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ハニーローズ - 君想 -   作者: 悠月 星花
サシャの場合

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22/27

アンナからの指令

パルマが冬期休暇から帰ってきたときに、アンナからの指令です。

サシャは、いつまでたってもアンナのいうことは聞かないとダメみたいですね。

「ただいま戻りました!」



冬期休暇の間、アンナに預けていたパルマが我が家に戻ってきた。

行ったときには、荷物はこじんまりした最低限だったはずなのに、今、玄関にいるパルマの荷物は、倍以上に膨れ上がっている。



「サシャ様、戻りました。

 報告があるのですが……後で伺ってもよろしいでしょうか?」



僕を見つけたパルマは、まず、この大量の荷物を部屋に置きに行きたいという。

ただ、僕もその大きな荷物は、とても気になったので、早くいっておいでと促す。



大きな袋が4つもあるのだ。

屋敷の侍従たちも手伝って、パルマの部屋へと荷物を運んでいる。

そのうちの1つは、行先を変更しているのか、違うところへ運ばれていく。



「その荷物は、サシャ様の執務室へ運んでください。

 あとの3つは、とりあえず、僕の部屋にお願いします。

 贈り物ですから、丁寧に扱ってくださいね!」



贈り物という言葉で、なんだか僕は、ウキウキした気分になった。

1つは、僕の執務室へ運ばれると言っていたから、きっと、アンナからのプレゼントなのだと思った。



アンナも気が利くじゃないか!

アンバー秘蔵のお酒かなぁ?

あぁ、楽しみだ!


スキップでもしそうな、小躍りしそうな足取りで執務室へ向かった。




「遅くなってすみません。

 アンナリーゼ様からの大事な預かりものでしたので……」

「いや、いいんだ。

 それで、向こうは、どうだった?」



僕は、アンナの様子やジョージアとの話を聞くことにした。



「アンナリーゼ様のお腹は、だいぶ大きくなってましたよ!

 歩くのもよたよたって感じで……ジョージア様が付き添ったり、

 デリアが付き添ったりしています。

 本当に、お転婆な方だったのか……

 僕には、さっぱり理解できないですね……」

「アンナの本当の姿を知らないからなぁ……

 本当にすごいんだよ!僕の妹は!

 ジョージアが付き添ってってことは、仲がいいってことかい?」



僕は、アンナの『予知夢』のことを知っている。

だから、心配で仕方なかった。

冷え切った結婚生活をおくるっていっていたからなぁ……

でも、寄り添ってってことは、それなりに大切にされているのか?とも思う。



「ジョージア様は、アンナリーゼ様にベタベタに惚れ込んでますよね。

 見てるこっちがこっぱずかしいくらいです……

 アンナリーゼ様の側に置いてくれって言ったら、それを聞いたジョージア様に

 『サシャに頼まれて置いてるんだけど、事と次第では帰ってもらうよ?』

 なんて言われてしまいました」

「はっはっ……何それ?

 あのジョージアが、パルマに嫉妬?

 アンナは相当愛されているんだな!!」



おもしろくて仕方がない。

可愛い妹ではあるが、僕にとってアンナは手に負えない程のじゃじゃ馬。

ジョージアは、ちゃんと御して可愛がってくれているようだ。



「あと、飛び級をして、休学できるよう学園への手紙も

 ジョージア様から書いてもらいました。

 今度の試験で、それらを受け、アンナリーゼ様の出産前後は、

 側にいられるよう計らってくれてます」



ますます、ジョージアがアンナを大切にしてくれていることがわかる。

気の置けないものを側に置いてくれる配慮をしてくれたのだろう。



「それと、あの……」



なんだか、言いにくそうにしているのだが、何だろうと僕はパルマを見つめる。



「アメジスト……を……」

「あぁ、アンナのアメジストか?

 パルマももらえたんだな!

 よかったじゃないか!!」



これは、喜ばしい話だ。

アンナが、側に置いてもいいという信頼の証となるだろう。

そのアメジストを持っているものは、そういう人間なのだから。

耳に光るアメジストが、真新しい。



「はい、アンナ教に入信出来て……」

「アンナ教?」

「ジョージア様が、笑い話にアンナ教の信徒とアメジストをもらった人のことを

 いっているんです」

「なるほどね。

 言い得て妙だよね。

 アンナの信者ってことには、変わりないからね!」



僕はニッコリ笑うが、パルマは苦笑いだ。



「それで、サシャ様……

 アンナ様からのお手紙と指令があります。

 手紙の内容をかいつまんで言いますね」

「あぁ、後で読むけど、知っているなら聞くよ!」



緊張の面持ちになるパルマ。

何を緊張する必要があるのだろうか……?



「あの大きな荷物なのですが、指定されたご婦人にお渡しして

 いただきたいのです!」

「あれは、僕へのプレゼントじゃないのか!?」

「いえ、あれは、アンナリーゼ様がお作りになったカゴバックです」

「は?

