20話 お姫様抱っこ??
彼は、呆気にとられた?ような顔をした。
(あ、口に出ちゃった。どうしよう。)
彼はますます私への警戒心を強めているのがわかる。だって顔が少し怖い。
『……質問に答えろ。お前は何者だ。』
「わ、私はレム・ホワイトと言います。ホワイト伯爵家の末の娘です。」
彼は、ホワイト家と呟いた後、少し考え込んでいた。
『…単刀直入に聞く。伯爵は警戒心が強い俺を保護するために眠らせた。そのため、俺に悪意はないんだな??』
私は質問に対してこくこく頷く。
変に言葉を発するよりは、頷いてる方がいい気がしたからだ。
また睨まれるのはごめんだしね。
『なるほどな。お前は、俺にそれを伝えるように伯爵にお願いされたといったところか。…俺が目覚めてすぐに、伯爵自身と会えば俺が伯爵を警戒すると…俺を眠らせた伯爵は思ったんだろうな。』
(この王子、理解力高すぎません???)
彼は少しだけ警戒を緩めたようで、私から離れた。
『だが、こんな夜中にお前がここに来た理由はわからない。なぜだ?』
変な疑いをかけられるくらいなら、正直に話してしまったほうがいい気がした。
私は、父が殿下に誤解されないように事情を説明してくれたら、私に新しい枕を買ってくれると約束してくれたことを話す。
『は???』
やっぱりそういう反応になりますよねー。「何いってんだこいつ?」「馬鹿なのか?」くらいは思ってそう。
まぁ、1番の理由は、面倒事をさっさと終わらせたかったからなんだけど、流石に殿下に無礼すぎるし黙っとこうと思った。
とりあえず説明はしたものの、殿下はまたすぐに考えこむ仕草をした。その姿はシリウス殿下に似ていた。
そう思ってるうちにふと私は思い出した。
「そういえば、前日王城でシリウス殿下にお会いました。…あなたのこと心配していた様子でしたよ?」
シリウス殿下が兵士からまだ見つかってないと知らせを受けた時、少し悲しい顔をしていた。本当にルイ殿下を心配しているようだった。
だから、そのことを伝えようと思って伝えただけなのに、なぜか睨まれてしまった。
……そんな睨む必要なくない?!
(もしかして、兄弟仲悪かったのかな??)
実際、仲が良かったにしろ、悪かったにしろ、ルイ殿下の気分を害してしまったのだから最低限の謝罪はしないといけないよね。
勇気を出してルイ殿下に謝罪しようとしていたら…
バタン!!
王子が急にふらついて倒れ、私はすぐに駆け寄った。
「大丈夫ですか?!」
ルイ殿下は、魔法を酷使したことで、とても体が疲弊していると、お父様が言っていた。倒れた原因もおそらくそれなんだと思う。
殿下が立てるように、私は殿下に手を差し出したのだけど、バチンっ!と思いっきり手を弾かれてしまった。…地味に痛い。
『触るな。』
これは明らかな拒絶だった。このまま、拒絶され続けるのも困りものだなーと少し悩んだけど、すぐに無駄なことだよなーって思った。
だって、強行突破すればいいだけじゃん!
←※ただのお馬鹿。
「すみません殿下。失礼しますね。」
そう言いながら、私は殿下を持ち上げる。
『は?!お、お前何して…っ//!』
「えーと、お姫様抱っこ??あ、でも違うか。お姫様抱っこ改め、王子様抱っこ?…ですかね?」
『お、降ろせー!』
「??別に取って食うわけじゃないんですから、大丈夫ですよ。」
「大丈夫なわけないだろ!」
王子の顔と耳が赤くなっていた。初めは子供にしては達観してる方だなーとか思ってたけど、こう見ると、子供らしく見える。
私は、見なかったフリをして、王子をベッドの上に降ろして、布団をかける。
「それでは、ゆっくりお休みください。邪魔者は退散しますので。」
そ私が離れようとした瞬間。腕を掴まれる。
「殿下??あの、離していただかないと離れられないのですが。」
そう言いながら、離れようとすると、殿下は私を睨みながら、掴む腕の力をより強くしていった。…いや、だからなぜ??
そんなことで、しばらくは殿下がいるこの部屋に居続けることになってしまった。
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(き、気まずい…)
すぐに解放されると思っていたのに、殿下はずっと私をじーっと見ている。……いや、子供なんだからさっさと寝てよ!!
←※人のこと言えないのである
『……お前は兄上に会ったと言ったな?なぜだ?』
「あー。私、教会で魔力測定したら、全属性適正って発覚しまして、それで父と一緒に陛下元へ謁見しに行くことになったんです。」
そういうと、睨まれてしまう。今度は何??
『お前、2種類以上の魔法適性のある子供は、国の保護対象でかつ国家機密扱いなんだぞ。外で話したら、誘拐されるぞ。』
「ルイ殿下は王族ですし、問題ないかなって思いまして。」
『……そうか』
そっちから話題振っといてそれだけ?!…私は気まずいんですけど!!
言葉のキャッチボールって知ってますか?!
「ル、ルイ殿下。何か飲み物はいりますか?必要であれば持ってきますよ?」
そう言うと、ルイ殿下は、水が欲しいと言った。そして、厨房に行くから一度離して欲しいと言ったら、離して貰うことができた。
私はよっしゃー!と思いながら、急いで水を取りに厨房に向かうのであった。




