10話 撮影会
お久しぶりですm(_ _)m
休日の楽しい兄弟のお茶会も終わり、私は_
「おはようございます。起きてください。」
朝の早い時間からメイド長のメリアさんに起こされ、お風呂に放り込まれ、マッサージされ、ドレスを着させられ、怒涛の勢いで準備をさせられています。ひぃーー!!!
✽✽
「最後に軽くお化粧を__できました。」
朝からバタバタはしてたけど、なんとかこれで準備は全て整ったらしい。
(つ、疲れた…)
貴族がでてくる異世界物のノベル本をよく読んでたけど、貴族の仕度がここまで大変だったなんて。見事に思い知らされました。…レムさん。ぐったりです。
いくら疲れたとはいえ、流石に朝早くから準備してくれたメイドの皆に感謝の言葉をしっかり伝えなければ!!
「朝早くから準備してくれてありがとうございます!」
皆、嬉しそうにどういたしましてと返す一方、メイド長だけは、私は仕事をしただけです。と淡々と言いながら、準備に使った物をサッと片付けていた。
メイド長メリア。わずか1年で普通のメイドからメイド長に昇格し、今現在までずっとホワイト家の身の回りを支え続けている。その優秀さは、現当主であるお父様から厚い信頼を寄せられているほどらしい。
(衰えを知らなそうなハイスペック超人だとは思ってたけど、やっぱりすごい人なんだなぁ。)
「それでは、準備も整いましたので_」
カシャカシャカシャ!!!!
「??!!」
言葉が途切れた瞬間、いきなり聞こえてくるシャッター音は私の肩をビクッとさせる。
「お写真を撮らせていただきます。」
「な、なぜ急に写真を???」
というかどこから出したの???その魔道具。
「ソル様から写真を取るように頼まれました。」
(あー。やっぱり、そういうお願いはソルお兄様が一番しそうだよねぇ。)
「そして、ルーナ様、ノア様からも個別で写真を撮るよう仰せつかりました。」
「え!ルーナお姉様とノアお兄様まで?!」
ルーナお姉様とノアお兄様までメリアさんにお願いしてたのは驚きだ。
「コンディションが1番整っている今が1番のシャッターチャンスですので、出かける前に撮らせていただきます。」
「で、でも時間がないのでは…?」
「起きる時間を予定より早くしていただきましたので、あと1時間くらいは余裕があります。
_それでは撮り始めましょう。」
「…………」
メリアさんの言っていたことをまとめると、お兄様たちのおかげで本来寝れていた時間が潰れてしまったということだよね?
私は寝れる極限まで眠り続けたい主義だというのに……。
(寝れていたはずの時間を返せー!!!!!!)
✽✽
カシャカシャカシャ!
こうして、メリアさんによる撮影が始まってしまった。
数枚あれば充分では?という言葉は、見事にスルーされました。トホホ…。
写真を撮られ続けること約十数分後_
カシャカシャカシャカシャ!!
(……)
カシャカシャカシャカシャカシャ!!!
(……)
カシャカシャカシャカシャカシャカシャ!!!!
(……さっきから思ってたけど!どんどん増えてるよね?!(撮影者))
気付けばホワイト家のメイドのうち半分以上が私の部屋に集結していた。もちろん、集結したメイドの皆の手には、メリアさん同様にカメラの魔道具があった。
メイドたちに「こっち向いてくださーい!」と声をかけられ、私がその方向に振り返った瞬間、きゃー!!と言いながら素早く連写していた。
「なんで、他の皆さんまで写真を??お兄様たちに頼まれた訳ではないんですよね??」
お兄様達に写真を撮るように頼まれてるらしい?|メリアさんならともかく、私1人を撮るために、メイドのほとんどが魔道具を持って私の部屋に集まっているのは疑問だ。
「皆レム様のドレス姿の写真が欲しいのですよ。ご安心ください。旦那様から許可をいただいております。」
「そ、そうなんですね…。」
メリアさん。そういうのはまず、私に聞いてほしかったなぁ。
ここで働く使用人の皆のことは信用してるから、写真を撮るくらい別に構わないんだけど、それでも最低限私の肖像権は尊重して欲しい。
…この世界に肖像権の概念があるのかはわからないけど。
「というか、そもそも平凡顔の私のドレス姿にどんな需要があるんですか?お姉様たちを撮るならわかりますが…」
そう、よく考えたらおかしいのだ。私のドレス姿より、美少女・美少年のお姉様達を撮ったほうが絶対いいに決まってるでしょ?←※急なブラコン発動。
私の写真を撮ったところでメイドの皆に需要があるようには思えない。ますます疑問だ。
写真を撮っていたメイド全員の手がピタッと止まる。
メリアさんから、それは本気っておっしゃっているのですか?と驚愕した表情で言われてしまう。メリアさんでも驚くことってあるんだなぁと、ぼんやり思っていると
「何他人事のような顔をしてるのですか?レムお嬢様のことを話してるのですよ。」
なんかヤバいスイッチ入れたかも。他のメイドさん達に助けを…なぜメリアさんの言葉に賛同しているんですか?
そこのメイドさんなんて、賛同の意を表して深く頷いちゃってるし…。
(駄目だ。全員、親馬鹿…じゃなくて、使用人馬鹿(?)になってるよ。変なフィルターかかっちゃってるんだろうな…。)
「身内贔屓すぎるだけだと思いますよ。私は平凡顔ですよ。」
幼いから可愛く見えているんだという現実に戻してあげないと!
私がまだ5歳とはいえ、このままフィルターを掛け続けられてしまうのはまずい。
「「「………はぁ。」」」
今度はメリアさん以外の全メイドにため息をつかれてしまった。だからなんで納得してくれないの??!!
「勿体ないですよ!レム様はこんなにも可愛くて美しい方ですのに!!」
全員がうんうんと頷く。いや、だからなぜ頷くの???
私は至って平凡なのに…。あ、もう既に手遅れなのか??
「今言い続けても、レム様に自覚なんてきっと芽生えません。芽生えてたらこんなことになってません。」
(ん?ちょっとメリアさん??よくわからなかったけど、明らかに私のことディスってたよね??)
「そうですよねー。どうすれば…。」
(なんかメイドもウンウンって言ってるけど、私のことディスってるんだよね??)
「………ここまで自覚がないのであれば、社交界デビューのお茶会で自覚させるしかありませんね。」
普段、ポーカーフェイス完璧なメリアさんの瞳から燃え上がる闘志が見えるのですが…わ、私の気の所為ですよ…ね??
「「「「ふふふふふふふ…。」」」」
メイド全員、怖い笑みを浮かべながら、その瞳に私の姿を見事にロックオンしている。え、こわ…。
知らずしてメイド魂に火を付けてしまったようで、どうすれば私をより可愛くさせられるか?みたいな熱い謎討論会?がメイド長のメリアさんを中心に始まってしまった…。
なんか、「レム様をより可愛くするには〜。」とか、「レム様の美貌を引き立てる色は〜」とか聞こえてくるけど、知らん。私は何も知らん。
まぁ、撮影会は強制終了したみたいだし、とりあえずよかったよかった。
「たしかにレム様ならこの色も確実にお似合いになると思います!さすがメイド長!!」
やっぱり訂正。できるなら平凡顔の私が可愛く見えてしまうそのフィルターは今すぐ捨ててください。




