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第2章 四大魔法学院対抗戦 後編 二十五話 加勢


 レオ達がサリーの元へ向かっている頃、サリーは2人の敵の相手をしていた。


 1人は空色をベースに桃色の梅の花が描かれた着物を着る青髪の少女。もう1人は柳色のベースで白い雪柳が描かれた着物に肩に白い羽織を着た茶髪の少女だ。


 サリーが氷の礫を無数に作り出し柳色の着物を着た少女に打ち出す。


「ふっ」


 少女は手に持った2対の扇のうち右手に持った扇で風魔法を繰り出しサリーの氷の礫を吹き飛ばした。


 やっぱり、あの子の風魔法厄介だ……攻撃が全然当たらない。それに……


「はっ!」


 こっちの青い子の戦い方も私と相性が悪すぎる!


「今のも躱しますか」


「なかなか手強い相手やね。ユキノの攻撃をここまで避けるなんて」


「私も、ここまで攻撃を当てられなかったのはサクラさんとカエデさん以外では初めてです」


 ユキノと呼ばれた青い着物の少女は悔しげに柳色の着物を着た少女、カエデの元へ後退する。


「サクラちゃんがやられたのもアストレアさんのとこの生徒らしいんよ」


「サクラさんが!?となると今戦っている彼女がトップという線は低いですね……」


「そうやねぇ、あの子でさえサクラちゃんと同等の力があるゆうのにこれは少し厳しいなぁ」


 どうやらカエデとユキノはサリーがアストレア学院のトップだと予想していたようだ。


「さっきの放送を聞く限りあちらの次席さんがかなりポイントを取ってるみたいです。しかも1人で」


「サクラちゃんがやられたんは3人組の中の1人って言うてはったからその人が間違いなく首席やろな」


「そうなってくると今目の前にいる人でも三席より下だと言うことですか」


「その人らに加勢される前に何とか倒さんと、これは骨が折れるなぁ……おや、来るみたいやでぇ」


 2人が話している隙にサリーはスライム達を召喚していた。


「みんな、私と同時に魔法を撃って!」


 ぷるん、ぷるる、ぷるぷる、ぷるるん


 4体のスライムはそれぞれ体を震わせ返事をした。


「『氷槍(アイシクル・ランス)』!『風刃(ウィンド・カッター)』!」


 サリーは氷と風の魔法を同時に放つ。それに続くようにスライム達も各々の属性の魔法を放った。


 無数の魔法がカエデとユキノに襲いかかる。


「『威風の舞・烈風』」


「『氷刃乱舞・絶』!」


 カエデはその扇で激しい風を巻き起こし、ユキノは2本の短刀と作り出した小さな氷の刃でサリーの繰り出した魔法を撃ち落とす。


 やっぱり1人じゃ分が悪いな……皆が来るまでどうにか耐えないと!


 サリーが再度決心すると同時にカエデが魔法を放つ。


「行くでぇ『威風の舞・疾風』」


 カエデが詠唱をすると突然激しい風がサリーに襲いかかった。


「クッ!」


 カエデの風はその中に無数の風の刃が存在しており何度も食らうほどダメージが蓄積していくようになっている。


 この風を受け続けるのはまずい……


 その場は何とか耐えるサリーだが休む間もなくユキノが追撃をしてきた。


「『氷刃乱舞・滅』!」


 迫り来る2本の短刀と無数の小さな氷の刃が重なった2本の剣、同時に襲いかかる4箇所の攻撃をサリーは避けるが少しかすってしまう。


「はぁはぁ、さすがに2対1はキツイか」


 2人の猛攻を何とか凌いだサリーは既に息を切らしていた。


 まだ3人が来るまでには時間がかかるけど、そろそろ私も限界かも……


「相手さんもどうやら疲れてきてるみたいやねぇ」


「攻めるなら今がチャンスでね。畳み掛けましょう」


 そうしてカエデが再度魔法を放ちユキノが接近する。


「『風弾(ウィンド・バレット)』!」


 何とかカエデの魔法を打ち消すサリーだがそこで一瞬の隙ができてしまう。それをユキノは見逃さず、先程と同じように4箇所同時に攻撃をする。


 あ、これは無理だ……


 その瞬間サリーは敗北を悟る。


 しかし、その攻撃がサリーに当たることは無かった。突如空から巨大な雷が落ちたのである。


 ドガァァァァァン!


「クッ!」


「キャッ!」


 カエデとユキノは突然視界が光更には轟音と揺れが襲ってきたため驚き、声を上げる。だが、サリーはこの雷が誰が放った物なのかすぐに理解した。こんな事ができる人物は今日この場には1人しか居ない。


