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episode Ⅴ~8

そのランチ以降、あいつの態度は以前に逆戻りだった、いやそれ以上に僕に対する態度はあからさまに変わった。

ともかく、オフィスでの対応も、勿論ランチに誘ってもそっけない態度だ。

まったく あいつの行動や思考パターンがまったく読めない。

一体オレが何したって言うんだよ・・・。

そんなある木曜日の夕方だった。

「ねぇ、レイジくん 今夜みんなで飲みに行こうと思ってるんだけど・・・どう?」

桐山が誘ってきた。 社内の10名ほどで飲みに行こうという。

「今夜かぁ・・・部長とのミーティングがこの後だから、

 何時から? 少し遅れて構わないならいいよ、最近ストレスも溜まってるしな」

ふと その瞬間彼女のことが気になり 彼女も来るのかどうか聞こうかとも思ったが、止めた。

「じゃぁ ミーティング終了後合流ね。

 みんな先に行ってるから。

 場所はほら、いつものあの有楽町のガード下の“ たぬき ”って居酒屋さんね。

 今田バイヤーや中村さんも参加だからさ」

「今田も来んの?・・・あいつ マーチャンダイジング・チームだぜ?

 他のチームなのに・・・」

「そんなこと言ったら 中村さんだって違うチームじゃん。

 それに今田バイヤーはレイジくんの同期だし 親友でしょ?

 飲み会の盛り上げ役って言ったら 今田バイヤーは居ないとね」

「まぁ・・・いいか。

 ところで桐山さぁ・・・そのぉ・・・古谷も来んの・・・?」

何 聞いてんだ・・・オレ・・・。

「・・・奈緒は来ないよ。

 既婚者だし 旦那さんの食事の支度だってあるでしょうし・・・」

「そっか・・・」



って・・・。

なんであいつが居て 酒飲んでんの!?

僕は予定よりかなり遅れて20時頃 ガード下の飲み屋の“ たぬき ”へと着いた。

おつかれ~~ というみんなの声の中に彼女がいた。

桐山の奴・・・さてはあいつが参加してること 知ってたな。

「遅かったじゃねぇか・・・お前 ビールで良いよな?」 

今田の問いかけとほぼ同時にすでに桐山がジョッキを注文し、僕は桐山の席の隣に呼ばれた。

「リーダー!こっちこっち!」

「お前さぁ こんな時と 仕事でピンチの時だけオレをリーダー呼ばりだもんなぁ・・・」

僕の席は桐山とあいつの席の間に決められていた。

最悪だ。

「まぁまぁ いいじゃんいいじゃん、 飲もう!」

さすがにもう6月も終わりに近づき 夜でも相当気温が高い日が続いていた。 ガード下のその店の路上に放り出されたテーブルの上で飲んでいても汗が滴り落ちてくる。 しかしそれがまたお酒を美味くさせているのだろうか。 もうほどほどにみんなは酒も廻っているようだった。

「お疲れ様」

そう声をかけてきたのあいつのほうからだった。

「ああ・・・おつかれ。

 お前・・・大丈夫なのかよ? 既婚者だろ?

 こんなとこで飲んでていいわけ?」

「え? なにが??