 カゴバック?」



僕は、愕然とした。

てっきり僕へのお土産だと思っていたから……

カゴバックなんて、聞いたこともないし、そんなものじゃ、腹ものども満たされない。

一体何なのだ!!!

ちょっとした怒りがこみあげてくる。



「今、お持ちしたのは、エリザベス様ようでして……」

「エリーのかい?」

「はい……」

「じゃあ、エリーを呼んだ方がよさそうだ。

 呼んでくるから待ってて」



アンナへの腹立たしい気持ちを、一旦腹にため込めエリーの元を訪ねる。



「エリー、アンナから、何かプレゼントがあるようだ。

 執務室へ一緒に来てくれ!」



はいと返事をしてついてきてくれる。

クリスに絵本を読んでいたらしく、クリスがぐずっているのが聞こえてきたが、そこは無視をした。



「エリザベス様、ご無沙汰しています」

「あら?パルマ戻ったの?」

「はい、おかげさまでアンナリーゼ様のところで充実した日を

 過ごさせてもらいました」

「よかったわ!

 アンナは元気だった?」

「とっても元気でしたよ!」

「それで、アンナからのエリーへのプレゼントは?」



パルマは、床に置かれていた袋の中からさらに袋に入ったものを引っ張り出してくる。



「こちらになります!

 これ、アンナリーゼ様がお作りになったカゴバックです!」

「カゴバック?」

「まずは、エリー開いてくれ。

 話は、それからだ」



エリーは、大きな袋から中身のカゴバックを取り出す。

女性が好みそうな植物のつる?でできたカバンが出てきた。



「わぁー!素敵なカバンね!

 これ、アンナが作ったの?」

「はい、作られてましたよ!」



エリーが満足そうにあちこち見ている。

僕は、全く興味がないので、喜んでいるエリーが目をキラキラさせながら何事か話始めるが……



「エリー、パルマもあんまり興味がなさそうだよ?」

「すみません……エリザベス様」

「そうなの?

 こんなに素晴らしいものなのに……」

「で、このカゴバック?をどうしたらいいの?」

「エリザベス様が出かける際に、持って行っていただき、

 あちこちで宣伝してほしいそうです。

 アンバー領で作られているカゴバックが、可愛くて、使いやすくて

 流行の先端よね!てきな……」

「なるほど……エリーを広告塔にするつもりだね……

 お茶会とかのときに持っていってほしいってことかい?」

「そう、そうなんです!

 それで、アンバー領の宣伝をしてほしいって……

 結構な値段で売る予定なんですけど……

 売れると思いますか……?」



僕には、全く需要がわからなかった……

こんなものが売れるのか、全くの疑問しかない!

アンナはいったい何を考えているのだろうか……



「それで、他に3つ持っていたな?

 それも、こちらの友人にってことだろうけど、どこの誰に渡すのだ?」

「王太子妃シルキー様、サンストーン公爵夫人イリア様、

 サラサ公爵令嬢メアリー様です。

 サシャ様、どうぞ、僕のためでもあるのでよろしくお願いします」



ため息が漏れる。

それも盛大にだ……

王太子妃に公爵夫人に公爵令嬢?



「サシャ、私から渡しましょうか?」

「いや、たぶん、僕がしないといけないっていう指令だろう……

 シルキー様の後ろ盾は、フレイゼンだ。

 アンナとのつながりが今でもあるとフレイゼンは、シルキーを

 大切にしているのだと見せないといけないのだろう。

 イリア嬢は、幼馴染だからな……

 ヘンリーとの兼ね合いもあるからね。

 あと、これは、ここだけの秘密。

 サラサ公爵令嬢のメアリーは、今後、殿下の寵姫になる可能性がある。

 うちとの繋がりを無くさないためのアンナの配慮だよ」

「それって……」

「あぁ、アンナの予知だ」

「予知ですか……?」



パルマは聞かされてなかったのか……

まずかったかなぁ?と心の中でごちたが、後の祭りだ。



「パルマは、まだ、聞かされてないのか?

 アンナには、『予知夢』という能力がある。

 これも秘密にしてほしいのだが、この『予知夢』に僕たちは

 したがって生活をしているんだよ。

 僕たちが、先を見ながら話を進めているのはそういうことだ。

 よく、覚えておいてくれ!」



パルマに釘を刺しながら、僕自身も身を引き締める。


さて、預かったはいいが……

それぞれに贈らないといけない。



「明日から配るよ。

 心配しなくても大丈夫だ!」



僕は、心配そうにしているパルマにそう声をかけて、今日はゆっくり休むよういうと挨拶をして出ていった。



僕は、大きなため息をはくのである。

エリーが隣で、大丈夫よっと言ってくれるのが唯一の救いではないだろうか……

さてはて、続きますよ!

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