17話 これも日常の一部?
2025年もよろしくお願いします。
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「ノアが笑って…る…だと?」
「げっ…」
そう言ったノアお兄様から既に笑顔が消えていた。
「え?!ちょっ!ノア!!お兄ちゃんにも、もう一度笑顔を見せてくre…」
「やだ。」
問答無用にソルお兄様の言葉を遮って即答するノアお兄様。あーあ。ソルお兄様落ち込んでる。しかも、ブツブツと何かを呟き始めてる。
「どうしたら、ノアの好感度を取り戻せるんだ??_」
地位を手に入れて金鉱山でも差し出せば…とか、今すぐお金をたくさん稼げば尊敬されるかもしれないなど…。ブツブツとおかしなことを言い始めている。
『ただいま、レム。ノア。』
ルーナお姉様も学園から帰ってきたようだ。
「おかえりなさい。お姉様。」
「おか…えり。」
ルーナお姉様が帰ってきても気づかず、ソルお兄様はまだブツブツと何かを言い続けている。
『ソ・ル・お・に・い・様?』
「!!…お、おかえりルーナ。」
やっと我に返ったようで、状況をすぐ察知して、お姉様から目を逸らそうとしているけど、…手遅れじゃないかな。
『ふふ。…ソルお兄様、あとでじっ〜くりお話しをしましょうね?』
(ひぃー!目が…目が笑ってないよ。)
私はふと、ノアお兄様と目が合って、そして同時に頷いた。
((絶対、僕/私たちは、何があってもルーナお姉様を怒らせないようにしよう。))
初めて、言葉なしで意思疎通することができた2人であった。
**
お兄様達が戻ってきたところで、私は疑問を口にする。
「そういえば、どうしてこんな早い時間に帰ってきたのですか?いつもなら、まだ授業やってる時間ですよね?」
「また…侵入者??」
(え、今なんて????)
「鋭いわねノア。そのとおりよ。」
(え?!「そのとおり」なの?!)
置いてかれている私に、ソルお兄様が説明してくれた。
話をまとめると。どうやら家の敷地に侵入者が現れたらしい。元々、家の周りには魔法結界が張られてる?らしいんだけど、今回、何者かによって魔法結界が無理やり破られたらしい。それで犯人=侵入者だと疑っているらしい。
なんというか、その……うん。なんか複雑。
「またということは、過去にも何度かあったんですか?」
「侵入者のことか?月に2、3回くらいはくるぞ。さすがに魔法結界も万能ではないからな。破られることも当然ある。」
侵入されてしまったものはしょうがないよな。と言いながらソルお兄様は笑っている。あー…様子から見てわかる。日常だと言えてしまうくらいに慣れてるやつだ。コレ。
侵入者が現れるのが日常の一部になっている私の家は、暗殺一家か何かなの?と疑いたくなってくる。
今さらだけど、思い出してみると不自然なことはあった。
天気がよく、まだお昼だというのに、メリアさんが私の部屋に鍵をかけて窓のカーテンも閉めていたときがあったし、夜は何があっても外に出ないようにと、いつも以上に強く言われた日があったし、他にも…
あれ?…つまり、呑気に過ごしている間に私は守られてたってこと?
今更ながら、ピンときた。
「お前は、家族の中で1番幼いから、メイド長のメリアが侍女兼護衛をしているんだぞ。」
(どうして今まで気づかなかったのだろう…。)
メイド長のメリアさんが、護衛も兼任してたことは初めて知った。というか守られているというのに、呑気に過ごしていた自分が恥ずかしいし、情報量が色々と多すぎる。
そんな中でも頑張って情報を頭の中で整理していると、ある疑問が浮かぶ。
「侵入者がまだ敷地内にいるかもしれないのに、なぜお兄様達は家に帰ってきたのですか?学園にいた方が安全のような気がするのですが…」
家に怪しい人物がいるかもしれないのに、わざわざ帰ってくるって、普通に考えたら危ないと思う。
「俺は学園にいる方が危険だと思うぞ。」
ソルお兄様の言葉を聞いて、私が???に思っていたのが伝わったのか、ノアお兄様が説明してくれた。
「だれ…狙われてる…わからない……居場所…バラバラ…守りきれない。」
急いで説明してくれたから、いつも以上に、途切れ途切れだったけど、 「誰が狙われてるかわからない中で、家族みんなの居場所がバラバラだと守れきることができない。」と言ってるのだとわかった。
←※なぜわかる???
つまり、侵入者の目的が特定の誰かわからないのなら、「守る対象である家族全員を1箇所に集めて守る」というのがこの家のやり方なのかもしれない。
とはいえ、わざわざ1箇所に集めようとしている理由がわからない。仮に一家全員がやられてしまったら、元の子もないはずなのに。
「…もしかして、誰かが特定の1人が狙われることのほうが多いから?それに毎度、狙われる対象が誰であるか、わからないからこそ、私たちを1箇所に集めて守っているということなのですか?」
「そういうことだ。それに、家の襲撃が仮にカモフラージュだった場合、別の場所にいる方が危なかったりすることもあるからな。」
お兄様に頭を撫で撫でされる。
「今の話だけで、ここまで理解したなんて、レムは意外と賢いんだな。」
褒められて嬉しいけど、、、意外とという余計な言葉がなければ、もっと嬉しかったかなー。
「最初のうちは怖いかもしれないが、この状況に早く慣れろ。そして、最低限の自衛ができるようになれば、周りはもっと俺たちを守りやすくなる。」
まだよくわからないことだらけだけど、今、勝手なことをすれば、皆が困るのはわかってる。
私はノアお兄様にお願いして、手を繋いでもらいながら、そのまま、ノア部屋で待機することを決めた。
私の不安がある程度おさまったのを見計らって、ソルお兄様とルーナお姉様は各自の部屋に戻っていった。
私も部屋に戻ろうと思ったけど、少し怖く感じて、無理そうだったのでノアお兄様の部屋に一緒に待機し、メリアさんの指示に従うのであった。
***
一方の黒い少年は、目を開ける。
(ここはどこだ????……俺は死んだのか?)
黒い少年が起き上がり、辺りを見回す。
一面には、白い花畑が広がっていた。
(いや、転移には成功したはずだ。だとしたらここは…)
振り返るとそこには立派な屋敷があった。つまり、貴族の誰かの敷地であるということ。
(ここはまずい、バレたら城に連れ戻…)
「少し眠ってて貰いますよ。ルイ殿下。」
背後から口元を塞がれる。
(っ!!)
意識を失う前、最後に見えたのは、真っ白い髪に水色の瞳をした貴族の男だった。
_黒い少年が白い少女に出会うまで0日。
運命のときは、すぐそこまで迫っている。