 電車の音がうるさくてよく聞こえなかったよ」

「お前、既婚者なんだろ? 旦那さんには飲み会に参加するって連絡入れたのかよ?」

「ああ・・そのことね。 大丈夫。

 後で啓吾も銀座で飲んでるって言ってたし。

 あとでサブウェイの銀座で待ち合わせてるから一緒に帰るよ。

 だから23時頃には退散するから」

「そっか・・・」

それがこの店で彼女と交わした言葉の全部となった。程なく飲み会の席は さすが場の盛り上げ役を常に買って出る今田の独壇場となり21時を廻った頃だった。

「よ~し!  じゃぁ 次はさらに場の盛り上がるカラオケ行こうぜ!」

の今田の一言で僕らは場所を変える羽目になった。

「久しぶりにレイジくんの歌が聞けるかな?」 と桐山。

「リーダー、歌ってくださいよ~」、「藤田 頼むぜ」

飲み会に参加しているほかの連中までもがカラオケ案に便乗しだした。

まったく いつもこうだ。 僕がミュージシャンだった という過去がある以上、時々こうして皆で飲みに出かけては最後はカラオケだ。 仕方なしにカラオケに向かう。

僕の過去発表した歌のカラオケもあるが、僕は皆とこうしてカラオケに向かう時には決まって自分の歌は歌わない、歌うのはいつも洋楽か今流行のミュージシャンの曲ばかりだった。

そんなこんなでカラオケに着くと 早速皆が思い思いに歌を入力し歌うもの、酒を飲むもの、話に夢中になるもので場は更に盛り上がっている。

この場所でもまた僕の左手には彼女が座った。 実はこの時になって僕はやっと気付いた。 今日のこの飲み会は桐山が主導となっていて、どうも僕とあいつを近づけるために企画されているものだということに。 いや、桐山だけではない。 最近僕とあいつの関係が以前よりさらに悪化していることに気遣って参加の皆が 中村ねぇさんまでもが加わっての いわば二人の関係改善のための飲み会だったということに。

参加している連中は思い思いに皆が歌い、お酒を飲んでいる時だった。 

彼女が何か話しかけてきた。 騒がしくてよく聞こえない。

「え? なに??」 僕が耳を寄せる

「レイも歌ってよ。

 あたし レイの歌聴いたこと無いんだからさ」

「やだよ、それにカラオケなんかで真剣になんか歌わねぇし・・・。

 みんなの歌 聞いてればいいじゃんか。

 オレの歌聴きたかったら CDでも探せばいいだろ?」

いきなりあいつに頭を叩かれた。

「痛ってぇ! お前 何なんだよ!? もう酔ってんのか?

 あとで旦那迎えに来るんだろうが!!」

部屋の中が薄暗くてよく確認できないが、どうもあいつは酔っているようだった。

桐山と馬鹿騒ぎしながら 笑い上戸なのか いつもの数倍大きな声で話し口をデカく明けて笑っている。

「いいから 歌え! 藤田レイジ!」

そんな二人にやり取りを見て今田が勝手にカラオケの選曲に入る。

「まぁまぁ お二人さん、飲みの席で揉めない揉めない。

 いいじゃんか、レイジ たまには歌えよ」

仕方なく僕は歌うことになり、曲の選曲は今田が勝手に曲を選んだ。

「ほらほらみんな! レイジが歌うぞ!

 聞き逃したらこいつのことだから あと半世紀はこいつの歌聞けないからなぁ!!」

なんとも大げさな今田の紹介だ。

『馬鹿、歌聴けねぇって・・・ライブだってオレはやってんだろうが・・・』

その時だ。

あいつが僕の耳元で小声で呟いてきた。

「ちゃんと歌って、あたしのためにさ」

??

なんなんだよ ホント こいつは・・・。

曲のイントロが流れる。 今田が選曲したのは 邦楽の人気グループのバラードだった。

そのピアノのイントロが流れ出したとたん それまで騒ぎ続けていた皆が静まる。

『まったく・・・よりによってなんでバラードなんだよ・・・』

それは “ 消えない虹 ”という歌だった。


ふと歌いながら、横に座るあいつに目をやる。

シートにひざを抱えるようにして座っている、その横顔を見た。

綺麗だった。 いつものように長い髪を後ろに束ねたその細い首筋。

彼女の香り。 僕は年甲斐も無くドキドキしていた。

そして・・・普段はあまり見せることの無い、あの試写会の時に出会った優しげな表情。

それ以上に今の彼女の、その澄んだ瞳が僕を釘付けにした。 何かを思っているのだろうその瞳がときに悲しく、優しく何かを語っているようだった。

僕が歌うその歌の先に こいつは今 何を見ているのだろう・・・。

ヤバイ・・・。 やはりオレはこいつのことを・・・。

ふと歌いながら、その歌に、こいつへの想いが募った。


そして静かに曲が終わる。

歌い終わっても部屋の中は静かだった。

「はい、おしまい。

 おいおい・・・みんなどうしたの?