「ふぅ、やっと助っ人が来てくれた。あと少し遅かったら危なかったよ」


 サリーがその人物に目を向けそう言うと空から降りてきた見慣れた銀髪の青年は軽く謝罪をした。


「遅れてすまない、本当はレオ達が来るはずだったんだがな。どうやら道中敵に捕まったらしく急遽俺が来た」


 そう言って銀髪の青年、アレクはサリーの前に立つ。


「この2人、かなり強いよ」


「だろうな、その状態を見ればよくわかる。少し休んで魔力を回復しておけ」


「うん、そうさせてもらう」


 サリーは後ろに下がり木を背もたれに座った。


「あら、今度はお兄さんが相手してくれるん?」


「あぁ、俺では不服か?」


「そんなことあらへんよォ?ただ、せっかく2体2でいい勝負ができる思っただけなんよ」


「それなら問題ないな」


 そう言ってアレクは口に笑みを浮かべる。


「俺1人で充分楽しめるだろう」


「それは、私達程度1人で充分と言うことですか?」


「そうだが?」


「へぇ、随分と余裕やんな?」


「どうだろうな?強がりかもしれん。まぁやってみればわかるだろう」


「せやな、それじゃあこっちから行かせてもらうでぇ『威風の舞・暴風』」


 カエデは2枚の扇で先程よりも強力な風を起こす。だが、アレクはその攻撃をものともせぬ顔で魔法を放つ。


「『風神の咆哮(ルドラ・ブラスト)』!」


 アレクの繰り出した巨大な魔法はカエデの魔法を打ち消し前方を抉りながら2人に襲いかかる。


「何!?」


「クッ!」


 アレクの攻撃を何とか避けた2人だがその威力は絶大で直撃を避けてなお後方に吹き飛ばされる程である。


「とんでもない威力だ……」


『これは当たったら即終わりやろうなぁ』


 距離の離れた2人は魔力結晶を通して会話をする。


「どうしますか、カエデさん」


『1体1じゃぁいくらウチでも勝ち目は無さそうや、ここはどうにか隙を突いて引きましょか』


「で、ですが!ここでポイントを取っておかないと!」


『なら尚更うちらが今アストレアさんにやられる訳にはいかへん』


「そ、それは……」


『今あちらさんのポイントは50対してうちらはサクラちゃんの取った20ポイントだけ、うちらがここでやられるリスク、頭のいいユキノちゃんなら分かるやろ?』


「はいっ……」


 ユキノは唇を噛み締めつつ返事を返す。


「堪忍なぁユキノちゃん。ウチもあんたの気持ちはよォわかる。なら、この借りは2戦目で返そうやないの」


 そうして2人は前を向く。


「話は済んだか?」


「お蔭さんでなぁ、もっのすごいいい作戦が立てられたわぁ」


「それは何よりだ。では、こちらから行くぞ!」


 アレクは全身に雷魔法を鎧の様に纏い、一瞬で2人の視界から消えた。


「な、消えっ……」


「ユキノちゃん!後ろや!」


「ふっ!」


 カエデのお陰で何とか避けるユキノ。だがアレクの攻撃は終わらない。


「『海神の怒り(オケアノス・レイン)』!」


 アレクは両手に水属性の魔力を集め上空に打ち上げる。その魔法は一定の高さまで上がると周囲に四散し雨をふらせた。そして次は雷属性の魔力を両手に集める。


「これは、一体何を……」


「わからんけど、何か危険なことって言うのは間違いないなぁ」


 そうしてアレクは2人に向き直る。


「少しビリッとするが、耐えろよ?『雷の領域(サンダー・ゾーン)』!」


 アレクは両手に集めた雷属性の魔力地面に打ち付けた。そこには水溜まりが何個か出来ておりその水を通して雷が2人を襲う。


「かはっ……!」


「グッ!」


 2人は突然身体中を電気が走り抜けたため痺れその場に膝を着いてしまう。


「ここまで、とは……」


「これは、不味いなぁ……」


 そんな2人にアレクは歩み寄る。


「今のでかなりのダメージは入ったと思うが、まだやるか?」


「さすがにこれ以上はキツイなぁ。けど、ここでやられる訳にも行かんのやわ」


「ほう、ならばどうする?」


 そこでアレクに一瞬の隙ができる。それを見逃す2人では無かった。


「せやねぇ、どうするか言うんやったらこうするしか無いなぁ。ユキノ!」


「はぁっ!」


 カエデの合図でユキノがアレクを攻撃する。それを咄嗟に避けたアレクだがそこに追い打ちをかけるようにカエデとユキノが同時に魔法を放つ。


「『威風の舞・旋風』!」


「『氷刃乱舞・獄』!」


「クッ!」


 その2人の猛攻をアレクは1歩下がり何とか打ち消すがそこに既に2人の姿は無かった。


「これは、まんまとやられたな。少し油断していたか」


 2人は魔法でアレクの視界を悪くしその隙に逃げたようだ。


「追うなら今だが、いややめておこう。あちらが逃げてくれたのならば無駄に魔力を使うことも無い。ポイントも今は俺達がトップだからな」

 

 そうしてアレクはサリーと共にレオ達と合流するためその場を後にした。




「はぁはぁ、次席であれほどの実力とは、アストレア学院。かなり手強いですね」


「せやなぁ、うちと同じ次席とは思えんぐらいの強さやわ。あれは確実にうちらの大将と同等かそれ以上の実力やね」


「更にはその上にもう1人、サクラさんを倒した首席もいます」


「これは2戦目、最初から本気出さないかんなぁ。でもまぁ、とりあえず今は少し休憩しよか」


「はい、さすがに痛みは無いとはいえ体力と魔力の消耗が予想以上に大きすぎました」


 そうして2人はしばらくその場で木にもたれかかる。その目はまだ諦めておらず2人はどこか楽しそうに笑っていた。









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[気になる点] 魔力結晶を通して会話してるときに一人は『』このかぎかっこなのに、もう一人が「」このかぎかっこだと声に出してるように見えてしまう [一言] この作品いいっすね。楽しいです。 ヤマトの選手…
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