第3章 新領地開拓編 五十話 二人の未来
長らくお待たせして申し訳ありませんm(*_ _)m
今回は記念すべき第五十話と言うことで少しシリアス回と言うか作者的には友情回です!
果たして、サブタイトルにはどんな意味があるのか?
詳しくは後書きで話したいと思います。
それでは、本編へどうぞ。
ギルドでアイテムを換金して依頼達成の報酬を受け取った後俺達はそれぞれ帰路についた。
俺は今王都の中央区をアリシアとアレクの2人と一緒に歩いている。
「それで、街の開拓の方は何かいい案は見つかったのか?」
「いや、これと言ったいい案はまだ思いついてないな。街を広げる理由を考えたら住める場所は確実に必要だし仕事も与えなきゃいけないとなると街に利益がありそうな仕事も探さないとだしね。尚且つその仕事場である程度生活できそうな物となるとなかなか思いつかなくてさ」
「まぁそう言う事は簡単に思いつく物でも無いからな。言うなればその人達の今後の人生がかかっているんだ。適当な物という訳にもいかない」
「うん、そうなんだよな……」
アレクの言う通りだ。この頼みを聞いた時から思っていたけど俺の判断には多くの人の人生がかかっている。
あまり長く時間をかけることは出来ないけどそれでも適当に済ませていい事じゃない。よく考えないとな……
「あの、1つ気になった事があるんですけど……」
「うん、どうしたの?」
「その人達はお店がなくなって生活が出来なくなってしまった人達ですよね? だとしたらその中に少なからず家庭を持ってる人もいたと思うんです」
「あ、確かに。考えてみればそうだな、昨日聞いた時はそこまで考えつかなかった……」
だとしたら子供もいる家庭もあるだろうし……問題が次から次へと増えていく……
「なので、まずは小さい子も預けられる施設の様な物を作るのはどうでしょう? ご両親が働いている間は預けることも出来ますしお家ができるまではそこに住むこともできそうじゃないですか?」
なるほど、施設か。確かに良さそうかも……
「いいんじゃないか? 同じ空間で遊ばせたり寝食を共にするのは子供達にとっても良い影響を与える。母親達を職員として面倒を見させれば母親達に職を与えつつ食事と住む場所も与えられるしな。父親達は街の発展に協力してもらうのもいいかもしれない。もちろんどちらにも街から報酬を与えれば十分に生活ができるだろう」
「あぁ、確かにそれなら食べる物も働く場所も困らない。2人とも、ありがとう」
さすがは国王女様と公爵の息子だ。こう言う事に関して2人ほど心強い味方はいないな。
「礼など必要ない。友人が困っているんだ、これぐらいなら少しは手助けするさ。それに、政治に関してならお前よりも分かる事は多いしな。あぁけど、お前がどうしても礼がしたいと言うなら相応の事を考えておこう」
そうしてアレクはニタリと笑う。
こいつ……悪い顔してやがる! まぁ今回の件に関してはかなり助けられたし仕方ないか……はぁ、何を要求されるのか今から不安だ。
「冗談はさておき、実際に困った事があったら相談しろよ。できることならいつでも力になる」
「私も、できることは少ないですけどレオ君にはいつも助けて貰ってるのでいつでも頼ってくださいね!」
「うん、今後も困った時はお願いするよ」
「はい!」
レオの返答に満足したのかアレクは静かに頷きアリシアは元気よく返事を返した。
そうして話しているといつの間にか王城に着いていた。
「あ、着いたね」
「ですね。2人とも送っていただきありがとうございます」
「もう日課みたいなら物だし気にしなくていいよ」
「俺は帰り道が同じでただ着いてきただけだからな礼を言われるほどでもない」
「そうですか、わかりました。それじゃあレオ君、アレクさんまた明日学校で!」
「あぁ、また」
「俺は明日の朝も迎えに来るけどね」
「あ、そ、そうですね。ありがとうございます」
「うん、それじゃあアリシア、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
そうして俺とアレクはその場でアリシアと別れる。
◇◆◇◆◇◆
「レオ、この後時間あるか?」
「? うん、別に特に用事も無いしこのまま家に帰って街の事について考えようと思ってたぐらいだから大丈夫だけど……何かあるのか?」
「いや、特に何かあるという訳では無いのだが……少し話さないか?」
「あぁ、いいよ」
珍しくアレクから誘われたため俺はその誘いに乗り2人で暗くなり始めた街中をゆっくりと歩く。
「なんだかんだ言ってこうして2人だけで話すことってあんまり無かったよな」
「あんまりと言うより殆どなかったんじゃないか? 2人で話す事はあったがだいたい他に誰かいたからな」
「うん、なんか新鮮だな……」
「ふっ、そうだな……なぁ、レオ」
「ん?」
「お前は、異世界って……あると思うか?」
「うーん、どうだろう。その異世界って言うのが俺にはよく分かんないかな。御伽噺とかでしか聞いた事無いし。けど、俺の空間魔法の先だって異空間な訳だし異空間が存在するなら別の世界も存在してたっておかしくないとは思うよ」
「そうか……それじゃあ、異世界人がいるとしたら?」
「そうだな……会ってみたい、かな。異世界の文化とかも気になるし。言葉が通じるかどうかも分からないけどそれでもなんか楽しそうじゃないか?」
「ふっ、お前らしいな……」
珍しいな、アレクがこんな事聞くなんて。森で変な物でも食ったのか?
