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風のいたずら
風は運ぶ
そよいで唄って渦巻いて
季節の花びらを 水の雫を 大地の香りを
風は運ぶ
時に優しく 時に意地悪
気紛れに吹き抜けて
隣のキミは 風にくすぐられて
一つ小さくくしゃみを零す
恥ずかしがるキミが可愛くて
思わず僕は抱きしめて
風がもたらした 小さな悪戯に
心で密かに感謝する
風は戯れ 通り抜けて
二人の間を少し広げた
だから僕らは 風のいたずらに負けないように
さっきよりも強く 手を握り合う
風は運ぶ 流れて踊って舞い上がり
夢を 想いを 彩りを
風は 運ぶ
お題投稿:星咬十六夜