1話 呆気ない…
初めまして。幻影の宵です。
文脈などで可笑しいところがあると思います
が温かい目で見ていただけると嬉しいです。
更新頻度は未定ですがこれからよろしくお願いしますm(_ _)m
いきなりだが、私はブラック企業に務めている。
『崎口!早くしろ!納品は明後日なんだぞ!』
「はい!すみません!」
また別の日には。
「崎口。これを今日中にやっておけ」
目の前に大量の書類や資料を置いていって、仕事から逃げる最低な上司。
(・・今日も残業かぁ)
残業がある日よりも無い日のほうが珍しいのが私の会社の一般常識。
ゆっくり食事をしてる暇もなく、栄養ドリンクや栄養調整食品で済ませてしまうことが多く、不健康である。
当然、人と出会う機会もなく『彼氏いない歴=年齢』を今も更新し続けている…
『崎口ー!今日までだぞー!』
(…もう!いい加減。家でゆっくり寝かせてくださいよー!)
と心の中で叫びながらも手を動かす。
カチャカチャカチャ…カチャ!
最後にEnterKeyを押す。
(終わったー!やっと家に帰って寝れる…家に帰ったら幸せな睡眠時間を満喫するぞー!)
…と喜んだのも束の間。
『崎口ー。これ追加だ。』と言って上司が大量の仕事の山を置いていった。
「……」
そんな日々にいきなり終わりがやってくることを、この時の私は知るよしもなかった。
**
「う〜ん…やっと終わったー!」
結局、一週間も家に帰れなかった私はやっと「仕事」から開放され、家に帰ることができるのだ。
(髪はベタベタだし、先にお風呂だなぁ。早く洗ってスッキリさせよう…)
1人交差点の横断歩道を渡っていると…
キキィー!
(え?)
ドンっ!
耳を刺すような高いブレーキ音が聞こえた直後、
衝撃と共に鈍い音が静かな夜の中、響き渡った。
(嘘…でしょ?)
動かない手足に朦朧としていく意識。
私は直感した。もう自分は死んでしまうんだと…。
(呆気ない人生だったなぁ…)
私の意識は完全に途絶えるのであった。