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火
暗闇を照らし 心を焦がし
煌めく星を浮かばせて
影を照らし 幻を焦がし
静かな咲華に戯れを
常夜の下 眠りを守りて
厳寒を凌ぎ得る確かな強さ
銀色に輝き 緋色に重なり
紫煙を昇らせ 灰へと還り
幽かな鼓動は胎動のように
仄かな光 爆ぜる音 安堵の明かり
幻燈揺らめく安常処順
儚き涙に優しき思い 内に秘めた願いの欠片
香りと共に 祈りを天に届かせて
小さなその火を消さないように
可憐なこの火を絶やさぬように
そっと瞳に焼き付けて
お題投稿:宙矢央工