13話 マジか…
✽✽
「すごく緊張しました…。」
「そう感じさせないくらい堂々と立ち回れてたよ。」
その言葉を聞いて、私は心の底から安堵した。
今日は充分頑張ったし、早く帰って午後は寝たいなぁ〜。
(午後はゴロゴロしてするぞー!安眠♪安眠♪)
って思ってたのに…
「午後から魔法の授業も始まるから、今のうちに寝とくといいよ。」
「え?…魔法の授業?」
「話してなかったっけ?今日から礼儀作法や勉学に加えて、魔法の実技を学んでもらおうと思ってね。陛下も了承して先生を特別に用意してくださったんだよ。」
(マジか…)
私は深く絶望するのであった…。
✽✽
「初めまして。今日から魔法の実技を教える魔法騎士のガレ・フランです。どうぞ、よろしくお願いします。ホワイト家の末のお嬢様。」
(ホワイト家の末のお嬢様?)
少し違和感を感じたけど、気にしないことにした。
「はい!フラン先生。今日からご指導よろしくお願いします。」
私は深々と頭を下げる。ここまで来たら覚悟を決めて頑張るしかない。
…これも安眠のためだ。えいえいおー!
「早速だが、実技に入る前に軽く魔法の基礎知識を確認します。まず、属性の基本について_」
✽✽
「それではレム様。この世界の国名6つを言えますか?」
「は、はい。…火の帝国『スオウ』、水の国『インディゴ』、風の国『ウィロー』、土の国『アマ』、光の国『カナリア』、そして闇の国と言われる、ここ『ライラック』…ですよね?」
転生前にサリア様が教えてくれたのもあるけど、ノアお兄様がよく本から得た知識を教えてくれるから国に関しては最低限の知識はついたと思う。
思っていたよりは、勉強してるのですねと言われた。
雰囲気からして、事前に何か勉強しないといけなかったかもしれない。
フラン先生は次の説明に入った。
「光の国カナリアと私達の住む北の国ライラックの2つの国を除いた、4つの国は1つの大陸に固まっており、その両側にそれぞれカナリアとライラックがあります。そして_」
国と魔法属性の関係についての歴史わかりやすく説明してくれたおかげで、理解が深まった気がする。
同じ内容をサリア様からも聞いてはいたけど、軽くの説明だったから、しっかり知れて良かった。。
「講義はここまでにして、この後は、外で魔法の実技を行いたいと思います。まずは魔力を感じるところから始めましょう。」
フラン先生は失礼しますねと言って私の手を掴む。
「今から、魔力を流すので魔力を感知してみてください。まずは力を抜いて集中してみてください。」
言われたとおりに集中するため、私は目をつぶり、魔力を感じることに全神経を研ぎ澄ましてみることにした。合間合間でフラン先生がイメージを明確に伝えてくれたおかげで、どんどん感覚を掴めていってる気がする。
(おー。なんかぽかぽかするこれが魔力かな?)
「感知することができたみたいですね。では、次の段階に進んでみましょう。」
そう言って、フラン先生は、炎を出して矢の形みたいなものを発動させる。
「この初級魔法を同じように展開してみてください。」
「え?!」(いきなり?!)
「矢を作るのは、見様見真似で簡単に発動できる基礎中の基礎の魔法です。」
(えー?!見ただけでできるようになるものなの?!ど、どうしよう!!)
「………」
「どうしたのですか?イメージすればこれくらい誰でもできますよ?」
「…イメージ?」
先生の言ってた「イメージ」をとりあえず、やってみることにした。
(まずは、ぽかぽかの魔力?を感じて、先生みたいな矢をイメージ…矢を発動させるために、最後には詠唱を……あれ?先生、さっき詠唱言ってなくない?!)
私は内心パニクる。
あ、でも先生は、見様見真似でできるって言ってたし、基礎の魔法なら詠唱はいらないのかも?
(と、とりあえず、やるぞー!……炎の矢!)
行き当たりばったりで、なんとか炎の矢を再現することができた。
「先生、できました!!」
(初めてだから、できるか不安だったけど、できて嬉しい!)
初めての魔法に私は、思わず大はしゃぎしてしまっていた。
一方の先生は何故か驚いた表情をしていた。
「な、なんだと?!そんな馬鹿な…。
ゴホン!…他の属性もやっていってください。適正属性の矢は全てできるようにならないと、話になりませんよ。」
「は、はい!わかりました!!」
(なんとか炎の矢はできたけど、他もできるのかな…。)
なんて不安に思っていたけど杞憂でした!
「炎の矢、水の矢、風の矢、土の矢、光の矢、闇の矢!!やったー!全部できるようになりました!!」
「……」
「フラン先生?どうかなさいましたか?…大丈夫ですか?」
「……天才なのかもしれない。」
「はい???」
「あなた様の教師になれて、光栄です。これからもよろしくお願いします。レム様。」
(あれ?フラン先生の口調がさっきより、丁寧になった??私の呼び方も変わったいるし……まぁ、いっか。)
「はい!これからもご指導よろしくお願いします。」
✽✽
「はぁ疲れたー。まさか、王様と謁見したあとすぐに午後の授業が始まるとは思わなかったよ…。やっとお布団だ〜〜。
私はベッドにダイブして、羊のぬいぐるみに抱きつく。
「そうだ!安眠ノートを更新させておこう。」
私はノートを開き、次のことを書き足していく。
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安眠の為にやることメモ
・朝・昼・夜のご飯をしっかり食べる
・よく遊ぶ
・お風呂にしっかり入る
・夜ふかしをしない
・魔法を極めて安眠系の魔法を研究する。(New)
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「魔法を学んでいけば、いつか、安眠系の魔法を作れるようになるかも。楽しみだなぁ♪」
瞼もだいぶ重くなってきていたからちょうどよかった。
私はすぐに目をつぶる。3秒後、私は寝息を立て始めるのであった。
✽✽✽
一方の黒い少年は限界を迎えていた。
(魔力を酷使しすぎて……視界もぼやけ…)
「…この化け物め。大人しく別棟へ閉じ込められてればいいのに逃げ出しやがって。」
黒い少年を見つけた兵士2人は、黒い少年を馬鹿にするようにゲラゲラと笑う。それは黒い少年が動けないくらい弱っているのを知っていてわざと言っている。
『クソっ。』
(こんな奴らに捕まるわけにはいかねぇんだよ!)
黒い少年は、最後の力を使って魔法を使う。
「嘘だろ?!…まだ魔法が使えたのか?!」
「しかも、あの転移魔法だと?!」
完全に油断していた愚かな兵士2人を少年は、心のなかで嘲笑う。
(ざまぁ…みろ)
黒い少年は、座標も定めず使った転移魔法によって、どこに飛ばされるのかがわからぬまま気を失った。
飛ばされた先は、白い精霊の花が咲き誇る花畑だった。
_黒い少年が白い少女に出会うまで残り1日。
次はガラン・フラン先生の視点です!