 カラオケだぜ!? さぁ また盛り上がろうぜ」

そういって僕はマイクを置き ビールを飲み干した。

いきなりみんなが拍手をする。 今度はうるさいくらいに騒ぎ出す。

今田が

「レイジ! お前 やっぱ 凄ぇよ!! 

 お前 なんでこんなとこで働いてんだ!?」

それからしばらくはみんなから やれ 感動した だの、やっぱり元歌手だけあって凄い! だの、いろんな感想をもらった。 みんな 騒ぎすぎだ、たかだかカラオケで。

横に座っていたあいつが、その騒がしさの中、また僕の耳元で話しかける。

「レイの歌 凄いね。

 感動しちゃった。 

 実はレイ、あたしのために歌ってくれたでしょ? ね? そうでしょ??」

少し 小悪魔的な笑みを浮かべながら微笑みながらわざと僕から視線をそらしそう呟く。

「ば~か・・・そんなんじゃねぇよ。 普通に歌っただけだ」

「へぇ~、

 てっきり隣に座っている綺麗なあたしに向けて歌ってくれてると思ってたのなぁ。

 でも ありがと。 レイの歌“ また ”聴けて 嬉しかったよ」

その言葉の “ また ” という部分が少し気になった。

「おい、お前・・・“ また ”ってなんだよ?

 お前の前じゃ初めてだろ? カラオケも歌うのも・・・」

「あ、ううん なんでもない。 気にしないで」

それ以降 またあいつは桐山や他のメンバーと話に夢中になっていた。

ほんのりと酔っているだろう彼女の 少しだけ赤く染まった頬、僕の目は他には悟られぬようずっとあいつを追っていた。 結局この日あいつは終始僕の隣に座っていた。




「じゃぁ お疲れさん!! 

 みんなもう23時になろうとしてるし、電車の時間の関係もあるから

 今日はここまでな! みんな帰りましょう!」

今田のその掛け声でやっとカラオケから解放だ。 数寄屋橋の交差点まで皆で移動し、「お疲れさん!」の挨拶を交わし適当に散らばる。

僕は歩いて勝どきまで帰ることにした。 そんな中 桐山と彼女が何か話している。 

その後あいつひとりが地下鉄のほうへと歩を進めた。

「レイジくん・・・」

交差点の信号が変わるのを待つ僕のそばに桐山がひとり寄ってくる。

「お疲れさん。 ところでお前さぁ、あいつが来るって最初から知ってたな」

「まぁね・・・。 ごめんね内緒にしてて。

 ねぇ ところでさ 奈緒 

 丸の内線の改札前で旦那さんと待ち合わせで一緒に帰る予定なんだって。

 でも旦那さんが遅れるみたいで・・・終電ギリギリまで待つみたいだよ。 

 あたしは終電の関係でもう電車に乗らなきゃいけないんだけど・・・。

 奈緒 一人で大丈夫かなぁ・・・」

「だからなんだよ・・・」

「ううん、あんな綺麗な娘がひとりなんて、変な奴とかに声かけられてなきゃいいけどね」

「知るかよ・・・ここは銀座だし、そんな変な奴なんかいねぇよ。

 それに、どっかコーヒーショップにでも入って時間潰してたらいいんじゃねぇの?

 どうせ旦那が来るまであと30分くらいだろ?」

「あ・・・ヤバッ・・・あたし もう電車なくなっちゃう・・・じゃぁね!

