14話 Sideガレ・フラン①
次回までは、13話のガレ・フラン視点になりますm(_ _)m
俺は、ガレ・フラン。魔法を3種類も扱うことができ、騎士団での実績から、数年前に最年少で副団長に就任した。周りからは天才だと称賛されてきた。
周囲の評価なんてどうでもいい。人を守ることに自分の力を使えればそれでよかったからだ。
しかし、周囲に天才と呼ばれる俺は、その周囲よりも絶対的に侮られる点があった。それは身分。
この国の魔法騎士に階級は関係なく、実力が全てだが、それはあくまで表向き。影で馬鹿にされることも多い。
貴族のほとんどはそういうやつだ。
いざというとき、自分より下の身分を簡単に見捨てて、一人助かろうとする。
そんな貴族の薄情さと傲慢さには、嫌気を通り越して吐き気がしてくる。
昔、俺の住んでた村に魔物が現れて、村の全員で領主に助けと対策を求めたことがあった。しかし、領主は何もせず無視し、その結果、魔物が大量に押し寄せてきたとき、村の住人は無力な子供……俺一人だけを残して全員死んでいった。つまり、領主は俺たちの村を見捨てたということだ。
当時は、領主を許せないと思い憎んでいた。だが、それ以上に、あのとき誰も助けることができなかった己の無力さが悔しかった。だから、俺は魔法騎士になる道を選んだ。
どんなに馬鹿にされようと、手の届く範囲の人々を守るために戦い続けるとと誓っている。小さな村一つが見捨てられることがないようにするために、まずは騎士を動かせるだけの地位を手に入れる。
そして今、地位を登り続けて、やっと副団長にまでなったというのに…
なぜ、短期間とはいえ、教師にならねばならないんだ!!しかも、貴族の娘のためだと???
いつもの俺なら断るが、国王陛下直々の命であるため、それはできなかった。
(適当に怒らせて先生をクビになってやる。怒られはするだろうが、騎士の資格が剥奪されることはないから痛くも痒くもない。俺は…貴族様の先生になるつもりなどない!)
✽✽
「レム。今日からレムの先生になるガレ・フラン先生だよ。…それではレムをよろしくお願いします。」
そう言って、ホワイト伯爵は部屋を出ていった。
ルーク・ホワイト伯爵の噂は、よく聞いている。領民にも手を差し伸べる人格者であり、領地を治める手腕も素晴らしいものだと聞いている。それでいて忙しそうなのは見て取れた。
(一番歴史がある伯爵家だと言われてるだけのことはあるってことだな。…さてと、肝心のお嬢様はどうだろうな。)
レム・ホワイト。伯爵様の末娘。陛下によると全属性の適性がある化け物らしい。そして、このことを知るものは少ない。
俺を教師にした理由としては、おそらく2つ。
1つは、早いうちからお嬢様が自身の身を自分で守れるようにするため。機密情報は、遅かれ早かれ、いつかはバレる。国内だけならまだしも、他国にバレると色々と危険だ。
最悪なのは、他国に拐われて、洗脳で兵器にされるだろう。………特にあの国|は、その手段を取ってくる可能性が高い。
あの国は色々ときな臭いから、仕事がない限りは、一番近づきたくない国だな。
少し話がそれたな…。理由の2つ目は、単純にお嬢様の人なりを見定めるため。
いくらすごい才能の持ち主だとしても、人格に難があれば、将来、国を滅ぼしかねない危険人物ということになる。だからこそ、監視役兼何か予想外の事態が起きても対処可能な人物を置きたかったのだろう。
そして、その条件に当てはまってしまったのが、俺ってところなんだろうが、現時点では、まだ魔法の魔の字も知らないお嬢様に対してなら、不足の事態が起きても、魔法騎士じゃなくても、魔法士1人で対処可能な範囲のはずなんだが…
貴族様なんかの先生をしてるくらいなら、さっさと職場に戻りたいと思うのが本心だった。
レム様に出会うまでは_