「そういうアレクはどうなんだ?」
「俺か? 俺は……正直興味はあった。けど、会いたいとは思わなかったな」
「へぇ、なんで?」
「強いて言うなら……怖かったんだ」
「怖かった?」
「あぁ、意思疎通ができるかもそうだが異世界人と会うって事は自分が異世界に行くかあちらから人が来るかだろ?」
まぁ会うとなればそのどちらかだろう。じゃないと会えないし
「もし自分が異世界に行くとなったら家族と離れ離れになるのも怖かったし帰れるのかって言うのも考えると怖くて仕方がなかった」
「そうだな、俺も家族と会えなくなるってなったら怖いし何より寂しいよ」
「けど、今は違う……自分の知らない事や知らない文化が多いだろうがそれも考え方を変えれば楽しそうだしな。だから、今なら思えるよ、異世界もそんなに悪い所じゃないのかもしれないって」
夜の暗闇の中さっきまではどこか寂しげな影のある印象だったその表情が月明かりに照らされた今、俺の目には何かが吹っ切れたような清々しさすら感じるようないい笑顔をしているように見えた。
「そっか、俺にはお前の考えてることがわかるわけじゃ無いけど、俺はその考え方良いと思うよ」
「ふふっ、そうか、そうだな……自分でも不思議と昔よりも前向きになれた気がするよ」
「うん、それなら良かった……ところで、なんで急にこんな話しようと思ったんだ?」
「いや、特に理由は無いさ。ただ、少しお前の意見を聞いてみたかっただけだ」
「そっか……それで、俺の意見は聞いてどうだった?」
「あぁ、そうだな。1度しか言わないからよく聞いておけよ?」
そんな事を言われては聞き逃す訳にはいかないな。
俺はアレクの言葉を一語一句聞き逃さぬよう全神経を耳に集中させた。
「お前の意見を聞いて改めて思った。お前が友達で、本当に良かった……と」
「えっ……」
不意に言われたその言葉を普段の俺ならお前らしくもないと言っていた事だろう。けど、この時はそんな言葉まったく頭に浮かんでこなくて俺は呆然と立ち尽くす事しか出来なかった。
「おい、何時まで間抜けな顔をしてるんだ」
「えっ……あ、いや、だってお前……」
「そうだな、柄にも無いこと言った。今の言葉は忘れろ。ほら、さっさと歩け、置いてくぞ」
そう言うとアレクは足早に歩き出す。
「あっ、おい、待てよ! この後どこ行くんだよー!」
俺は先を歩くアレクを急いで追いかける。
まったく、人の気も知らないで……俺も、お前が友達で良かったよ。
街を歩く2人の少年を見守るように、彼らの未来を祝福するように、夜空には満天の星が光り輝いていた。
アレクは転生ではなく転移しています。
その為家族と離れてしまい帰る方法も分からずもう二度と家族とは会えないのでは無いかと言う不安と恐怖から記憶を取り戻した5歳の誕生日後はよく1人で泣いていました。
そのストレスから体調を崩すことも多かったのですがその際に今の家族の人達から優しくしてもらいこの人達も紛れもない自分の家族なんだと自覚する事が出来ました。
その日から体調も日に日に良くなっていき今では普通に過ごせるようになっています。
アレクの言葉はそう言った経緯があってこその言葉なんですよね。
それに自分なりの回答をしたレオ。
家柄や病弱だったアレクにとってレオは初めて出来た気兼ねなく話せる友達だったんです。
そんな初めての大切な友達が自分が言う前に本音で自分や自分の故郷を肯定して更には会ってみたいとも言ってくれたこと異世界人のアレクにとってはとても嬉しかったと思います。
そんなかけがえのない友達である2人の未来が星のように明るい物になる事を願ってこのサブタイトルを付けました。
今回は記念すべき第五十話目と言うことでこう言った話を書きましたが個人的には今までの話で1番心にくる回だと思っているので今後もまた作品の節目にはこう言った話も書いていこうと思います
後書きが長くなりましたが読者の方々にはこれからもレオ達の未来を応援していただけたら嬉しいです。
面白いと思った方、みんなの未来に幸あれと言う方は評価とブックマークをどうかよろしくお願いしますm(*_ _)m