 奈緒 よろしくね」

そう言い残し 有楽町の駅へと桐山は駆け出していった。

「おい! オレは関係ねぇからなぁ!! オレも帰るぞ!」




「お嬢さん・・・コーヒーでもいかが?」

僕は缶コーヒーを買った。 ひとつは僕自身のための、もうひとつは・・・。

仕方なく僕はあいつの様子を伺いに丸の内線の改札前に戻った。

驚かすつもりなど無く優しく後ろから声をかけたつもりなのに かなり驚いてこちらを向く彼女。 その驚きぶりはまるで迷子になった女の子が突然大人に声をかけられて怯えているような そんな驚きぶりだ。

「どうしたの? レイ?・・・」

「別に・・・オレ 勝どきってとこに住んでるからさぁ、

 電車なんか関係なく銀座からだったら歩いていける距離でね。 

 桐山がお前が一人で旦那と待ち合わせしてるって言って帰ってったから、

 大丈夫かなぁ なんてね」

「そうなんだぁ・・・静香が・・・。 ありがとう」

笑顔の彼女、その瞳が優しい。

「それより旦那さんはもうすぐ来るんだろ?」

「うん、少し遅れてるけど もうすぐ来るってさっきメールあったから」

「なら大丈夫だな・・・缶コーヒー飲んでたらすぐだ。 じゃぁな」

僕は彼女にコーヒーを渡し 歩き出した。

「待って・・・レイ!」

彼女が何か言いたげにこちらを見ている。

「なんだよ・・・旦那さんもうじき来るんだろ?

 だったら あんまりオレと というか男と話しているのも良くないと思うぜ・・・」

「あのね・・・あのねレイ・・・

 あたしね・・・ニューヨークでね・・・」

電車が駅に着いたのだろう。 地下鉄のコンソールの中をアナウンスが流れる。

その音と雑踏に彼女の声が聞き取れない。

「え?? なに?? 聞こえないよ・・・」

ふたりの間を 大勢の人が通り過ぎる。 改札の抜け 降りていく人 昇ってくる人。

「あたしね・・・ニューヨークで・・・」

と その時だった。

「ごめん・・・奈緒・・・待った?」

スーツを着た いかにもエリートサラリーマンという風な男性が改札を抜けて彼女に駆け寄ってくる。

「啓吾・・・」

品があって 仕事はやり手のような印象、俳優みたいなカッコいい男。 これが・・・彼女の旦那か、何の仕事をしている人だったっけ・・・確か 有名一流商社の役職者って桐山が言ってたっけ。

「ううん、今 みんなと別れたばかりだし。

 啓吾が来るまでってみんな待っててくれたんだけど・・・みんなは先に帰って・・・。

 あ、こちら あたしの上司の藤田リーダー。

 リーダーは明日の仕事の話でたまたま残って 仕事の話をしてたの」

その男性が僕を、そして 二人が手に持っていた缶コーヒーを見る。 少しだけ怪訝そうな顔。

「・・・あなたが・・・藤田 さん・・・?」

「どうも・・・いつも奥さんにはお世話になっています」

その会話の一瞬だが なにか敵意を感じる目を向けられた。 なんでオレが睨まれなきゃいけないんだ?

