなことを話しながら教室に入ると騒がしい男子が走り回って、女子は男子にイライラしながらも話し続ける。
そんな毎日が続いている。
6限目の授業も終わり、ホームルームを終え下校。
帰りは雲花がいつも一緒に帰ろうと言い、一緒に帰るが、今日は友達と話し込んでいる様子。
仕方なく1人で帰ることにした。
帰りに何人かが
「ばいばーい」
と、話しかけてくれたが、挙動不審になり
「え!? あ、バイバイ!」
みたいな感じの挨拶になってしまった。
駐輪場へ行き、まだ新しい自転車を押しながら急斜面な坂を降りる。
学校は山の方にあり、降りてくる時はブレーキをかけていたら平気だが登ってくる時は息を切らせながら登る。たとえ下るだけであっても自転車をこかしそうになる。
無事に坂を下り終え、
そこから自転車で15分位の家に帰る。
家に帰りながら、吹奏楽部に入ったら何の楽器にするか妄想を膨らませる。