秘密のお茶会に誘われています
お茶会参加へのお願いしにきたアンナリーゼとの対応です
そんなある日、アンナリーゼが俺のところにやってくる。
「ねぇ?ウィル?
秘密のお茶会っていうのを開こうと思うんだけど……参加してくれない?」
侯爵位以上の令嬢は、年に何回かお茶会を開かないといけないらしい。
それで、誘われたようだ。
この前、負けたことが悔しかったから、行かないと返事をする。
その代わり、模擬戦をしてくれと頼んだ。
アンナリーゼは、何度か渋々付き合ってくれたが、それでも1度も勝てなかった。
そして、まだ、しつこくアンナリーゼは、俺にお茶会の参加を求めてくる。
「じゃあ、お茶会に参加してくれたら、全力本気で、毎回3回勝負してあげる!
それなら、私もお茶会にウィルが参加してくれるから嬉しいし、
ウィルも私と模擬戦が出来て嬉しい。
これならいいよね?」
普通の令嬢なら、まず、ここまでしない。
断ったらそれまでだ。
ましてや上級貴族なのだから、参加命令すれば、俺は参加せざる得ない。
「わかった。それなら、いってやるよ!」
「やった!絶対だよ?」
その3日後、早速、招待状が届く。
そのお茶会は、中庭を通り抜けた庭師達の寮で行われた。
そして、8割がたローズディアの生徒であった。
何かの間違いだろうか?
疑問の残る集まりだ。
その中には、顔見知りがいる。
セバスにナタリーであった。
「あっ!ウィル!来てくれたの?ありがと!!」
飛び跳ねて嬉しそうにしている、この令嬢は、じゃじゃ馬の何者にも見えない。
「あぁ、きてやった。早速だが……」
「ちょっと待っててね。模擬戦用の模擬剣とってくる!」
アンナリーゼから、模擬戦を言ってくれた。
「じゃあ、ちゃっちゃと終わらせましょう!」
「終わられてたまるかよ!!」
「3回真剣勝負。いざっ!」
3戦全敗……
この前、戦ったときより断然強い……
遊びなしの模擬戦は、アンナリーゼの圧倒的な勝利であった。
「さぁ、お茶にしましょう!」
手を差し出して、引っ張ってくれる。
そう、アンナリーゼは、ドレスなのだ。
「侯爵家なら、俺にお茶会参加を命令すればよかっただろ?」
「んーうん。
それじゃ、ダメね。
私、ローズディアに従者がほしいわけではなくて、
お友達や協力者がほしいのよ。
だから、ウィルが望んだ形で、私を受け入れてもらわないとだめなの……」
意味の分からない言い分である。
「姫さんって本気なときって、瞳が少し濃い紫になるよな」
「姫さんって私のこと?」
「そう。侯爵家の姫さんだろ?」
「いやいや。姫って感じじゃ……」
「確かに……姫より……じゃじゃ馬、お転婆、女の子って感じじゃねーわな」
「失礼なっ!!」
プンスカ怒って俺は背中をバチーンと叩かれ、お茶を取りに行くのだろう。
「あぁ、今日から、アンナ様は俺の姫さんだ。
姫より強くならないとな……」
1人ゴチたら、顔見知りのセバスが隣にいた。
「君もかい?アンナリーゼ様には敵わないな」
負けた男二人でお茶の用意をしているアンナリーゼを見て苦笑いするのであった。