第6章 冒険者とランク
冒険者とは、都市外で魔物や動物の狩猟、植物の採集をする存在である。彼らは市民権を持たないことがほとんどで、各都市を渡り歩きながら生活している。一部の専属冒険者の中には市民権を持ち、1つの都市に留まる者もいる。
1都市における冒険者の割合は平均5~6割ほどであり、納税義務を持たない代わりに長期間同じ都市に留まるには滞在許可証が必要である場合が多い。
冒険者にはクラスとランク制度があり、クラスは過去1年間の貢献度と達成率で決定する。ランクは最低ランクであるFから始まり、累計貢献度や昇格試験によって昇格する。貢献度を数値化する者としてQPと呼ばれるものがあり、クエスト達成時に報酬とともにQPが加算される。基本的に高難度・高ランクのクエストほど報酬やQPは高くなる傾向がある。
クラス計算早見表
クラス値=(過去一年間で取得したQP)×(依頼達成率)
クラスⅠ…QP1000以上
クラスⅡ…QP800~999
クラスⅢ…QP600~899
クラスⅣ…QP400~599
クラスⅤ…QP399以下
ランク昇格条件と主な依頼内容
ランクF 昇格条件:なし
簡単な薬草採集や草食動物の狩猟、街中での雑務など
・平均QP1~3
ランクE 昇格条件:累計QP50以上
肉食動物や弱い魔物の討伐など
・平均QP3~5
ランクD 昇格条件:累計QP250以上かつ昇格試験達成
一般的な魔物の討伐、商人の護衛など
・平均QP5~10
ランクC 昇格条件:累計QP1000以上かつギルド長の認定
一般的な魔物の討伐、魔物の巣の破壊など
・平均QP10~20
ランクB 昇格条件:累計QP5000以上かつ昇格試験合格、ギルド長の認定
上位魔物の討伐、要人の護衛など
・平均QP20~30
ランクA 昇格条件:累計QP10000以上かつ複数ギルドからの認定
上位魔物の討伐、上位魔物の巣の破壊など
・平均QP30~
ランクS 昇格条件:各国主要ギルドからの認定
災厄級魔物の討伐など
・平均QP100~
クラス及びランクが高い冒険者には「指名依頼」というものが来る場合がある。指名依頼の報酬及びQPは平均の2倍程度になるケースが多い。また、理由がない限りクラスⅣ以下の状態が3年以上続いた場合、冒険者資格は失効となりランクも最低値のFに戻される。
<冒険者引退・復職制度>
病気や怪我、女性冒険者の妊娠などにより冒険者活動の継続が困難である場合、冒険者引退手続きを行えば、今までの冒険者活動が記録される。これにより、本来冒険者資格が失効する3年以上活動を休止することができ、冒険者カードを身分証として利用することもできる。
冒険者引退後、再び冒険者として活動をしたい場合、冒険者引退手続きを行ったギルドで復職手続きを行えば、再び冒険者として活動を再開できる。ただし3年以上引退していた場合、ランクは1段階降格される(この場合、元のランクに昇格するために再び昇格試験を受ける必要はない)。ただし、引退手続き後25年が経過した場合、記録が破棄されてしまうため復職手続きを行うことができなくなる。