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空っぽ
風が通り抜ける 水が零れ落ちる
中身はなくて 何もなくて
貯蔵物は皆無だから
伽藍 空欄 消失 虚無
整然と静謐 夢音と幻影
累乗は零に成り代わり
満たしていたものは 収められていたものは
ここには既に有りはしない
器を満たすは 無と空虚
ならば なればこそ
容れるものは 満たすものは
自分自身で決められる
中身が変われば 色が交われば
どんなものにだって成り代われる
組み合わせは無限 掛け合わせは無条
あらゆる可能性を吟味して
己が音色を彩らん
お題投稿:高良あくあ