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極寒
蒼白 魂 灯火さえも
透月の夜に凍てついて
夢 幻 泡沫を
世界の底へと閉じ込めて
終わりを告げる 日溜まりの音
解けて消え去る 鼓動の熱
冷たく輝く吐息を交わして
風は荒く 波は強く
雪は深く 雨は激しく
其に孕む願いは 氷の彫像
此に臨む眠りは 光のヴェール
静謐の守り手を貶めて
対極の螺旋を辿り 行き着く先は無穰
見えない壁に囲まれて 焼け付くように凍え死に
歌声だけが届かない
安常処順は見当たらず
艱難辛苦はすぐそこに
厳しく辛い季節を歩く
お題投稿:宙矢央工