「あ・・・いえいえ こちらこそ いつも奈緒がお世話になって」

なんとなく僕もバツが悪くなり、早くこの場を立ち去りたいと思った。  

「さぁ 奈緒・・・行こうか。

 新宿での都営線の最終に間に合わなくなってしまうよ。

 藤田さん すみません、僕らは終電の時間がありますから これで失礼しますね」

軽く会釈をして 彼女の手を握り改札のほうへと向かう。

「あ・・・じゃぁ また明日・・・」 と彼女。

結局缶コーヒーは持ったままだった。 

結局旦那さんが現れる前に何か言いかけたその内容も聞けないままだった。

まぁ いいさ・・・。

僕は一度入った地下鉄のコンソールを抜け また地上に出た。

築地を通り、隅田川を眺めながら、昼の暑さも和らいだ涼しい夜風を感じて歩いた。



シャワーから出ようとしていたその時だった。

リビングの上で携帯がなっている。

時刻は午前2時に近かった。 誰だ? こんな時間に。

携帯を開き、そのディスプレイには・・・“ 古谷 奈緒 ”。

こんな時間・・・しかも既婚者から。 おいおい・・・大丈夫かよ。

「もしもし・・・」

「ごめん・・・こんな時間に・・・」

「驚いたよ・・・どうした? こんな時間に」

「今ね 旦那がシャワー浴びてるの・・・

 でね・・・どうしても言いたくて・・・」

慌てている様子がその電話越しの声からも伝わってきた。

「なに? 仕事のこと?」

「ううん・・」

冷蔵庫を開ける。 冷えたミネラルウォーターを取り出しグラスに注ぐ。

「あのね・・・歌・・・と、帰りのコーヒー ありがとう・・・」

「そんなことかよ・・・いいよ 別にお前にだけ歌ったんじゃねぇし

 ましてや 帰りのコーヒーなんか。 会社でも言えることだろ?」

「ううん レイの歌が聴けて あたしね 本当に嬉しかったの・・・

 それに・・・もう今日は 会えないと思ってたのに 改札で会えて嬉しかったから」

驚いた。 会えないと思っていたのに会えた、それが嬉しいと 今彼女は言った。

僕は何も言えなくなった。

「でね・・・レイ・・・あたしね・・・」

彼女の電話での声。 そしてその声の表情・・・初めて聞く彼女のその優しげな声が僕の想いを更に加速させていく。 普段の突っかかってくるトゲトゲしさもない・・・優しい声。

旦那さんがシャワーを浴びているというのに あえてそのリスクを承知で今僕に電話を掛けている。 そしてこの携帯で話すこの時間が短いものだと思えば思うほど 僕は今すぐに彼女に何か伝えたくなった。

「そんなことより オレのほうが楽しかったよ今日。

 あのさ・・こんなことオレが言っていいのか わからないけど・・・」

電話越しの・・・沈黙。 

今しか言えない、今しか自分の気持ちを素直に言うチャンスはない。 そう感じた。

昔 結衣に 告げたい時に告げずに、言いたい時に素直に言えずに後悔し 飲み込んでしまった言葉達。 彼女がこの世から消えた時 僕は自分を責めた。 そして後悔した。

『あの時 もっと話しておけばよかった』 と。

『あの時 伝えて置けばよかった』 と。

ふとあの当時を思い出した。 後悔だけはしたくない。

「オレ・・・お前のこと 好きかも知れない、気になってるんだ」

自分の口からその言葉を発した僕は、我に帰ると自分を責めた。

「ごめん!・・・オレ何言ってんだ??

 気にしないでいいよ・・・お前が既婚者なのに・・・」

電話越しに・・・彼女を呼ぶ男の声が遠くで聞こえている。 旦那さんだろう。

長い沈黙が続く。 そして・・・彼女は ひとつ 吐息を吐き話し始めた。

「レイ・・・あたしも・・・好き・・・」

? まさか・・・。

「ごめん 旦那がもうじきシャワーから出てくるから・・・電話切るね

 レイ・・・夢みたい・・・ありがと・・・あたしも大好きだよ レイのこと。

 今日 歌を聞いたことや、帰りのことで 

 あたし自身 もう自分の気持ちに嘘をつけないの。

 だから・・・これだけ伝えたくて、・・・ずっと好きだったから。

 おやすみ・・・」

「あ・・・ちょっ・・・」

電話が切れた。

なんだったんだ・・・今の電話。

完全に放心状態だった。


オレは一体なんであんなこと 話しちゃったんだ・・・既婚者の女性に。

後悔をした。 しかし彼女は・・・。

あの電話はなんだったんだ・・・。

オレが自分の気持ちを話してしまったからか。 既婚者に対して決して言うべきではない言葉をオレが言ってしまったからか。 それとも・・・彼女が言ったように、彼女はオレを想ってくれていたというのか・・・。

その日 僕は結局眠れなかった。


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