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3話 綺麗な青空


「っ!!」

私は勢いよく飛び起き上がる。

(思い出した!!私には前世の記憶が…)




**

まだ少し記憶が混乱している為、情報整理をしようと思っていたのだが…


「お嬢様。お目覚めになってたのですね!…旦那様達にお伝えしないと!」


「ちょっ!…」


待ってと言おうとした私の言葉は届くことなく、メイドは素早(すばや)く部屋を出ていってしまった。


(まずは心配をかけてしまった家族皆に会うことが先かな。)



**

「「レムー!」」


家族全員が一斉に私のもとに駆け寄ってきた。


ちなみに、私の家の家族構成は父と母、そして兄2人と姉1人と私の6人家族だ。


『レムは3日も熱で寝込んでたのよ?…もう体調は大丈夫なの?』


今、優しくわたしの体調を気にしてくれてる女性が今世の私の母。ミラ・ホワイトである。


『無事目が覚めてよかった…』


穏やかで優しい私の父。ルーク・ホワイト。

ホワイト伯爵家の立派な当主だ。


『本当に大丈夫か?無理してないか?』


ソル・ホワイト。太陽のように明るく、面倒見のいい1番上のお兄様だ。


『また体調が悪くなるようなことがあったらすぐに言うのよ?』


ルーナ・ホワイト。とても9歳とは思えないくらい落ち着いていて、大人っぽい性格。ソルお兄様の次に生まれたお姉様だ。


『無理…しちゃダメ…』


普段は静かで口数が少ないんだけど、とても優しい性格であるノア・ホワイト。私とは2歳違いのお兄様。


(3日も熱に苦しんでいたなんて…家族皆には本当に心配かけさせちゃったな…)


「お父様。お母様。ソルお兄様。ルーナお姉様。ノアお兄様。ご心配おかけしてしまい、申し訳ありませんでした。もう大丈夫です。」


私は家族に安心してもらえるように、笑顔で笑った。


『『っ!!』』


なぜか家族全員の顔がぴしりと固まってしまう。


(??みんなどうしたのかな?)


そう疑問に思っていると、お父様が場の空気を変えるように咳き込んだ(のち)、話し出す。


「とりあえず、レムは明日までしっかり休むこと…わかった?」


「はい。わかりました。」


私は素直に返事をした。



**

3日後…


ノートとペンを用意してもらって、私は今後の目標について書き記していく。



「人生の目標…それはもちろん『健やかな安眠をすること!!』」



前世では家族も恋人もいなくて、ひたすら仕事をする日々を送っていた。そんな私にとって睡眠はまさに至福の時間だった。


一時期、安眠グッズやアロマなどを買い集めていたほどに睡眠…寝ることが大好きだった。


今世では恐らく前世のように過酷な労働をすることはないはずだ。だから、前世ではできなかった「健やかな安眠」をすることができるかもしれない。



私はこれから目指す「健やかな安眠」に心躍らせながら、1人天井に向かって拳を思いっきり突き上げる。


『「健やかな安眠」を目指して、これから頑張るぞー!…おーー!!』



この日の空は新しい人生の始まりにぴったりな綺麗な青空だった。


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