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ハニーローズ - 君想 -   作者: 悠月 星花
サシャの場合

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21/27

アンナとスノーと僕

小さいアンナとサシャのお話。

子猫のスノーとの出会い?ですね。

僕には、一つ下にアンナリーゼという妹がいる。

この妹、とっても好奇心旺盛で、お転婆で、僕には手が付けられない。

でも、母には、面倒をみるようにと言われているのでいつもアンナの後ろをついて歩かないといけない。





「アンナ、また、どこか行っちゃったよ……

 ここ、どこだ……」




アンナは、元気にあちこち見て回るので手を繋いでいないとすぐいなくなる。


今、まさにそんな状態で、ちょっと手を離した瞬間にどこかへ飛んで行ってしまったアンナを探しつつ、僕も迷子だった。


1人にされた僕は、とても不安だ。


アンナは、お転婆で人懐っこいし、すぐ、誰の心にもスルッと入っていく。

だから、一人でも怖くないしお店のおじさんおばさんともすぐ仲良しになってしまう。

逆に僕は、引っ込み思案で、こういう街の雑多なところは、とても苦手だった……

なので、今現在、アンナのピンチではなく、僕のピンチである。






「アンナ……アンナ……」





早足であちこちみて歩くが、それらしい子供はどこにもいない。





「アンナ!アーンナぁー!!」






僕は、とうとう不安と寂しさで、道の真ん中で叫んでしまった。





「おにぃしゃま、にゃんこさん!」





アンナは、僕の心を知らずに、真っ白な子猫を抱え、自分は泥だらけになって、僕のところに駆けて近寄ってきた。



「アンナ!

 勝手にどっか行ったらダメ!

 もぅ、約束が守れないのなら、街には連れてきてあげない!!」




そういうと、アンナはアメジストのような紫の瞳から大粒の涙を流しはじめる。

ポロポロと流れてくる大粒の涙。

子猫を抱いているので、拭うこともせず、流れていって服や子猫に落ちていく。




毛玉のような白い猫は、アンナから流れてくる涙に驚いたのか、みゃーみゃーと鳴きはじめる。

僕は、泣き始めたアンナをみて焦った。




とにかく、今すぐ宥めなきゃ!!




「アンナ、お兄ちゃんとの約束を守れたらいいんだよ?

 お利口さんなアンナなら、守れるよね?」




アンナと同じ視線まで屈み、アンナに問うとコクンコクンと頷いている。




「そろそろ、お家に帰ろうか?」



すると、嫌々と首を横に振るアンナ。

本当に外で遊ぶのが好きすぎて、どうしたものか悩んだが、幸い今日は、子猫を抱えていた。



「じゃあ、お母様にネコ飼ってもいいか聞かないといけないだろ?

 お兄ちゃんもネコ飼っていいかお願いするから、一緒に帰ってお母様に

 聞いてみよう?」



すると頷いて泣きやみ、涙を左腕でこすってから僕の左手を握り家に向かって歩き始めた。

現金な妹である。




「名前、もう決めた?」

「まだ……」

「白いからスノーはどう?」

「スノー?」

「雪って意味だよ!」

「おにぃーしゃまは、ものしりだね!!」




さっきまで泣いていたアンナは、ニッコリ僕に笑いかける。

この妹の笑顔が、可愛すぎる。

なので、どんなに母に怒られても、アンナのいうことを聞いてしまう。

困ることもするし、お転婆が過ぎる妹だけど、ニッコリ笑う妹が見れるのは、兄である僕の一つの楽しみだった。



それから、家に帰り2人でお世話をするからとお母様に頼んで許可がおりた。

まだ、ほんの子猫だったため、2人でお世話をしている。



まず、アンナが泥だらけだったのでお風呂に入れ、ついでに子猫もお風呂に入れた。

アンナは、子猫の方が気になるのか、自分のことは全くしない。



「ほら、アンナは、自分で体を洗って!

 お兄ちゃんはスノーの体を洗うから!」



嫌がるアンナとスノーはそっくりで、僕は1人と1匹を叱りながらお風呂に入れるのである。

普段、侍女が手伝ってくれるのだが、アンナが大丈夫と言ったので誰もついてこなかった。

メイドにスノーを預け、結局、体はアンナが自分で洗っていたが、クモの巣やすすだらけの髪は、うまく洗えなかったので僕が洗うことになった。

「ほら、首までしっかりお湯につかって!

 50数えるよ!

 はい、いーち」

「いーち!」

「にーい!」

「にーい!」




…………………………



お風呂から出てほっと一息。

メイドに綺麗にタオルで拭かれて艶々になったスノーが誇らしげに座っている。

ベタベタのアンナが触ろうとしたので、止めメイドに任せる。



「アンナ、きちんと乾かさないと風邪ひくからね!

 終わったらお部屋においで」




それだけ言って部屋に向かう。

スノーに首輪をと思ったが、とりあえず、リボンをつけておくことにした。



「よし、スノー可愛いぞ!」



バンっと、その瞬間に扉が開き、僕とスノーは驚きのあまり飛び上がったのである。



 




スノーは、元気で走り回っているアンナより、大人しく本を読んでいる僕の方が好みのようで側でよく寝ていた。




「おにぃしゃまばかり、ズルイ!

 アンナも大事にしてるのに……

 なんで、スノーはアンナのところに来てくれないの?」




悲しそうにしているアンナに、兄らしくアドバイスをする。



「優しくしてあげなよ!

 アンナは、ドタバタとしすぎて、スノーがゆっくりできないんだよ!」

「でも、アンナは、スノーとあしょびたい!」




アンナは、スノーが大好きで触りたいのだとブツブツと言っている。

スノーと僕が呼ぶと、めんどくさそうに僕に寄ってきた。




「優しく撫でてあげて!

 まずは、お鼻に指をつけて……」



スノーがクンクンとアンナの指を嗅いでいる。



「ゆっくり首をかいてあげて」



アンナの小さな手がスノーの首をかいている。

スノーも嬉しいのか、ゴロゴロと喉を鳴らし始めた。



すると、きゃっきゃっとアンナが喜んでいる。

よほど、嬉しかったのだろう。



スノーも今日は、アンナに付き合ってくれるのか、アンナの足に顎を乗せ寝始める。

アンナも嬉しくて、スノーを撫でてニコニコとしていた。

僕は、大人しくしているアンナを横目にしながら本を読み始めた。



いつの間に、アンナは眠ってしまったようだ。

スノーと一緒に丸くなって眠っている。

僕のベッドからタオルケットを持ってきてかけてあげた。

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